「本館編印繍像小説縁起」

「本館編印繍像小説縁起」は、『繍像小説』創刊号に掲載された発刊辞である。有名な文章であり、ほとんどの文学資料集には、収録されている。ゆえに、本文そのものは、簡単に読むことができる。ところが、原物の写真を見かけることがない。中国の研究者が、原本を求めて長らく入手できなかった、と聞いたことがある。『繍像小説』には後刷りのものがあり、どうやらそれには欠落しているらしい。「縁起」は、もともとが赤の色紙に印刷されており、紙そのものが破損しやすい。おまけに線装本だから、細い綴じ糸が切れてしまえば、それで紛失するのだろう。署名される「商務印書館主人」は、一般に李伯元のことだと考えられている。つまり、この「縁起」そのものが李伯元の文章だという。はたしてそれは事実なのか、問題のあるところだ。参考までに、ここに拙藏の「縁起」を掲げる。
(1998.3.17)