『清末民初小説年表』正誤表



1999.10.11
渡辺浩司氏より誤植のご指摘を受けました。ありがとうございます。また、年表の、雑誌『餘興』に関する新採録作品の大部分は孫引きであるともおっしゃいます。その通りです。
 渡辺氏の指摘される「*小説ではない」作品は、新劇、戯曲の類です。イプセン作品も収録しているので、新劇、戯曲も入れたほうがいいかな、という採取基準のユレから生じております。不必要な場合は、無視をお願いいたします。

79a D0611 断頭了 → 頭断了
80a + 余興 → *小説ではない
82a + 哭祭新舞台 → *小説ではない
82a + 烈婦復仇 → *小説ではない
84a G0620 国文教員之鞋 → 国文教員之鞋 (短篇小説)
85a X0901 玉児 → 珠児
100A G0462 (短篇紀事) → (短篇紀実)
100a + 孫知事被〓 → *小説ではない
100a + 西隣闘殴 → *小説ではない
100a + 遺老避兵 → *小説ではない
101a Y1102 余興国 → 余興園
101a Z0028 (短篇紀事) → (短篇紀実)
101a + 周媽 → *小説ではない
103a S0317 (短篇紀事) → (短篇紀実)
103a Y0104 抱璞 → 抱璞子
108a B0332 (短篇紀事) → (短篇紀実)
108a + 蝦蟆王 → *小説ではない
111A b0573 補根 → 補恨



1999.9.26
 渡辺浩司氏より『清末民初小説年表』の誤りをご指摘いただきました。ありがとうございます。
 渡辺氏が利用されたのは、大塚秀高編著『増補中国通俗小説書目』(汲古書院1987)です。『大塚』と略称。
 以下に渡辺氏の要旨を示し、「→」に私の考えを書きます。


●1a-1843 五美縁
『大塚』104頁では、道光2年の刊本を著録する→1840年以前の作品だから削除する。
●1a-1848 陰陽闘異説伝奇
『大塚』15頁で4巻、聯益堂とする→そのように訂正します。感謝。
●1a-1849 雲鍾雁三閙太平荘
『大塚』108頁に道光29年一笑軒をあげる。「D0057大明奇侠伝(絵図)」とは、別作品か→一笑軒は、『新編清末民初小説目録』に注記します。また、「→大明奇侠伝に改題」を追加しましょう。
●1a-1851 繍球縁(又名烈女驚魂伝、巧冤家)
この場合改題書名を示し、「雲鍾雁三閙太平荘」には示さないのは不統一→そうですね。(又名………)とは、基本的に拠った資料の記述のままにしています。『中国通俗小説総目提要』に「一名《絵図大明奇侠伝》」となっていますから、そのように訂正します。
●2a-1855 双英記
『大塚』76頁に『玉支〓小伝』の異版とする。また、『提要』に『玉支〓小伝』の節本とする→『玉支〓小伝』の節本と注記します。
●2a-1856 西湖遺事
『西湖拾遺』『西湖二集』等からの選録→「(渡辺浩司)『西湖二集』等からの選録」と注記します。
●2a-1861 瓦崗寨演義
他のように「咸豊11(1861)」と書くべき→そのようにします。感謝。
●2a-1865 宋太祖三下南唐
『大塚』227頁では、書名を「趙太祖三下南唐被困寿州城<宋太祖三下南唐十粒金丹後伝>」とし、紫貴堂、咸豊八年を記録する→私は、『提要』712頁からひっぱってきたのですが、そのように訂正します。1858年へ移動。
●2a-1870 俗話傾談
『大塚』45頁では、粤東五経楼とする→「広州五経堂」としていたのをそのように訂正します。
●2a-1871 蓮子瓶演義伝
『大塚』109頁では、「後唐奇書蓮子瓶演義伝」とし、富桂堂、同治元年を著録する→「後唐奇書」は角書らしく「蓮子瓶演義伝(後唐奇書)」と改め、1862年に移動します。
●3a-1878 児女英雄伝(一名侠女奇縁)
「X0186侠女奇縁」6a-1898とは、別作品か→同一作品と判断する材料を持ちません。とりあえず、このままにします。ご教示をお願いいたします。
●3a-1881 金鍾伝
『京都大学人文科学研究所漢籍目録』699頁上では、「金鐘伝」とする。また、「J0656金鍾伝全書」5a-1894と同一作品ではないか→「金鐘伝」に訂正します。また、「J0656金鍾伝全書」5a-1894と同一作品ですから、こちらを削除します。
●4a-1888 花月痕
『大塚』109頁では、巻数を16巻とし福州呉玉田刊本をあげる→それぞれを追加します。
●1a-1853 繍雲閣
同治八年重刊をとらず自序の「元豊三年」をとる→自序のみで刊年のない作品は、しかたなく自序を刊年としますが、基本的に、刊年があればそれを優先しています。ですから「繍雲閣」も同治8(1869)に移動してください。
●4a-1888 三国因
『大塚』5頁は、「光緒三二年刊」とする→『中国近代小説大系』の中国近代小説目録21頁にこうあったので、1888年のままを採録しました。
●4a-1890 天門陣演義十二寡婦征西
『大塚』219-224頁では、独立した作品としては扱っていない→『提要』756頁から引用し「書析《北宋志伝》後半為之」を注記します。
●4a-1891 前明正徳白牡丹伝(新編)
3行下の「新編前明正徳白牡丹伝」X0626と同一作品→同一作品でしょう。削除します。
『大塚』244頁は、「上洋博古斎」とするが、『東京大学文学部中国哲学中国文学研究室蔵書目録』68頁には「上海博古斎」とある→上洋と上海が同じなのかどうかは、不明です。
「B0125白牡丹全伝」7a-1901とは別作品か→同一作品らしく、これを削除します。
●4a-1892 正続小五義全伝
単に光緒だけではなく「光緒壬辰18(1892)序」としたほうがよい→そうします。
●4a-1893 双美奇縁
『大塚』64頁には同じ回数の「玉嬌梨<双美奇縁>」がある。同名別作品か→同一作品だと断定する資料を持ちません。とりあえずこのまま別作品として扱います。

以上、たくさんのご指摘をありがとうございました。



1999.9.17
 渡辺浩司氏よりご指摘いただきました。早速のご訂正、ありがとうございます。


>(7)−D17 作品名はそままで → 作品名はそのままで
>(8)−1 考えらる → 考えられる

 ご訂正に感謝します。

>4a−D3 光緒 → 年号はないのでしょうか?

 年表は、『新編清末民初小説目録』を基礎においておりますから、目録の記載のままになっています。

>4a−D1 光緒癸巳3(1893) → 「癸巳3」とは何でしょうか?
>5a−5 光緒癸巳9 → 光緒癸巳19

 「癸巳3」は、癸巳の「三月」を意味します。同じく、「癸巳9」も「九月」です。

>5a−1894年M0262 光緒24(1894) → どちらかを訂正

 光緒20(1894)に訂正。感謝。