音 信 一 通       


 床に白黒のアクリルが点滅し、ホリゾンを半円柱に取り囲んだ壁が縞模様に輝く。廻り階段が中央に向い伸びる。腹と尻にズンッ、ドシャッと電気的に増幅されたドラムの衝撃がひびく。階段の最上段でスポットを浴びて姿を現わすのは松任谷由実である。曲は、シンデレラ・エクスプレスだ。
 大阪フェスティバルホールの観客を総立ちにさせた「「前の人が立つのだから、座ったままでは舞台が見えない、立てば、別の快感がある「「ものは何か。音楽そのものである。電気だ。キーボード2、ギター2、ベース1、ドラム1がそのすべてである。電気の振動と完全に同調した床と壁のきらめき。一見、なんでもないような装置のうらに、コンピュータが駆使されているのが素人の私にでさえわかる。
 うーん、ワープロを出すために引っ張ってしもうた。
 『清末小説』第9号を発行したので、その間の説明をしたいとおもう。
 『清末小説研究』は、活版印刷で7号まで(第7号は中文版)を出した。活版印刷は、すでに完成した技術であり、私も大好きだ。しかし、現代には、現代の技術があるのではないか。一号につき軽自動車一台分の費用がかかるのもイタイ。経済的負担の軽減と、印刷発行までの全工程を自分で楽しむために、ワープロを購入した。版下まで一人でやって出したのが第8号である。これを機に、誌名も改めた。
 第9号が刷り上がったのをみて、第1頁から、間違いがあるのに、がっかりする。自分でやったことだから、とあきらめる。中国語の占める割合が多いことにも気付く。もっと日本語の論文を読みたいと思う。まあ、きばらずに、当分、試行錯誤でやっていくことにしたい。
 「清末小説目録」を作っている。共同で基礎カードを採りおえ、現在、整理中。完成まであと1、2年かかるだろう。