編 集 ノ ー ト


★はじめにおことわりから。前号につづく郭延礼「中国近代俄羅斯文学的翻訳」(下)は、ちかごろ発行された同氏の『中国近代翻訳文学概論』に収録されているため本誌での掲載を中止した。同様に、本号に発表する予定で著者校正まですませていた論文があった。著者から手紙が来て、本人の知らないうちに大学紀要に登載されてしまったという。残念ながら、こちらも取り下げることになった。本誌の編集方針は、未発表論文を掲載するところにある。ご理解いただきたい。なお、樽本照雄「劉鉄雲「老残遊記」と黄河」は、紙幅の都合で本号は休載とする。
★本誌は、意識をしないうちに国境を越えてしまっている。海外に郵送しているし、執筆者は日本に限定していない。本誌第20号の著者別総目録を見たらしい人から、台湾の研究者の論文は掲載されないのか、という質問を受けた。それはまるで30年前の思考法ではないかと自分の耳を疑ったのだ。私は、研究には国境がないと考えている。言葉の壁があるだけだ。過去において台湾の研究者に原稿を依頼したことがある。送られてきた論文は、すでに出版された論文集に収録されているため掲載を断念したのだ。それ以後も、台湾からは投稿がない。本誌は、現在、投稿を主として編集発行する。門戸は開かれていると強調したい。
★『新編清末民初小説目録』についていくつかの書評が書かれている。ありがたい。日本でそのすべてを原本で見ることができるとは限らないのではないか。『清末小説から』に再録を続けているのも記録として残しておきたいからだ。お気のついたものをお知らせいただけるとうれしい。
★研究会ホームページの住所が下記のように変更される。orがneになるだけだが、改めていただければさいわいだ。