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上海図書館編『上海図書館蔵張元済文献及研究』
上海古籍出版社2017.10

2017.12.26
 446頁カラー印刷の巨冊。上編は資料集、下編は研究論文集。
 内容は以下のとおり。
============
 前言、
 ●上編 文献図録、
 1 訳書――南洋公学訳書院、
 2 印書――商務印書館、
 3 蔵書――従渉園到合衆、
 4 著書――館蔵張元済書稿、
 5 会友――社会交往、
 ●下編 文献研究、
 1 古籍整理、
 2 尺牘(欒偉平「夏曾佑与厳訳名著出版之関係――以張元済、厳復致夏曾佑信札為中心」を含む)、
 3 地方文献、
 4 訪書、
 5 人物、
 6 図書館




崔文東「翻訳、国族、性別――晩清女作家湯紅〓翻訳小説的文化訳写」
『中国文哲研究集刊』第50期 2017.3

2017.11.21
 崔文東氏からいただきました。感謝。
 論文は、こちらをご覧ください。




宋莉華著、鈴木陽一監訳、青木萌訳『宣教師漢文小説の研究』
東方書店2017.12.20

2017.12.21
 出版元より頂きました。感謝。宋莉華『伝教士漢文小説研究』(上海世紀出版股▲公司、上海古籍出版社2010.8)の日訳です。
 内容は以下のとおり。
============
 宋莉華「日本語版への序文」、
 鈴木陽一「序文」、
 序論 宣教師漢文小説研究の現状、
 第1章 プレマールと初期のカトリック宣教師による小説『儒交信』、
 第2章 早期のキリスト教の漢語定期刊行物、
 第3章 最初に宣教師漢文小説を書いた宣教師のミルン、
 第4章 ドイツ人宣教師ギュツラフの小説創作と評価、
 第5章 『中国叢報』が翻訳紹介した中国古典小説及び宣教師に対する影響、
 第6章 バーンズと『天路歴程』の訳本について、
 第7章 街頭布教家のグリフィス・ジョンおよびその漢文小説、
 第8章 リチャードと『回頭看紀略』の翻訳紹介、
 第9章 宣教師と中国の近代児童文学の萌芽、
 第10章 一九世紀宣教師小説の文化解読、
 付録 一九世紀西洋人の漢語読本における小説、
 青木萌「あとがき」、
 書名リスト、
 人名リスト




松田郁子『呉〓人小論――‘譴責’を超えて』
汲古書院2017.12.12

2017.12.14
 著者よりいただきました。感謝。博士論文をもとにして出版助成をうけての刊行だそうです。
 日本で清末小説についての専門書が出版されるのは珍しいこと。よろこばしい。
 内容は以下のとおりです。
============
 序論――中国小説史上における呉〓人の位置づけ、
 第1章 清末小説と呉〓人、
 第2章 創作姿勢と生涯、
 第3章 ≪写情小説≫創始の意義、
 第4章 ≪写情小説≫における女性性の構築、
 第5章 ≪社会小説≫――‘暗黒世界’の‘魑魅魍魎’、
 第6章 <理想科学小説>『新石頭記』における‘救世’、
 第7章 「上海遊驂録」における‘厭世’、
 第8章 梁啓超との関係、
 結論、
 註、
 あとがき、
 索引




梁実秋訳『丹麦王子哈姆雷特之悲劇』
影印本

2017.12.11
 梁実秋訳『丹麦王子哈姆雷特之悲劇』(上海・商務印書館1936.7)の影印本です。
 英文は未収録。上のように表紙には「莎士比亜的」と記述しています。扉には書かれていません。
 「例言」によると底本は牛津本、W. J. Craig 編といいます。調べると1914年刊行のようです。




1916年4月13日付『民国日報』

2017.12.8
 続報です。
 文明戯「竊国賊」の『民国日報』広告を探しています。
 1916年3月11日付に広告があるといったのは次のふたりでした。
 〓嵐「林紓与“娯楽化”的莎士比亜」2005と張治『中西因縁:近現代文学視野中的西方「経典」』2012です。
 ところが、先日示したように同日の『民国日報』にはその広告が見あたりません。
 〓嵐氏からは返答はありませんでした。メールの宛名が変更されているかもしれません。
 ひとつの可能性としてはいわれている「3月11日」は旧暦ではないかという推測です。そこで同日の新暦4月13日の複写を入手しました。
 やはり見当たりません。〓嵐と張治はどの日付版を見たのでしょうか。疑問のままに残ります。どなたかご教示いただけるとうれしいです。




《商務印書館120年大事記》編写組編『商務印書館120年大事記(1897-2017)』
北京・商務印書館2017.8

2017.12.3
 商務印書館創業120周年を記念して発行された商務印書館の年表です。従来どおり、日本・金港堂との合弁についてはその事実あるというだけ。詳細についてはほとんど触れません。
 1906年に「出版《説部叢書》第一、二、三集」、「出版《林訳小説叢書》(五十種,陸続出版)とありますが誤り。前者は1903年から後者は1914年からの出版。この誤りを商務印書館はくり返しています。編集者は事実を把握していないらしい。



 
『天演論・茶花女遺事』壹佰貳拾年紀念特蔵
北京・商務印書館2017.3
 

2017.12.1
 商務印書館創設120周年を記念した出版物です。
 大きな箱(上左)に入っていたのが上右の『目録』(縦組み繁体字)。収録品についての説明です。
 序一・陳思和
 序二・陳建華
 《天演論》
 《茶花女遺事》
 こちらは説明して以下のとおり。(法)小仲馬著 曉斎主人(王寿昌)、冷紅生(林紓)合訳
  上海・商務印書館1923.12/1928.9五版 影印本
  ALEXANDRE DUMAS fils“LA DAME AUX CAMELIAS”1848。中華民国十二年十二月初版/十七年九月五版。
 厳訳名著叢刊総目
 商務版林訳作品目録1903-1924(馬泰来「林紓翻訳作品全目」により発行年順に整理しなおしたもの。原作不記、「説部叢書」などの注釈もなし。ただあるというだけの目録です)
 附贈信箋




呉仁華主編『革新与守固――林紓国際学術研討会論文集』
北京・商務印書館2017.5

2017.11.25
 蘇建新氏より教えてもらい(感謝)購入しました。
 収録論文は以下のとおりです。
============
 呉仁華「前言」、
 陳平原「古文伝授的現代命運――教育史上的林紓」、
 夏曉虹「一場曾発生的文白論争――林紓一則晩年佚文的発現与釈読」、
 宋声泉「文学革命時期“林紓敗北”問題新探――兼論共和話語与新文学合法性的建立」、
 陸建徳「文化交流中“二三流者”的非凡意義――略説林訳小説中的通俗作品」、
 黄錦珠「林訳言情小説《巴黎茶花女遺事》的日常性」、
 劉 城「林紓《韓柳文研究法》的学術史意義」、
 郭 丹「林紓的楚辞読本与楚辞批評」、
 朱曉慧「心頭未蓄風波険,一任蒲帆向那辺――従《畏廬詩存》題画詩看林紓的生命情調」、
 胡全章「詩世界里先維新――林紓《〓中新楽府》的詩歌史意義」、
 徐 瑛「身世原非杜拾遺,凄涼偏読拾遺詩――試析杜甫対林紓詩歌創作的影響」、
 盧仁龍「画壇又譜広陵散――《<林紓書画集>序》」、
 林 農「略論林紓的絵画」、
 王少羽「西方文化的引薦者与国学伝統的衛道士――林紓晩年談中西方絵画」、
 鄒自振「林紓与近現代之交的〓都戯劇」、
 宋一明「林紓致陳宝〓三札考釈」、
 蘇建新「交友――結社――従師:琴南先生在榕生平軼事考辨簡評」、
 郭道平「厳復、林紓交遊考論」、
 王 勇「林紓与杜亜泉」、
 包立民「《林紓家書》和家教」、
 呉仁華、郭丹「林紓的文化品格与大学文化建設」




劉瑞「日本訳莎活動影響下的《哈孟雷特》翻訳」
『東方翻訳』2016年第2期(総第40期)刊年不記

2017.11.24
 田漢漢訳『ハムレット』に関係する論文です。
 従来の論文と違うのは、莎劇原文、日本語訳、田漢漢訳を比較対照しているところです。引用を引用しただけの文章ではありません。
 「日本語からの重訳の可能性が強い」と書くだけのものとは基本的に異なっている。これは確かです。




田漢『哈孟雷特』
上海・中華書局1922.11/1936.3八版

2017.11.22
 過日、上記漢訳について少しお知らせしました。
 田漢漢訳は、中国最初の莎劇より直接翻訳したことで有名です。小説型式ではなく戯曲そのままということ。
 これについて瀬戸博士は次のように説明しています。

 完全な中国語訳の出現は、やはり五四運動の後であった。一九二一年田漢訳『哈孟雷』が最初で、『少年中国』第二巻第十二期に発表され、翌一九二二年中華書局より単行本が発行された。当時の田漢に『ハムレット』を訳せる英語力があったか疑問で、日本語からの重訳の可能性が強い。189頁

 田漢が日本滞在中に漢訳したのが『ハムレット』です。瀬戸博士は「日本語からの重訳の可能性が強い」と記述しています。
 そうですか。たしかに中国の研究者でもそう主張している人がいます。ですが、どこか奇妙です。
 ご注意ください。私がこのように書くのは、すでに結論を得ているからです。
 瀬戸博士はを書いている。またですか。
 私のこんどの論文は「田漢漢訳『ハムレット』の底本」といいます。




古二徳(CESAR GUARDE-PAZ)“A CRITICAL REVIEW OF JAPANESE SCHOLARSHIP ON MODERN CHINESE FICTION AND TRANSLATION STUDIES”
(嶺南大学)『JOUENAL OF MODERN LITERATURE IN CHINESE 現代中文文学報』第14巻第1期 2017夏

2017.11.21
 古二徳氏からいただきました(感謝)。英語論文です。
 内容は、清末民国の小説と翻訳について日本の研究者がどのような研究をしているかというものです。これほど詳細に紹介している論文は読んだことがありません。




楊剣主編『張元済図書館館蔵清末民国商務版本重要文献簡介』
杭州・西〓印社出版社2017.6

2017.11.16
 内容はつぎのとおり。楊剣「弁言」、線装、精装、平装、附:肝臓民国商務版本図書目録、書影を添える




1916年3月11日付『民国日報』

2017.11.15
 文明戯「竊国賊」は林訳『吟辺燕語』にもとづいて脚本化した「ハムレット」です。
 1916年3月11日付『民国日報』に広告があるといいます。
 そう書くのは〓嵐「林紓与“娯楽化”的莎士比亜」(『読書』2005年第12期/「林訳与“林訳小説”」の部。陳錦谷編輯『林紓研究資料選編』上冊 福建省文史研究館編2008.6所収)です。これは2009年1月8日付ウェブサイト「豆瓣読書」のfeimo「林紓与“娯楽化”的莎士比亜」と同文。さらに、張治『中西因縁:近現代文学視野中的西方「経典」』(上海社会科学院出版社2012.8。192-193頁)がいます。
 ふたりとも広告文の一部を引用しているので実物で確認しているのでしょう。
 ところが、上に掲げたように同日の『民国日報』にはその広告が見あたりません。奇妙な説明ということになります。
 〓嵐氏に直接問い合わせています。まだ返答はありません。もう少し調査を継続するつもりです。




董麗敏等著『商務印書館与中国文化的“現代”転型(1902-1932)』
北京・商務印書館2017.9

2017.11.14
 内容は以下のとおり。
============
 熊月之「序言」、
 袁進「塑造新型国民――《商務印書館与中国文化的“現代”転型》序言」、
 導 論 危機語境中的知識、媒介与文化転型――商務印書館与近現代中国的文化生産(董麗敏)、
 第1編 “現代”文化生産中的“翻訳”――商務印書館的翻訳出版研究(周敏)、
 第2編 〓類的“現代”追求――商務印書館的古籍整理研究(徐曉琴)、
 第3編 “新文学”/“新文化”想像的多元図景――商務印書館的文学期刊研究(董麗敏)、
 第4編 新文化創制的“下沈”途径――商務印書館的小学国文教科書研究(陳〓鳳)、
 結語 (董麗敏)、
 参考書目、
 後記(董麗敏)



  
『華英亜洲課本』                  図45/林訳第45丁オ


2017.11.13
 右は林訳『伊索寓言』に収録された原題「ブヨとライオン」の挿絵です(図45/林訳第45丁オ)。寓話とは直接の関係はない挿絵を『華英国学文編 ANGLO-CHINESE ROYAL SEKOND READER』(商務印書館1922/初版は1903以前)から引用しました。それを掲げたことがあります(樽本「林訳『伊索寓言』の底本」『清末翻訳小説論集(増補版)』所収)。
 このたび別の影印本を入手しました。『華英亜洲課本 ANGLO-CHINESE NEW ORIENT SECOND READER.』(商務印書館1900)です。
 第27課「論獅子」というライオンを解説する文章に添えられた挿絵(左)はまさに林訳『伊索寓言』と同じもの。
 挿絵全体の磨滅具合を見ると新旧の別がわかります。林訳『伊索寓言』よりもずっと磨滅具合が少ないです。初期のものでしょう。この課本が1900年で林訳が1903年刊行。
 商務印書館の編集者は同じ銅版画をあちこちに流用したらしい。林訳『伊索寓言』もそのひとつです。
 林訳『伊索寓言』の底本を特定するためには挿絵問題を理解することが最低の条件です。いうまでもありません。




蘇建新「林紓訳《伊索寓言》百年未解底本之謎新探」
『福州大学学報(哲学社会科学版)』2017年第4期(総第140期) 2017.7.15

2017.11.11
 蘇建新「林紓訳《伊索寓言》百年未解底本之謎新探」が上記のとおり発表されています。蘇建新氏より論文ファイルをいただき読みました。
 100年以上にわたり不明だった林訳『伊索寓言』の底本を特定したという内容です。すごいですね。
 要約します。
 2008年にアメリカのMichael Gibbs Hillが現存する約100種の英語、フランス語の版本を見て林訳の底本を探した。しかし、『伊索寓言』所収の寓言の順序と挿絵の版画が一致する版本は存在しない。汪原放『伊所伯的寓言』を手がかりにしてタウンゼンド本(Goerge Fyler Townsend's Translation of Aesop's Fables)を見つけた。該書が林訳に酷似している。タウンゼンド本には300篇と350篇があるが、林訳の底本は300篇(Three Hundred)である。
 論文の中心部分はどこかで読んだ記憶があります。
 蘇建新「也説林訳伊索寓言的原本何在」(『清末小説から』第122号 2016.7.1)です。論文名を変更したのは、疑問に終止符をうったという意味でしょう。
 両者を比較して次のことがわかります。
 『から』第122号掲載にはあった樽本『林紓冤罪事件簿』部分を削除した。
 『から』第122号ではタウンゼンド本の300篇と350篇のどちらかはわからないと不明のままだった。今回は300篇に特定した。
 ヒルが底本特定に失敗した理由は、漢訳本文と挿絵が密接な関係があると思い込んだからです。その結果、林訳に収録する挿絵と一致する原本を探し出すことができなかった。この挿絵問題は重要であるにもかかわらず蘇建新は前回、今回ともにひとことも説明していません。
 挿絵問題を解決しないでは林訳の底本がタウンゼンド本であるという説得力は大幅に減じます。なにしろタウンゼンド本の挿絵は林訳と一致しないのですから。
 挿絵と林訳の本文は無関係である。そう指摘したのが樽本「林訳『伊索寓言』の底本――挿絵の謎を解く」(『清末翻訳小説論集(増補版)』2017.1.25ウェブ公開に収録)です。タウンゼンド300絵50本が底本だと特定しました。これが100年以上も未解決だった底本問題の結論です。
 ご注目ください。樽本論文は今回の蘇建新論文よりもはるか以前に公表されています。
 挿絵問題をなぜ提出しないのか。樽本論文を読んだと知らせてきているのになぜ言及しないのか。林訳『伊索寓言』に収録した寓話を299篇と書いているが300篇の間違いだ。そう蘇建新にメールを送りました。
 蘇建新からの返答は要約すると次のようです。
 今回の論文は前回の『から』第122号掲載のものに手を加えたもの。旧稿だから挿絵問題と樽本論文を取り入れることができなかった。しかし、間接的に樽本の結論が信頼できると肯定している。
 ほかの部分には十分に手を加えているのに白々しい説明です。
 299篇と書いたのは郭延礼論文にそうあったからだ。蘇建新は自分で林訳を数えたのではないらしい。他人に責任を押しつけている。
 「HILL博士提出的疑問如今在中日両方的努力下得到解答」だそうです。「前向き」な姿勢ですね。
 まあ、すでに問題は解決していると事実のままに書くと今回の論文を発表する意味がなくなります。苦肉の策でしょう。
 蘇建新は研究の優先権(プライオリティ)ということを理解していません。2番じゃだめなんです!?
 探索に失敗したアメリカ人研究者の名前は出すが成功した日本人は削除する。中国の現在の政治的風向はそのようです。あるいは『林紓冤罪事件簿』という書名を出したくない中国学界の意向でしょうか。
 それにしても言い訳ばかりです。残念というほかありません。




侯運華、劉〓『中国近代小説流派研究』
北京・中国社会科学出版社2017.8

2017.11.8
 内容は以下のとおり。
============
 前言、
 緒論、
 第1章 譴責之声:晩清譴責小説、
 第2章 廟堂江湖:従公案小説、侠義小説到武侠小説、
 第3章 情天恨海:従狭邪小説到鴛鴦蝴蝶派小説、
 第4章 兼容中外:中国偵探小説、
 第5章 〓撃憧憬:近代科学小説与翻新小説、
 第6章 演義史実:近代歴史小説、
 結語、
 参考文献、
 後記




梁実秋訳『哈姆雷特(中英対照)』
台湾・遠東図書股▲有限公司2017.1四版 莎士比亜草書32

2017.11.7
 梁実秋訳『丹麦王子哈姆雷特之悲劇』(上海・商務印書館1936.7)があります。
 これを元にして英語原文を対照させたのが上の書籍です。台湾でも大陸でも幾種類か刊行されているくらい人気があるらしい。
 ただし、英語原文はどこから持ってきたものか上記版本には説明がありません。学術用というよりも英語自修用なのでしょうか。自修用にしてはシェイクスピアでは古すぎる気がしますが。




蘇子敬主編『第四届 中国小説戯曲国際学術研討会論文集』
台湾・里仁書局2013.3.20

2017.10.30
 崔文東氏に教えてもらい(感謝)購入しました。
 以下を含みます。
 辜美高「新加坡文言小説鳥瞰:1907-1911」、
 王晋光「王韜小説的新事及其先駆意義」、
 黄錦珠「黄翠凝:清末民初職業女小説家」など




田漢『哈孟雷特』
上海・中華書局1922.11/1936.3八版

2017.10.27
 「訳叙」の冒頭部分です。
 「某莎翁学者」という曖昧な表現では手がかりになりません。
 それでもなんとかボウアズFrederick Samuel Boas “Shakespeare and His Predecessors”1896/1904を見つけたのです。
 ところがどうもこれではないらしい。
 探索していて、なるほどと思いました。
 すでに解明されているのかどうかは知りません。調べる過程を楽しんでいるというわけです。




『劉半農前期研究』の破損部分

2017.10.20
 過日、上記書籍についてお知らせしました。
 アマゾン中国ではすでに取り扱っていません。
中国の古書ネットに掲載してあったものを入手したのです。
 見ると11-14ページが破り取られている。
 35人民元が日本円で2,450円です。仲介書店の手数料が入っていますから料金は別にかまいません。
 ただし、破損があるものを注釈もつけずに平気で販売する南社書店という会社です。




熊権『《新青年》図伝』
西安・陜西出版伝媒集団、陜西人民出版社2013.6

2017.10.13
 内容は以下のとおり。
============
 引言、
 第1章 開民智,暫別革命、
 第2章 向守旧派宣戦、
 第3章 新思潮与新文学的盛宴、
 第4章 趨向“紅色”的《新青年》、
 尾声、
 《新青年》大事記




郭長海『劉半農前期研究』
北京・団結出版社2014.9 中華南社文化書系 第3輯

2017.10.10
 内容は以下のとおり。
============
 楊天石「中華南社文化書系・総序」、
 前言、
 上編 劉半農早期的生活和活動、
 下編一 劉半農的写作活動、
 下編二 劉半農的翻訳活動、
 附編1 劉半農創作小説輯覧、
 附編2 劉半農散文写作輯覧、
 “紅袖添香夜読書”追踪三十年、
 後記



王〓子『《繍像小説》研究』
揚州大学碩士論文2003.5


 内容は以下のとおり。
============
 中文摘要、
 英文摘要、
 引言、
 第1部分 刊物的基本面貌和運行機制、
 第2部分 刊物的主体定位、
 第3部分 繍像/小説的容涵与互動、
 第4部分 《繍像小説》的文類観、
 注釈、
 参考文献、
 致謝




陸マ「《説部叢書》捜尋記」


黄秀如主編『書的迷恋』
台湾・英属蓋曼群島商網路与書股▲有限公司台湾分公司2004.4 網路与書10


2017.10.4(10.5訂正追加)
 「説部叢書」について説明する文章が掲載されているというので購入しました。
 2001、2005年の中間に発表されたようです。
 【追加】2001年というのは、「説《説部叢書》」(『蔵書家』第3輯 2001.6)を指します。
 2005年は「従《説部叢書》談捜書所見」(『閑話蔵書』北京・学苑出版社2005.8北京第3次印刷)です。ところが、こちらの初版は2002年8月発行らしいです。
 2001、2002年で間違った箇所を訂正したのが上記の「《説部叢書》捜尋記」2004ということになりますか。



2017.9.29
 沢本香子「『瑞西独立警史』について」(『清末小説から』第125-127号)です。訳者について崔文東氏より教えていただきました。
 訳者は奥付に見える陸龍朔ではなく陸龍翔が正しい。
 示された『当代中国四千名人録』304頁の該当部分は以下のとおりです。
 「陸龍翔/字坎生。年四十九歳。江蘇松江人。日本中央大學法科畢業。歴任広東高等裁判廳刑庭庭長、江蘇特種刑事法庭審判員、江蘇民政廳視察員、鎮江県県長、上海県県長」。
 ご教示に感謝します。




彭小妍主編『跨文化流動的弔詭――晩清到民国』
台湾・中央研究院中国文哲研究所2016.11 中国文哲専刊46


2017.9.27
 内容は以下のとおり。
============
 彭小妍「序」、
 彭小妍「導言」、
 ■1 文類的跨文化流動、
 李欧梵「歴史演義小説的跨文化弔詭――林紓和司各徳」、
 潘少瑜「近代翻訳家庭小説中女性社会身▲的解離与重構――従《女人之過》到《空谷蘭》」、
 陳宏淑「翻訳「教師」――日系教育小説中受到雙重文化影響的教師典範」、
 蔡祝青「接受与転化――試論偵探小説在清末民初(1896-1916)中国的訳介与創作」、
 柳書琴「翻訳・尤物――上海新感覚派与「満洲国」藝文志派作家」、
 ■2 文本的翻訳及互渉、
 呉佩珍「《新未来記》在日本的訳介与生成意義」、
 鄭怡庭「英国獵犬乎,西蔵〓敖犬}犬乎,抑或雑種犬乎――THE HOUND OF THE BASKERVILLES 三部清末民初中訳本研究」、
 胡宗文、蔡自青「王国維《紅楼夢評論》中的三個終極目的」、
 彭小妍「《創化論》的翻訳――科学理性与「心」的辯証」、
 作者簡介



柳和城『書裏書外――張元済与現代中国出版』
上海交通大学出版社2017.8


 巨冊なので背表紙まで表示しました。内容は以下のとおり。
============
 張人鳳「序」、
 自序、
 ■巻1、
 開闢草莱的出版家張元済、       張元済的出版宗旨和他的教育思想、
 張元済的思想及其淵源初探、      張元済与商務印書館教科書、
 張元済東瀛訪書与海外遺珍的流布、   《四部叢刊》未刊書目考略、
 南宋龍舒郡本《金石録》公蔵始末――趙世暹致顧廷龍書札四通考釈、
 張元済渉園善本蔵書鈎沈、
■巻2、
 張元済与厳訳名著、          張元済与《日本法規大全》、
 張元済書写的習字帖、         《中国歴史教科書》与張元済序文、
 張元済増訂的《中国歴代世紀歌》、   《新字典》与《新字典様本》、
 張元済与《節本康煕字典》、      張元済与《翁文端公日記》、
 張元済与“鴉片戦役文牘”、      “李秀成公文”及“鴉片戦役文牘”新証、
 張元済為《太平天国詩文鈔》校正増補、 張元済与《上海指南》、
 革命風暴中的商務出版物、       張元済与《万国博覧会遊記》、
 《馬相伯先生年譜》背後的故事、    張元済与《邱吉爾第二次大戦回憶録》、
 《孤本元明雑劇》編印的前前後後、   張元済与《読曲小識》、
 張元済題簽的“唐調”唱片説明書、   《儀文》:張元済題簽的行業会刊、
 張元済与《清儀閣所蔵古器物文》、   《百衲本二十四史》与《衲史校勘記》、
 張元済与両種古本《三国》、      張元済与《永楽大典》、
 張元済与題識的《漢書》影印様本、   孤本《雪庵字要》的伝世与流布、
 張元済与《済生抜萃》、        張元済著《叢書百部提要》考、
 《涵芬楼集古善本》問世前後、     一部該遺忘的古籍叢書――《中華学藝社輯印古書》考、
 張元済与《叢書集成》、        張元済校改的《雁蕩山》撮影集、
 張元済与《版権考》、
 ■巻3、
 張元済的一封軼札――兼談南洋公学訳書院“帰并”説、
 《張元済日記》的底本和版本、     《中華民族的人格》的版本及其故事、
 張元済和他的《社会日記》、      張元済的《西蔵解放歌》、
 張元済環球之旅的新史料、       献給一位老学者的寿礼、
 張元済指導改進排字架的幾件史料、   1907年的商務印書館紀念冊、
 張元済為徐光啓紀念冊題辞、      張元済三覓渉園図、
 張元済発起修葺胡震亨墓始末、     張元済提倡薄葬、
 張元済搬家、             張元済愛花木、
 張元済請客、             張元済拒為東陵改葬捐款、
 張元済状告巡捕房、          張元済被〓票記奇、
 張元済廬山訪蒋、           一塊雁蕩山記遊碑、
 向張元済書札収蔵者的呼吁、
 ■巻4、
 張元済与“党人捐款”、        張元済与呉稚暉、
 張元済与辜鴻銘、           従一▲地址看張元済与民国風雲人物的交往、
 張元済与王寵恵、           張元済与羅家倫、
 張元済与傅斯年的交往、        張元済蒋復〓的両次合作、
 一代学人 一対摯友――張元済与胡適的交往、
 張元済1940年的香港之行、       張元済与昆曲、
 林紓銘文的銅墨盒、          “好書者多寿”――張元済、莫伯驥書縁紀実、
 出版家張元済与蔵書家劉承幹的交往、  張菊老与周汝昌一段翰墨縁、
 呉梅、張元済関於《奢摩他室曲叢》的通信、
 張元済与通訊員汪志清、        愛国老人張元済与陳毅的友誼、
 張元済与南洋中華団体史志編纂處、   張元済与中華民国製糖公司、
 ■巻5、
 商務印書館“橡皮股票”風波豈容否認!――与汪家熔先生商〓、
 商務印書館出版的立憲図書――兼評《中国出版通史・清代巻(下)》謬誤一例、
 我們的分岐在〓口那}里?――与汪家熔先生再商〓、
 張元済咋成了富豪、          張元済著作権辯正――也考《宝礼堂宋本書録》作者、
 校勘学大師的悲哀――由張元済著作校勘問題想到的、
 一条被簒改過的詩注、         抄本《清綺斎蔵書目》著録正誤、
 王国維遺書出版的三件史料、      夏瑞芳、張元済誰找誰?
 陳雲与張元済誰拝訪誰?        三冊《月令解》并非《四庫全書》原本、
 商務印書館老档案散失之謎、      商務老档案散失之謎掲曉、
 “院長”“陳逸卿事件”及其他――汪家熔《張元済》一書質疑、
 後記




張振国『民国文言小説史』
南京・鳳凰出版社2017.6


2017.9.23
 内容は以下のとおり。
============
 緒論、
第1編 傷世曇花:民初文言小説的繁栄(1912-1919)
 第1章 林紓与蘇曼殊:過渡期的〓扎和孕育、
 第2章 民初文言長篇小説的異軍突起、
 第3章 民初的文言短篇小説集、
 第4章 民初報刊文言短篇小説的繁栄与新変、
第2編 桑楡晩景:民国中前期的文言小説(1920-1929)
 第5章 二十年代的文言小説集、
 第6章 二十年代的報刊文言小説、
 ……そのほか、
 結語、
 参考文献、
 後記




邵棟『紙上銀幕:民初的影戯小説』
台湾・秀威資訊科技股▲有限公司2017.8


2017.9.22
 内容は以下のとおり。
============
 楊玉峰「序言」、
 第1章 緒論、
 第2章 影戯小説的創作者、
 第3章 影戯小説中的新旧範式衝突、
 第4章 従電影到影戯小説的図文転換、
 第5章 結論、
 附録 亦中亦西的現代文学嘗試――民国「影戯小説」簡論
 参考書目




蘇精『鋳以代刻――伝教士与中文印刷変局』
国立台湾大学2014.7/2015.9初版二刷 史学叢書5


2017.9.12
 内容は以下のとおり。
============
 自序、
 導言、
 第1章 従木刻到活字――馬礼遜的転変、
 第2章 英国東印度公司的澳門印刷所、
 第3章 麦都思及其巴達維亜印刷所、
 第4章 中文聖経第一次修訂与争議、
 第5章 初期的墨海書館 1843-1847、
 第6章 偉烈亜力与墨海書館、
 第7章 香港英花書院 1843-1873、
 第8章 美国長老会中文印刷出版的開端、
 第9章 澳門華英校書房 1844-1845、
 第10章 寧波華花聖経書房 1845-1860、
 第11章 華花聖経書房遷移上海的経過、
 第12章 姜別利与上海美華書館、
 参考書目、
 索引




劉霞『《文明小史》研究』
煙台・魯東大学碩士学位論文2012.4.20


2017.9.11
 内容は以下のとおり。
============
 摘要、
 Abstract、
 導論、
 第1章 《文明小史》的研究現状、
 第2章 関於《文明小史》的写作与刊行時間、
 第3章 《文明小史》的創作心理観、
 第4章 《文明小史》中的人物形象、
 第5章 民族主義下文化認同的衝突、
 第6章 《文明小史》的藝術局限、
 参考文献、
 謝辞、
 攻読碩士学位期間取得的科研成果




マティーア Mateer 一家
蘇精「上海美華書館遷至北京路18号始末」『新聞出版博物館』2017年第1期(総第30期)2017.7 より引用


2017.9.7
 マティーア一家の集合写真をはじめて見ました。上記論文に掲げてあるのを引用します。
 前列中央が母親 Mary Nelson Diven (1816-96) でしょう。前列右から二人目が長男カルヴィン Calvin Wilson Mateer (1836-1908)、後列左が三男ジョン John Lowrie Mateer (1848-1900) ということらしいです。
 樽本「マティーアと『釦子記』」(『清末翻訳小説論集 増補版』2017電字版)および「ヘプバーン、マティーア兄弟と美華書館」(『商務印書館研究論集 増補版』2016電字版)をご覧ください。



2017.9.5
 『清末小説から』第127号を掲げています。




陳碩文「訳者現身的跨国行旅:従《〓面瑪歌》(MARGOT LA BAKAFREE)到《毒蛇圏》」
『政大中文学報』第27期 2017.6


2017.9.3
 崔文東氏よりいただきました。感謝。
 『清末民初小説目録 第9版』には間に合いませんでした(第10版には追加予定)。一部を掲げます。
============
D1118* 毒蛇圏 (陳碩文)IN THE SERPENTS' COILS. LONDON: VIZETELLY, 1885
M1774* 母夜叉 (陳碩文)但據我査找、対比,黒岩涙香據之翻訳的此英訳本応是在美国出版的;且1905年小説林社出版的『母夜叉』故事与『〓面瑪歌』迥不相r,両者並不是同一部作品
以上

 陳碩文論文に使用されているのは樽本『新編増補清末民初小説目録』2002です。古すぎます。ただし、上記の補訂は第9版についても有効であることを申し添えます。多謝。




張耀傑『北大教授与《新青年》』
北京・新星出版社2014.6


2017.8.31
 内容は以下のとおり。
============
 王思睿序「新文化運動的路径反思」、
 緒論 《新青年》輪値編輯的歴史真相、
 第1章 一校一刊的政学伝奇、
 第2章 蔡元培対陳独秀的借重与免職、
 第3章 陳独秀与胡適的路径岐異、
 第4章 銭玄同的伐異与胡適的求同、
 第5章 劉半農与胡適的善始善終、
 第6章 沈尹黙与胡適的相互攻訐、
 第7章 高一涵与胡適的同住与反噬、
 第8章 周作人的価値混乱与路径迷失、
 後記 一校一刊研究歴程




呂順長『清末維新派人物致山本憲書札考釈』
上海交通大学出版社2017.6


2017.8.30
 「解題」に「佳人奇遇」の訳者は康有儀だという指摘があります。






清末民初小説目録第9版
樽本照雄編 ファイル名 qmbook09.pdf 約22.8MB


2017.8.29
 目録X2を小規模に増補訂正し第9版と改題しました。
 ダウンロードできます。




范伯群主編『中国現代通俗文学与通俗文化互文研究』上下冊
南京・鳳凰出版伝媒股▲有限公司、江蘇鳳凰教育出版社2017.2


2017.8.28
 内容は以下のとおり。
============
上冊、
 呉義勤「序」、
 范伯群「緒言」、
 1 通俗文学与蘇州評弾(童李君)、
 2 通俗文学与戯曲話劇(鮑開ト、艾立中)、
 3 通俗文学与電影芸術(李斌)、
 4 通俗文学与報紙副刊(黄誠)、
 5 通俗文学与既刊、画報(湯哲声、胡明宇等)、
 6 通俗作家与早期翻訳(禹玲)、
 7 通俗文学的営銷策略(石娟)、
下冊、
 8 中国近現代転型期国情与民風的流変(范伯群)、
 9 注続小説宏観研究(張蕾、范伯群)、
 10 中国現代幻想小説(馮鴿)、
 11 通俗作家筆下的散文小品研究(馮鴿)、
 12 通俗文学作家的時評雑感(黄誠)、
 13 通俗作家文史札記研究(李国平)、
 14 通俗作家的新旧体詩歌(銭継雲、張元卿等)、
 范伯群「後記」





「豆瓣読書」ウェブサイト2017.8.16-17


2017.8.27
 先日、「豆瓣読書」ウェブサイトに董牧杭原稿について著者を含めた討論があることをお知らせしました。
 記録するために上に掲げておきます。




董牧杭「日本知名学者為何到中国亜馬遜来謾罵同行?」
『澎湃新聞』ウェブサイト2017.8.16


2017.8.24
 アマゾン中国に投稿した拙稿について紹介と評論が掲載されています。
 別の「豆瓣読書」ウェブサイトには同文が竊鶏不成蝕把米という筆名で。こちらには追加文章があり、数人のご意見を読むことができます。
 ウェブを検索すると別のサイトに転載されていることがわかるでしょう。




陸〓主編『中国話劇百年典蔵』第1巻 早期新劇
北京・人民文学出版社2017.4


2017.8.23
 内容は以下のとおり。
============
 傅謹「総序」、
 編選説明、以下を収録。
 曾孝谷、李叔同「黒奴〓天録」、
 王鍾声「張文祥刺馬」、
 任天知「黄金赤血」、
 陸鏡若改訳「社会鐘」、
 馬絳士訳編「不如帰」、
 侠花「弱女救兄記」、
 陸鏡若(胡恨生憶述)「家庭恩怨記」、
 呉度(号小蝸居髪僧)「新旧怪現状」、
 天虚我生(陳栩、字蝶仙)「生死鴛鴦」、
 新樹「孫知事被〓」、
 佑民「蝦蟆王」、
 今酔「烹〓学」、
 任道「県視学」、
 鴉江鶚士(王泰)「童子針〓」、
 傑雲「誰謂茶苦」、
 天津南開学校新劇団編「新村正」

 なお、『中国話劇百年典蔵』第2巻 五四時代もあります。胡適「終身大事」などを収録




黎子鵬『福音演義:晩清漢語基督教小説的書写』
台湾・国立台湾大学出版中心2017.7 台大哈仏燕京学術叢書02


2017.8.22
 内容は以下のとおり。
============
 李〓学「序文」、
 自序、
 導論、
 /上編 翻訳編 
 第1章 模範聖徒:葉納清《金屋型儀》(1852)、
 第2章 評点天路:胡徳邁《勝旅景程》(1870)、
 第3章 想像楽園:博美瑞《安楽家》(1882)、
 /下編 創作編 
 第4章 建構大英:郭実獵《是非略論》(1835)、
 第5章 稗説聖経:理雅各《約瑟紀略》(1852)、
 第6章 以歌証道:張佃書《無名小説》(1895)、
 第7章 群魔乱舞:郭子符《駆魔伝》(1895)、
 結論、
 参考書目、
 索引




CESAR GUARDE-PAZ, MODERN CHINESE LITERATURE, LIN SHU AND THE REFORMIST MOVEMENT Between Classical and Vernacular Language
SINGAPORE: PALGRAVE MACMILLAN, 2017


2017.8.17
 著者の古二徳氏よりいただきました。感謝。
 内容は以下のとおり。
============
 INTRODUCTION,
 THE POLEMIC IN CONTEXT: HU SHI'S CONVERSION TO RADICLISM,
 LIN SHU'S FIRST PLEMIC: HUSHI AND THE XIN QINGNIAN, JOURNAL,
 LIN SHU'S SECOND POLEMIC: ZHANG HOUZAI AND CAI YUANPEI,
 CAI YUANPEI'S DECEIVING RESPONSE: AN ANALYSIS OF ITS CONTENTS AND FALLACIES,
 LIN SHU AS A LIBERAL HUMANIST,
 CONCLUSION,
 APPENDIX,
 INDEX



 
李保田主編『最新国文教科書初等小学堂課本』6-10冊
桂林・広西師範大学出版社2013.9


二十九版 孔夫子旧書網より


2017.8.8
 上記の書物が刊行されていたので入手しました。
 2冊本でもとの教科書全10冊を収録しています。
 教科書は消耗品ですから所蔵するところは多くありません。まとめてあると便利だと思ったのです。
 アマゾン中国の紹介を見ると「百年老課本書系」だそうです。
 挿し絵を残しつつ(全部ではない)、文字部分をべつに字起こししたりしています。
 結論をいいます。残念ながらこの書籍2冊は資料として使用できません。清朝末期にそういう小学生用教科書が出ていたということしかわかりませんから。
 原本には扉に編集者の名前があります。日本の小谷重、長尾槙太郎、中国の高鳳謙(夢旦)、張元済が併記されているのです。日本人の名前があるのは編集に参加していましたから不思議なことではありません。日本人の名前は重版をへて削除されます。
 奥付の刊年もないし出版元である商務印書館の名前もない。編集者の説明もない。これでは出版した意図が不明です。日本人が編集していたという事実を知られたくないのか、と疑問に思わないでもない。
 参考までに原本の様子がわかる写真を掲げます。イソップの「ライオンと鼠」です。
 いっそのこと全ページを写真版で刊行してもらったほうがよかった。そうすると重版間の異同をどう注記するかという複雑な問題もでてきます。そこを詳しく解説してもらいたかった。




汪耀華編『商務印書館史料選編(1897-1950)』
上海世紀出版股▲有限公司、上海書店出版社2017.3


2017.8.5
 内容は以下のとおり。
============
 汪耀華「這些文本,組合成商務印書館行走的〓図」、
 商務印書館成績概略(民国二年四月)、
 上海商務印書館総公司待遇同人章程(民国十年一月至十六年十月)、
 商務印書館志略(民国十八年七月)、
 上海商務印書館被毀記(民国二十一年七月)、
 商務印書館復業後概況(民国二十三年一月)、
 附録:商務印書館各分館組織表(民国二十三年三月)、
 商務印書館同人節約手冊(民国二十七年十月)、
 九年来之報告(民国三十五年九月)、
 商務五十年来(一九五〇年九月)、
 後記



尹奇嶺『民国時期新旧文学関係散論』
北京・中国社会科学出版社2017.3


 内容は以下のとおり。
============
 緒論、
 第1章 晩清五四以来的啓蒙思潮、
 第2章 五四新文化運動的破旧立新、
 第3章 啓蒙与伝統、
 第4章 対新文化的検討:以“科学”話語為例、
 第5章 晩清民国以来伝統文化的破壊、
 第6章 民国時期新旧文学経済状況的考察、
 第7章 民国時期旧体詩詞的刊印伝播、
 第8章 民国時期旧体文学的創作及理論成就、
 第9章 文言与白話的同根共生、
 第10章 民国時期旧体詩詞的流風遺韻、
 第11章 民国時期安徽概況与旧体詩詞活動、
 結語 中国現代文学研究的接地性、
 附録1 晩清民国漸進思潮初探、
 附録2 40年代汪偽統治時期古体詩詞的復興、
 参考文献



2017.7.19
 『清末小説から』第127号の予告です。
============
漢訳ラム『シェイクスピア物語』の序・補遺………樽本照雄
漢訳リサール辞世詩2――魯迅と梁啓超をめぐる注釈の怪………荒井由美
『瑞西独立警史』について3完――漢訳「スイス独立史」………沢本香子
文明戯「ハムレット」について――「鬼詔」と「竊国賊」………樽本照雄




周兆祥『漢訳《哈姆雷特》研究』
香港・中文大学出版社1981 香港中文大学中国文化研究所比較文学与翻訳中心専刊1


2017.7.13
 漢訳「ハムレット」の専門研究書です。
 「1 莎劇在華概況」、「5 総結:個別訳本批評」、参考書目などを収録。
【追加】
 上記の専門書はいくつかの書籍に引用されていました。36年前の書籍ですから探して古書として入手したのです。
 1980年代にこれほど分厚い漢訳「ハムレット」の専門書が出版されているのには驚きます。
 ただし、清末部分については不十分な箇所があるのもしかたがない。
 以下に、気のついた箇所をあげておきます。全部が間違っているというわけではありません。ご参考までに。

=================
「亨利第六遺事」[兆祥6]1916.4、林訳小説叢書第二集第十五編、「林訳本只保留了故事的梗概,和莎劇的本来面目相差很大」と誤る
「亨利第四紀」[兆祥6]「林訳本只保留了故事的梗概,和莎劇的本来面目相差很大」と誤る、「同年(1916)由上海商務印書館出版単行本」と誤る
「亨利第五紀」[兆祥6]口述者不詳、「林訳本只保留了故事的梗概,和莎劇的本来面目相差很大」と誤る
「紅白〓瑰」[兆祥6]WILLIAM SHAKESPEARE“HENRY IV”、郭象升改編本書(莎士比原著、林紓、陳家麟同訳「亨利第四紀」),改名「紅白〓瑰戦争紀」,列入『山西教育学院叢書」(注:林訳「亨利第四紀」の『小説月報』掲載は1916年。時間が合わない)
「凱徹遺事」[兆祥6]「林訳本只保留了故事的梗概,和莎劇的本来面目相差很大」と誤る
「雷差得紀」[兆祥6]「林訳本只保留了故事的梗概,和莎劇的本来面目相差很大」と誤る
「女律師」[兆祥67]1912年12月、上海城東女学公演「女律師」
「天仇記」[兆祥19]初版1924年,今存的版本為1930年上海商務出版的「万有文庫」本,列做「漢訳世界名著」之一,総第855種
「〓外奇譚」[兆祥6]「海外奇談ママ」上海達文社1903
「吟辺燕語」[兆祥6]「英国詩人吟辺燕語」。「也選了十ママ個故事」と誤る。「誤題「英国莎士比亜ママ著」」と誤る[兆祥10]説部叢書第1集第8篇ママ






左から魏易と夫人の朱霖、友人の董顕光夫妻


魏惟儀『火習}火c}七星』
台湾商務印書館2011.3


2017.7.12
 書名については本ウェブサイトでは表示できないので組み合わせています。表紙写真をご覧ください。輝く北斗七星という意味です。
 著者の魏惟儀は、魏易の娘、台湾の前駐米大使沈剣虹の夫人といいます。
 魏易は光緒六年五月十五日(1880.6.22)生まれ、1933年2月14日没(19頁)。1901年に朱氏と結婚したので上の写真はそれ以後の撮影でしょう。
 収録されている魏易の写真を引用します。(ネットで探すと蔡登山「林紓的「口訳者」之一:魏易――〓眼看作家之十七」『全国新書資訊月刊』2008年11月号電字版に魏易夫妻部分だけを切り取って使用されています。また、改題して「魏易:林紓的幕後英雄」がウェブサイト「才自佳人琴南〓」2012.3.3に掲載。同じ写真です)
 魏易は林琴南の共訳者として著名です。しかし、中国大陸では詳しく調査しようという研究者はあまり見かけません。
 その理由は関係者が台湾へ行ったからだ、と誰かの論文で読んだことがあります。
 そういうことでしょうか。




方夢之、荘智象主編『中国翻訳家研究(歴代巻)』
上海外語教育出版社2017.4


2017.7.11
 表紙が同じように見えます。3巻本のひとつです。
 方夢之、荘智象「前言」、王韜(黎難秋作)、陳季同(黎難秋作)、林紓(林佩〓作)、厳復(賀愛軍作)などついての文章を集めています。




王徳威著、神谷まり子、上原かおり訳『抑圧されたモダニティ――清末小説新論』
東方書店2017.6.25 台湾学術文化研究叢書


2017.7.7
 訳者の神谷まり子氏よりいただきました。感謝。
 内容は以下のとおり。
============
 王徳威「「台湾学術文化研究叢書」刊行の辞」、
 王徳威「日本語版序」、
 序、
 第1章 抑圧されたモダニティ、
 第2章 悪を誨える――花柳小説、
 第3章 空虚な正義――侠義公案小説、
 第4章 卑屈なカーニヴァル――グロテスクな曝露小説、
 第5章 混乱した地平線――サイエンス・ファンタジー、
 第6章 回帰――同時代の中国小説および清末の先例、
 訳者解説、
 参考文献、
 索引



方夢之、荘智象主編『中国翻訳家研究(民国巻)』
上海外語教育出版社2017.4


(7.10訂正)
 方夢之、荘智象「前言」、伍光建(王建開作)、張元済(賀愛軍作)、梁啓超(蒋林作)、杜亜泉(劉永利作)、王国維(金文寧作)、陳独秀(金文寧作)、魯迅(賀愛軍作)、馬君武(袁斌業作)、蘇曼殊(袁麗梅作)、周作人(方開瑞作)、王雲五(王金波作)、胡適(賀愛軍作)などついての文章を集めています。




『申報』1916.5.7


2017.7.1
 瀬戸博士が文明戯ハムレットについて「その最初は、申報で確認できる限りでは一九一六年五月七日に笑舞台で上演された『竊国賊』である」と断言しています。
 その広告が上にあげたものです。
 この新聞広告はなかなかに興味深い。




葉曙明『重返五四現場――一九一九・一個国家的青春記録』
中華書局(香港)有限公司2014.4


2017.6.28
 以下を収録しています。
 第2章 向北京大学集合に「載酒行吟的古文家林紓」、
 第3章 新旧文化的「双簧戯」に「林紓被無辜〓下水」



  
『(科学小説)月界旅行』
北京・中央編訳出版社2014.4 魯迅訳作初版精選集


2017.6.14
 魯迅訳で著名な作品の影印本です。叢書になっていると知りました。
 本文は「美国 培侖原書/進化社訳」、奥付は「美国培倫原著/中国教育普及社訳印/発行所:進化社/印刷者:野口安治/印刷所:翔鸞社/光緒二十九年十月十五日発行」。
 ベルヌの漢訳が1字違い。訳者名が異なる。統一のない表示といえます。
 どこにも底本を示していません。
 ただし、つぎの「辨言」を読めばわかります。
 「月界旅行原書。為日本井上勤氏訳本。……書名原属「自地球至月球在九十七小時二十分間」意」
 底本の井上勤名を出しただけまし。そういう時代の風潮がありました。



2017.6.8
 過日紹介しました。郭延礼、郭蓁『中国女性文学研究(1900-1919)』(2016)です。
 郭延礼氏は、漢訳ドーデ「最後の授業」について説明し黄静英訳「最後之授課」について絶賛しています(151頁あたり)。
 この部分は、先行する郭延礼「都徳《最後一課》的首訳、偽訳及其全訳文本」(『中華読書報』2008.4.16 電字版)を取り入れたとわかります。
 ただし、一部に省略がある。
 たとえば、黄静英はフランス語原文から翻訳している。いくつかの誤訳はあるが逐語訳で、しかも最初の全訳だ。
 そう以前は指摘していたのです。そこが省略されています。
 私は漢訳ドーデ「最後の授業」のいくつかを検討しました(2014-2015。『清末翻訳小説論集(増補版)』2017収録)。
 その結果はこうです。
 「黄静英が底本に採用したのは、フランス語原文ではない。英語重訳(アイヴス英訳)である。削除が多い。原文とは関係のない書き換えを大胆に行なっている。逐語訳ではない。黄静英漢訳は、胡適漢訳と同程度に信頼できない翻訳である」
 郭延礼氏は、ここについて参考文献などなにも書いていません。部分的な省略は、どこかから聞かれたものに依ったのかもしれません。ただし、黄静英漢訳についての称賛ぶりは不変です。




陳祖恩『上海的日本文化地図』
上海錦繍文章出版社、上海故事会文化伝媒有限公司2010.4/2012.5第二次印刷


2017.6.3
 以下のものがあります。
 貳 跨越国境的文雅伝播与〓撞に
 4岸田吟香与“玉蘭吟社”、
 5三井洋行支店長:山本条太郎
 写真多数



于麗萍『中日翻訳文化交流史』
瀋陽・遼寧大学出版社有限責任公司2016.11 中外翻訳文化交流史叢書


 以下のものがあります。
 第1編 近代中日翻訳文化交流に
 第1章 近代中国的日語翻訳文化、
 第2章 近代日本的漢語翻訳文化




岳凱華『外籍漢訳与中国現代文学的発生』
長沙・湖南師範大学出版社2016.8 文苑百花論叢


2017.6.1
 以下のものがあります。
 第1編 外籍漢訳与中国現代文学観念研究に第2章《域外小説集》:周氏兄弟的翻訳与人的文学観的生成、
 第2編に第5章《莎洛美》:王爾徳与中国現代唯美主義思潮的演進、
 第3編 外籍漢訳与中国現代文学体式研究に第10章《黒奴〓天録》:春柳社与中国話劇的孕育、第11章《茶花女》:林訳小説与中国電影外国文学改編片的濫觴、
 徴引書目



劉小剛『清末民初翻訳文学中的西方形象』
杭州・浙江大学出版社2017.1


 内容は以下のとおり。
============
 引言、
 第1章 形象学与翻訳研究、
 第2章 偵探形象研究、
 第3章 科学小説人物形象研究、
 第4章 民族英雄形象研究、
 第5章 冒険小説中的人物形象、
 第6章 黒奴形象、
 結語 総体形象与自我身▲建構、
 参考文献、
 索引



盧仁龍『中国出版家・張元済』
北京・人民出版社2017.2 国家出版家叢書


 内容は以下のとおり。
============
 序:文化的追求与奮闘、
 楔子 初渉出版――南洋公学歳月(1897-1902年)、
 第1章 追尋理想――現代出版的開拓(1902-1920年)、
 第2章 文化使命――締造文化的商務(1914-1920年)など。
 張元済編輯出版大事年表、
 参考文献、
 後記あり




趙俊邁著『典瑞流芳:民国大出版家夏瑞芳』
北京・商務印書館20117.4


2017.5.31
 5.9付本ウェブサイトでご紹介しました。趙俊邁著、汪班BEN WANG、袁曉寧YUAN XIAONING英訳『典瑞流芳:民国大出版家夏瑞芳(中英対照)』(台湾商務印書館2014.6)の北京・商務印書館版です。
 英訳部分は省略して漢語部分のみを簡体字横組み。
 趙俊邁「付梓前幾句心里話(簡体版序)」が新しくつけられました。
 本文、写真とも変更はなさそうです。
 「外資夥伴」つまり外国人投資家として日本の金港堂書籍株式会社が出てきます(84頁)。日本人の長尾慎[槙]太郎は誤植したままです(84、87頁)。担当編集者の知識にないのでしょう。ただし、小谷重は訂正してある(84頁)。






2017.5.28
 林訳シェイクスピアがクイラー=クーチ本を底本にしている。ずいぶんと前にそう指摘しました。
 本年に本ウェブサイトで公開した『林紓冤罪事件簿(統合増補版)』にも収録しています。
 調べていましたら劉錚「【書評】林琴南的功臣(張治『中西因縁』)」(『東方早報・上海書評』2012.11.25 電字版)に奇妙な言及があることを知りました。
 該書評は、ずっと以前に読んだことがあります。上に掲げた部分が追加されたらしい。
 樽本が2008年に公表した「最初の漢訳「ドン・キホーテ」」についてのものです。
 上記書評ではそれを紹介してくれていました。
 追加部分には、最新の樽目録電字版に言及しています。2012年といえば、樽目録第4版(2011)でしょうか。
 問題は次です。最初の漢訳「ドン・キホーテ」についてすでに陳鳴樹『二十世紀ママ[中国]文学大典』に記載されている。しかも、樽目にはそれが漏れているという。いいかげんな説明です。
 たぶん評者がいうのは中国で刊行した『新編増補清末民初小説目録』(2002)のことなのでしょう。
 それの308頁には、「[大典266]は被裼ママ訳とする」と注釈をつけています。
 陳鳴樹の書名が違うし、漏らしているなどと間違って書いていることを指摘しておきます。
 原物で確認したのちの樽目X2八(総第八版の意味)では以下のように説明しました。


『清末民初小説目録X2』2016

 説明はより詳しくなっていると考えます。




郭延礼、郭蓁『中国女性文学研究(1900-1919)』
済南・山東教育出版社2016.7


2017.5.27
 郭延礼氏よりいただきました。感謝。
 ご希望の書名は「20世紀第一個二十年(1900-1919)中国女性文学研究」だったそうです。編集責任者が「わずらわしい(麻煩)」といって上のようになったとか。
 内容は以下のとおり。
============
  緒論 20世紀第一個二十年(1900-1919)中国女性文学的転型及其文学史意義、
  第1章 17世紀至19世紀後期女性詩壇的輝煌、
  第2章 20世紀前夜的女性文学、
  第3章 20世紀第一個二十年(1900-1919)中国女性文学生成的歴史文化語境、
  第4章 20世紀第一個二十年(1900-1919)中国女性文学四大作家群体、
  第5章 20世紀第一個二十年(1900-1919)女性精英的文学活動、
  附録1 20世紀初女性小説書写中的“以訳代作”、
  附録2 《影之花》的訳者“競雄女史”不是秋瑾、
  附録3 秋瑾在中国婦女解放運動中的地位和貢献、
  附録4 辛亥革命前全国女学一覧表、
  附録5 主要参考書目、
  後記




孫艶娜『莎士比亜在中国 SHAKESPEARE IN CHINA』英文
開封・河南大学出版社2010.9 英語博士文庫


2017.5.24
 中国で刊行されたシェイクスピア研究書です。
 「英語博士文庫」とあるとおり、本文は英語です。ご注意ください。
 CHAPTER I THE HISTORY OF CHINA'S RECEPTION OF SHAKESPEAREがあります。


(美)黄詩芸著、孫艶娜、張曄訳『莎士比亜的中国旅行:従晩清到21世紀』
上海・華東師範大学出版社2017.4


 原作は C. Y. HUANG, CHINESE SHAKESPEARES: TWO CENTURIES OF CULTURAL EXCHANGE. COLUMBIA UNIVERSITY PRESS, 2009。
 「第2部 虚構的道徳空間」で漢訳ラム本に言及しています。2016年2月3日付本ウェブサイトで原本の表紙写真を掲げました。




黄湘金『史事与伝奇:清末民初小説内外的女学生』
北京大学出版社2016.3 文学史研究叢書


2017.5.15
 内容は以下のとおり。
============
 陳平原「“文学史研究叢書”総序」、
 導言、
 第1章 “女学小説”的生成与前景、
 第2章 “英雌”的起落、
 第3章 愛情的神聖、罪悪与難局――清末民初女学生的“自由結婚”叙事、
 第4章 曖昧的夜花園――黒幕、小報与女学、
 第5章 抑圧与救贖――清末民初小説内外的妓女和女学、
 余論:小説文類与女学生形象、
 附録:清末民初単行“女学小説”一覧、
 参考文献



〔荷蘭〕賀麦曉(MICHEL HOCKS)著、陳太勝訳『文体問題――現代中国的文学社団和文学雑誌(1911-1937)』
北京大学出版社2016.11 文学史研究叢書


 内容は以下のとおり。
============
 陳平原「中訳本序」、
 中文版自序、
 致謝、
 第1章 導論、
 第2章 聯合(分裂)的創造:進入現代的文学社団、
 第3章 社会和文本:1920和1930年代的新文学団体及其雑誌、
 第4章 集体作者与平行読者:文学雑誌的審美維度、
 第5章 衝突中的文体:劉半農与新詩的形式、
 第6章 文体中的個性:“罵”的批評与曾今可、
 第7章 写作的力量:審査制度和文学価値的建立、
 第8章 結論、
 附録A 文学研究会成員:據1924年会員名単(見第2章)、
 附録B 有関文学社団、雑誌和書籍的統計、
 参考文献、
 陳太勝「訳後記」



 
『南洋風雲』1903 複写


2017.5.14
 ポンセ原著の日訳『南洋之風雲』(1901)の続きです。
 (飛律賓文豪本西氏原著)、夏清馥訳述『南洋風雲』(印刷所:東京並木活版所 光緒29.4.20(1903.5.16)発刊、5.30出版(注:旧暦五月三十日は存在しない。五月二十九日ならば1903.6.24))上海図書館所蔵
 黎沙児(リサール)「絶命詩[辞世詩]」は、『新民叢報』掲載の馬君武漢訳を引用しています。呉超訳を見ているのですがこちらは採用しなかった。




趙俊邁著、汪班BEN WANG、袁曉寧YUAN XIAONING英訳『典瑞流芳:民国大出版家夏瑞芳(中英対照)』
台湾商務印書館2014.6


2017.5.9
 ウェブで北京・商務印書館が創立120周年を記念し『典瑞流芳』を刊行したことを知りました。元版がある。それは台湾商務印書館が2014年に刊行したものだというので取り寄せたのです。
 商務印書館の創立者のひとり、また社長であった夏瑞芳の伝記です。夏瑞芳について単行本が書かれるのは珍しい。
 「中英対照」というのは、漢語で書かれた本文が前半(194頁)に、それの英訳が後半に(179頁)という構成だからです。
 参考資料は最初にいくつかあげてあります(5頁)。しかし本文に注釈なし。学術専門書ではなく読み物を目的にして書かれたものだとわかります。
 「外資夥伴 the foreign investor」つまり外国人投資家として日本の金港堂書籍株式会社が出てきます(123頁)。ただし、日本人は長尾慎[槙]太郎、小穀[谷]重が誤植している(123、126頁)。著者の読み間違いでしょう。
 参照した資料は一般書が主となっているらしい。
 1903年に金港堂と合弁会社となり(140頁)1914年に夏瑞芳が暗殺された21日後に日本資本を回収したと株主大会で報告があった(143頁)。それくらいのことです。詳しい記述はありません。
 表紙に使用された夏瑞芳一家の集合写真も、過去においてすでに紹介されています。
 次の事柄、人名などには言及がないのです。
 印錫璋との関係で日本三井洋行の山本条太郎と知りあう。山本は金港堂社主原亮三郎の娘婿です。さらに、夏瑞芳は1903年の失火を経験しながらレンガ造り3階建ての印刷工場を建設するなど辣腕をふるいました。金港堂との合弁を決断し、民国成立後にはその合弁を解消するのに尽力したのは夏瑞芳その人でした。
 探っていけば興味深い事柄ばかりです。それらについて説明する専門書はニューヨーク在住の著者は見る機会がなかったらしい。詳しい説明がないのは、まことに残念なことです。
 ただし、夏瑞芳の親族がアメリカに居住していることははじめて知りました。
 内容は以下のとおり。
============
 白先勇「推薦序」、
 代序、
 史済良「前言並致謝」、
 楔子、
 外1章、
 第1章 寂寂無聞的文化推手、
 第2章 商務印書館的発〓、
 第3章 従印刷走向出版、
 第4章 広納賢才 昌明教育、
 第5章 為近代教育改革奠定基石、
 第6章 民国第一CEO展現実力、
 末1章 子女有成 夏瑞芳精神長存、
 後記、
 尾声、
 附録:
 蔡元培「商務印書館総経理夏君伝」、
 蒋維喬「夏君瑞芳事略」、
 張樹年「紀念夏公粋芳」、
 夏瑞芳先生年表、
 夏瑞芳担任総経理期間,商務印書館大事紀(金港堂との合弁とその解消の記載がない、『繍像小説』刊行に触れない)、
 図版。
 英訳文版 A PIONEER REMEMBERED- A BIOGRAPHY OF HOW ZOEN FONG。




(日)瀬戸宏著、陳凌虹訳『莎士比亜在中国:中国人的莎士比亜接受史』
広州・広東人民出版社2017.1


2017.5.8
 『中国のシェイクスピア』の漢訳版です。第2章に「翻訳家林紓的莎士比亜観」があります。
 アマゾン日本のレビューで次のように書きました。
 「私が今まで読んできた漢訳シェイクスピア関係の論文のなかで、瀬戸博士のものは最悪最低である」
 その評価に変化はありません。
 亜馬遜(アマゾン)中国の「買家評論」にも投稿しています。




王〓『商務印書館与中国現代女性啓蒙』
北京・商務印書館2016.12


2017.5.1
 内容は以下のとおり。
============
 蒋原倫「序言」、
 引言、
 第1章 商務印書館与《婦女雑誌》、
 第2章 《婦女雑誌》伝播的理論和現実語境、
 第3章 啓蒙与改良:“微物新知”与“新賢妻良母”、
 第4章 顛覆与重建:“新性別倫理”与“新女性”、
 第5章 生活与都市化:“新感覚経験”与“準摩登女性”、
 第6章 《婦女雑誌》的伝播機制与話語空間構建、
 結語、
 参考文献、
 附表、
 後記



2017.4.28
 『清末小説から』第126号の予告です。
============
 いくたびかの阿英目録17………樽本照雄
 漢訳リサール辞世詩1――魯迅と梁啓超をめぐる注釈の怪………荒井由美
 「説部叢書」元版はタンポポ文様………神田一三
 『瑞西独立警史』について2――漢訳「スイス独立史」………沢本香子






『飛獵濱独立戦史』 孔夫子旧書網より引用


2017.4.21
 ポンセ原著の日訳『南洋之風雲』(1901)の続きです。
 漢訳『菲利濱独立戦史』(辛亥年十月初版/中華民国二年十月三版)影印本に先行するのが上の書物です。
 刊年は「光緒二十八(1902)年十一月首版」ですから日訳を底本にして漢訳を急いだことがわかります。
 短期間に複数の漢訳が出版されるくらい話題になった刊行物です。






華斯比「民国推理研究会」


2017.4.19(追加あり)
 ネットで上のサイトを見つけました。
 「民国推理拾遺」叢書を計画しているということです。
 実現するといいですね。
 基礎作業として各種目録から推理小説を抜き出すことから始めるらしい。
 樽目録は第3版(2002)ではなく、X2第8版(2016)をご利用ください。本ホームページからダウンロードできます。
 『上海のシャーロック・ホームズ』の書影があるので掲げました。




馬勤勤『隠蔽的風景:清末民初女性小説創作研究』
天津・南開大学出版社2016.10 “性別視角下的中国文学与文化”叢書


2017.4.12
 内容は以下のとおり。
============
 喬以鋼「総序」、
 緒論、
  上巻 生平追踪与作品考述、
 第1章 晩清女性小説創作考述、
 第2章 民初女性小説創作考述、
  下巻 閨情・啓蒙・市場・学校――清末民初女性小説創作的四種面向、
 第3章 長記定公〓一語 不将此骨媚公卿――陳翠娜小説創作的閨秀気質、
 第4章 休笑女児無遠志 也曾仗剣走天涯――劉韻琴及其愛国啓蒙的反袁小説、
 第5章 当“才女”与“市場”相遇――従高剣華看民初文壇知識女性的小説創作、
 第6章 “浮出歴史地表”之前的女学生小説――以《直隷第一女子師範学校校友会会報》(1916-1918)為中心、
 附録1:清末民初女性小説創作一覧表、
 附録2:《眉語》発刊時間推算表、
 附録3:《香艶雑誌》出版時間考述、
 附録4;《遊戯雑誌》出版時間推算表、
 附録5:凌叔華在直隷第一女師的事迹、佚作考、
 主要参考文献、
 後記



張梅『晩清五四時期児童読物上的図像叙事』
北京・中国社会科学出版社2016.12 曲阜師範大学青年学術文叢


 内容は以下のとおり。
============
 総序、
 朱自強「創新・拓展・増値(序)」、
 緒論、
 第1章 《小孩月報》:多種図像叙事探索、
 第2章 《蒙学報》:児童啓蒙的“図説”形式、
 第3章 《啓蒙画報》:遊戯方式演説啓蒙、
 第4章 従挿図看伝統蒙学読物到教科書的原題転型、
 第5章 《児童教育画》:図像童年、
 第6章 《児童世界》:児童文学“図像転向”的発生、
 第7章 《小朋友》:文与図的互文性、
 第8章 従図像看晩清五四時期児童書刊的多種探索、
 参考文献、
 後記、
 魏建「跋」






『菲利濱独立戦史』影印本


2017.4.10
 過日、ポンセ原著の日訳『南洋之風雲:比律賓独立問題之真相』(1901)を紹介しました。
 それの部分訳が『比律賓志士独立伝』(1902)でした。
 このたび『南洋之風雲』の全部を漢訳した『菲利濱独立戦史』影印本を入手したので掲げます。
 その奥付をご覧ください。刊年を表示した部分がそういう有様です。原本が破損しているのでどうしようもありません。
 調査すれば簡単に判明します。「辛亥年十月初版/中華民国二年十月三版」のようです。
 これには先行する版本があるところまでわかりました。




周南京、凌彰、呉文煥主編『黎薩爾与中国』
香港・南島出版社2001.5


2017.3.27(一部加筆)
 魯迅は「雑憶」(1925)においてフィリピン人リサールの名前を出したことがあります。問題は、『魯迅全集』1981年版の注釈です。
 引用します。
 ============
 他的絶命詩《我的最後的告別》,曾由梁啓超訳成中文,題作《墓中呼声》。227頁
 彼(注:リサール)の辞世の詩「わが最後のわかれ[我的最後的告別]」は、かつて梁啓超により漢訳され「墓中からの呼び声[墓中呼声]」と題された。
 ============
 梁啓超がリサールの詩を漢訳して「墓中呼声」と題した。そう断言しています。
 上記書籍の無記名「前言」に『魯迅全集』の注釈を問題にしています。
 方法をつくして探したが、梁啓超が漢訳したというリサールの絶命詩「墓中呼声」を見つけることができない。
 しかし、陳漱渝「心霊的感応――魯迅与菲律賓作家黎刹」(『天津日報』2011.8.31 電字版)でも梁啓超がリサールの絶命詩を漢訳して「墓中呼声」だと明記しています。
 事実はどうなのか。興味のあるところです。




木村毅編『ホセ・リサールと日本』
アポロン社1961.6.10


2017.3.25
 フィリピンの知識人ホセ・リサール作「最後の訣別」が本書にも収録されています(加瀬正治郎訳)。
 「本書にも」というのには意味があります。
 東京時代の魯迅は、リサール詩を読んでいるからこそ「雑憶」(1925)で彼の名前を出したのでしょう。
 問題は『魯迅全集』1981年版の注釈です。リサール詩を梁啓超が漢訳していると断定しました。
 大いに怪しい。すでに疑義を表明した文章がいくつか公開されているのですね。
 マリアノ・ポンセからリサールにたどりつくとは想像もしませんでした。フィリピン独立派という共通点はあるのです。



2017.3.12
 藤井得弘「【書評】ホームズを生み出したかった中国人――樽本照雄編・訳『上海のシャーロック・ホームズ』」(北海道大学文学部中国文化論研究室『火輪』第27号 2016.11.30)が刊行されました。
 ルビについてご意見が書かれています(43頁)。張(チャング)、清(チング)はチャン、チンと表記すべきだ、と。
 日本人の耳では現代漢語の -n と -ng の区別ができません。ですから「チャン」「チン」と書いて平気です。
 ルビにわざわざ「チャング」「チング」と振ったのは、原音に近い表記にしたからです。




馬睿『文学理論的興起:晩清民初的一▲知識档案』
済南・山東文藝出版社2015.6 李怡、張中良主編『民国歴史文化与中国現代文学研究』叢書


2017.3.11
 内容は以下のとおり。
============
 李怡「総序之一:民国歴史文化与中国現代文学研究的新可能」、
 張仲良「総序之二:歴史還是現代文学学科拓展的有効途径」、
 上編 現代教育:文学理論学科化的体制基礎、
 中編 新知識群体:文学理論学科化的人力資源、
 下編 教材与核心詞匯:文学理論学科化的学術載体、
 参考文献、
 後記



鄭国和『柴四朗《佳人奇遇》研究』
武漢大学出版社2000.12


 内容は以下のとおり。
============
 前言、
 第1章 政治小説《佳人奇遇》批評史、
 第2章 《佳人奇遇》作者柴四朗略伝、
 第3章 《佳人奇遇》慷慨、
 第4章 《佳人奇遇》的愛国主義、
 第5章 従愛国主義到帝国主義、
 第6章 結論、
 参考書目



単徳興『翻訳与脈絡(修訂版)』
北京・清華大学出版社2007.12/2016.5 翻訳与跨学科学術研究叢書


 以下を収録しています。
 「翻訳・経典・文学――以 GULLIVER'S TRAVELS 為例」
 「翻訳・介入・顛覆――以《海外軒渠録》為例」







2017.3.10
 amazonにカスタマーレビューを投稿しました。




「(倫理小説)歌場喋血記」崔文東氏提供


2017.2.20
 (英)名家小説梅麗柯ママ烈女士著 (周)痩鵑訳「(倫理小説)歌場喋血記」(『婦女時報』21期 1917.4)の原作者について崔文東氏よりご指摘をいただきました。多謝。
 梅麗柯ママ烈女士(MARIE CORELLI)ではなく、梅麗柯麗烈女士だというのです。
 樽目録X2でも間違っています。そのもとを追究するとおかしな事実を見つけました。
 樽目録を編集したときに最初に依ったのは[彙C3320]です。参照した順に並べてみましょう。

 [彙C3320]梅麗柯ママ烈女士
 [大典440]梅麗柯ママ烈女士
 [史索二137]梅麗柯ママ烈女士
 [痩鵑378]梅麗・柯ママ烈女士『婦女雑誌ママ』第21号

 原作 THE SONG OF MIRIAM を記述した劉樹森目録には原作者と訳者は不記でした。
 また、[劉晩]には『婦女時報』を収録していますが、該誌民国部分は[劉民]には未収録です。
 私が参照した資料のすべてが誤記しているのはどういうことでしょうか。その最初が[彙C3320]ということになりそうです。それ以後の目録は実物で確認せずにすべて[彙C3320]を引用したとでも。ちょっと考えられません。
 本文と目次の表示が異なることがあります。中国の編集者は実物を見ても本文ではなく目次の記載を採取することが多い。このばあいもそうかもしれません。
 実物で確認する必要があるのは当然です。ただし、本文と目次の違いがあったりして判定するのはなかなかむつかしいのです。
【追記】
 崔文東氏よりのご教示で次の論文がネット上にあることを知りました。
 李欧梵「“高蘭麗女史”是誰?」『文匯筆会』2017.2.13 電字版



 
マリアノ・ポンセ肖像             山田美妙『あぎなるど』


2017.2.16
 過日、本研究会ウェブサイトに掲げました『比律賓志士独立伝』関連です。
 その底本『南洋之風雲:比律賓独立問題之真相』の著者は(比律賓)マリアノ・ポンセです。彼の肖像が、山田美妙『(比律賓独立戦話)あぎなるど』後編(内外出版協会1902.9.30/12.12再版)に収録されています。
 ウェブ上で見かけるものとはことなりますから掲げます。




橋川時雄著、高田時雄編『民国期の学術界』
臨川書店2016.11.30 映日叢書第3種


2017.2.9
 「学術視察報告書」に商務印書館の張元済を紹介して「民国十六年、孫伝芳、張宗昌の両軍が上海に来駐するや、該館(注:商務印書館)は兵舎となり、兵卒は書籍を以て石炭に易ふるが如き無謀を為したり」16頁とあります。




李怡『問題与方法:民国文学研究』
台湾・文史哲出版社2016.8 民国文学与文化系列論叢2


2017.2.7
 『作為方法的民国』(山東文藝出版社2015)の重印。内容は以下のとおり。
============
 張堂リ「総序一:民国文学史観的建構――現代文学研究的新思維与新視野」、
 李怡「総序二:民国歴史文化与中国現代文学研究的新可能」、
 導論:論作為方法的「民国」、
 1 「国家歴史情態」与文学史叙述――百年中国文学史研究的概念与範式問題、
 2 文学的「民国機制」、
 3 民国歴史視野中的現代中国文学、
 4 民国文学研究的学術論衡、
 5 「民国歴史情境」与知識社会学方法、
 後記、
 台湾版後記



2017.2.2
 『清末小説から』第125号の予告です。
============
 いくたびかの阿英目録16………樽本照雄
 『瑞西独立警史』について1――漢訳「スイス独立史」………沢本香子
 晩清民国時期《金銀島》漢訳本考述………付 建舟
 商務版「説部叢書」試行本………神田一三




ドイル「バスカヴィル家の犬」



2017.1.28
 古二徳氏よりいただきました。感謝。
 ロンドンにあるホームズ博物館のおみやげ物だそうです。額に入れて観賞用になります。



2017.1.27
 『清末小説から』第124号30頁の一部を訂正しました。再度かかげます。




劉尅キ子女編『余〓集――劉成忠、劉鶚、劉大紳、劉尅キ四世詩存』
私家版(壹号文化伝播有限公司印刷制作 2016)


2017.1.19
 劉成忠、劉鶚、劉大紳、劉尅キ各氏の詩など関連資料をカラー写真で収録しています。
 内容は以下のとおり。
============
 劉徳威「写在前面」、
 陳祥耀「代序」、
 第1輯 因斎詩存(劉成忠子恕)、
 第2輯 鉄雲詩存(劉鶚鉄雲)、
 第3輯 君暉軒心痕残稿(劉大紳季英)、
 第4輯 鴻桷楼詩詞(劉尅キ厚滋)、
 第5輯 劉厚沢、劉厚〓、劉厚禄、
 劉徳康「後記」




林紓著、夏曉虹、包立民編注『林紓家書』
北京・商務印書館2016.5 砕金文叢


2017.1.14
 (1.16 夏曉虹氏より誤植の訂正をいただきました。感謝。訂正して再度掲げます)
 夏曉虹氏より本書を含めて以下の書籍をいただきました。多謝。
 内容はおおよそ以下のとおり。
 林紓書簡、示林j(写真つき)、書林j古文習作の訂正(写真つき)、墓誌銘、詩などを収録する。夏曉虹「小引」、林実馨「畏廬老人訓子遺書」、林大文「後人心目中的林紓」、夏曉虹「閲読林紓訓子書札記」、包立民「林紓的家教」



夏曉虹『晩清女子国民常識的建構』
北京大学出版社2016.1 学術史叢書


 導言、
 第1章 経典闡釈中的文体、性別与時代――晩明与晩清的《女誡》白話注解、
 第2章 晩清女性典範的多元景観――従中外女傑伝到女報“伝記”欄、
 第3章 晩清西方女傑伝的隠蔵底本――《世界古今名婦鑑》的“百変身”、
 第4章 明治“婦人立志”読物的中国之旅――晩清女報中的西方女傑探源、
 第5章 女性生活中的音楽啓蒙――晩清女報中的楽歌、
 第6章 晩清女報中的国族論述与女性意識――1907年的多元呈現、
 附録:晩清両▲《女学報》的前世今生、
 主要参考文献、
 後記



陳平原『作為学科的文学史:文学教育的方法、途径及境界』
北京大学出版社2011.2/2016.5第2版


 増訂本序、
 第1章 新教育与新文学――従京師大学堂到北京大学、
 第2章 知識、技能与情懐――新文化運動時期北大国文系的文学教育、
 第3章 “文学”如何“教育”――関於“文学課童”的追懐、重構与闡釈、
 ……
 第5章 晩清辞書与教科書視野中的“文学”――以黄人的編纂活動為中心、
 第6章 古文伝授的現代命運――林紓与北京大学的離合悲歓、
 ……
 第9章 小説史学的形成与新変、
 ……
 第12章 重建“中国現代文学”――在学科建制与民間視野之間、
 引用及参考書目、
 増訂本後記




朱曉慧、荘恒ト『林紓――近代中国訳介泰斗』
福州・海峡出版発行集団、福建人民出版社2016.5 福建歴史文化名人叢書


2017.1.13
 内容は以下のとおり。
============
 李紅「総序」、
 前言、
 第1章 畏廬身世出寒微:苦難的人生、
 第2章 終身不為偽;畏天循分的祖訓、
 第3章 読書則生、不則入棺:林紓学習的故事、
 第4章 少年社里目狂生:林紓的自負与狷狂、
 第5章 総角之交両托狐:林紓的義骨侠腸、
 第6章 宦情已掃地而尽:傲骨布衣的選択、
 第7章 月下聴書老母来:林紓的親情世界、
 第8章 今日国仇深似海:林紓的愛国情懐、
 第9章 強国者何恃:林紓与教育的故事、
 第10章 訳才并世数厳林:開新風的林訳小説、
 第11章 十年賣画隠長安:学者的狷介与自守、
 第12章 力延古文之一線:古文最後的守夜人、
 結語 悠悠百年、自有能辯者、
 作者的話、
 延伸閲読、
 後記



付建舟、黄念然、劉再華『近現代中国文論的転型』
上海世紀出版股▲有限公司、上海古籍出版社2015.8


 内容は以下のとおり。
============
 緒論、
 第1章 近現代中国文論転型的現実語境、
 第2章 近現代中国文学観念的転型、
 第3章 近現代中国文学創作理論的転型、
 第4章 中国文学批評観念与批評文体的現代転型、
 第5章 近現代文学雅俗観与文白観的転型、
 第6章 近現代通俗文学理論的〓変、
 第7章 近現代叙事文学理論的転型、
 第8章 近現代文学史観的転型、
 第9章 近現代批評史観的転型、
 第10章 馬克思主義文学理論的中国化与中国文学理論的近現代転型、
 参考文献、
 後記



胡全章『中国近代作家片論』
北京・中国大百科全書出版社2016.9


 内容は以下のとおり。
============
 第1編に「梁啓超与20世紀初年文界激変」「梁啓超与政論文学的繁栄」、第4編に「会稽萍雲女士和碧羅女士――清末新派詩人周作人的模擬女性写作」、第5編に「林紓的“白話道情”」「邱〓〓的小説批評」「胡適的白話小説」「清末民初北方小説徐剣胆」「清末民初京味小説名家蔡友梅」、第6編に「陳独秀的早期白話文学倡導与実践」などがある。



 
日本・訳書彙編社 光緒28.9.9(1902.10.10)  『比律賓志士独立伝』


2017.1.12
 上記の漢訳は、表紙だけが「飛律賓」です。目録と本文は「比律賓」。一般に「比律賓」が採用されています。
 この底本が判明しましたからご報告します。
 (比律賓)マリアーノ・ポンセMARIANO PONCE著、宮本平九郎、藤田季荘共訳『南洋之風雲:比律賓独立問題之真相』博文館1901.2.23の「付録:志士列伝」を漢訳したものです。



2017.1.6
 昨年、付建舟『清末民初小説版本経眼録・清末小説巻』および『清末民初小説版本経眼録・民初小説巻』が刊行されたことを本ウェブサイトでお知らせしました。
 次の表は、それらに目を通して作成したものです。
 疑問表を掲げます。
 必ずしも間違いを指摘したものではありません。「疑問表」とした理由です。
 お役に立てばさいわいです。




国蕊「陳冷血による翻訳小説の底本に関する考察」
『跨境:日本語文学研究』第1号 2014.6 高麗大学校日本研究センター 電字版


2017.1.2
 上に掲げました国蕊「陳冷血による翻訳小説の底本に関する考察」は、新発見のある論文です。
 陳景韓(筆名冷血ほか)の翻訳は多くが日本語を底本にしていることを指摘します。
 今まで特定のできなかった底本をいくつも明らかにしている。そこが新発見があるという理由です。
 それはいいのです。しかし、すでに特定ができているはずの「聖人歟盗賊歟」について別の作品を書いていて奇妙です。
 上にマーカーで色づけしました箇所を見てください。
 「日訳底本:リツトン原作、原抱一庵訳」の原作を「THE Minnie and Winnie. Lord Lytton」としている。

 該作品については、はじめからリットンLord Lytton作『ユージン・アラムEugen Aram』1832ということがわかっています。
 
「聖人歟盗賊歟」             『聖人か盗賊か』
『新新小説』1-3号 光緒30.8.1-11.1(1904.9.10-12.7)   日本・今古堂書店1903.3.5     ・

 日本語訳の本文には「英国リツトン卿原作、抱一庵主人(原(余三郎)抱一庵)著述」とあります。
 訳書冒頭において「英国笠頓(リツトン)卿の『ユージン阿羅(アラム)』と説明しているのが証拠です。
 陳景韓は、日訳上篇16回のうち第6回途中までを漢訳したに過ぎません。
 漢訳に冷血(陳景韓)の附言があり次のように書いています。
 「此書為英国近代之政事家兼小説家笠頓(Lord Lytton)先生所著。其文為其著述中傑作之傑作原名Eugene Aram又為日本文学家抱一庵主人所述訳」
 それがなぜ国蕊の説明では「THE Minnie and Winnie. Lord Lytton」になるのか、理由は不明です。
 なにかの勘違いではないかと思います。ほかの新発見が印象深いものですから、どこかちぐはぐな感じを受けました。






清末小説二談
ファイル名 2dan.pdf 約71.6MB
樽本照雄著





漢訳アラビアン・ナイト論集 増補版
ファイル名 arabian2.pdf 約24.8MB
樽本照雄著





清末翻訳小説論集 増補版
ファイル名 fanyi2.pdf 約215.3MB
樽本照雄著





林紓冤罪事件簿 統合増補版
ファイル名 lin3.pdf 約58.3MB
樽本照雄著





清末民初小説目録X
ファイル名 qmbookx2.pdf 約64.2MB
樽本照雄編





商務印書館研究論集 増補版
ファイル名 cp2.pdf 約20.9MB
樽本照雄著





初期商務印書館研究 増補版
 The Commercial Press of Early Date (expanded edition)
 ファイル名 cp3.pdf 約25MB
樽本照雄著






2017.1.1
 本年もよろしくお願いいたします。


 『清末小説から』第124号を掲げています。




はじめに
 2016年に現在のアドレスに移転しました。
 『清末小説から』の最新号所収の論文と『清末小説』(第35号2012で終刊)ほか全部のファイルを読むことができます。
 これまでの研究会活動を紹介するかわりに雑誌『清末小説(研究)』の編集ノートをあつめた編集ノート集をかかげます。おおよその活動が理解できるでしょう。

あらためまして
 中国の清末小説(しんまつ しょうせつ)を専門に研究している会です。清末とは、清朝末期のことを指します。厳密にいえば、「中国の」と付ける必要はありません。清末は、中国にしか存在しませんから。まあ、丁寧に言っております、くらいのことですのでご了承ください。
 年代でいえば1900年代から1911年の辛亥革命をへて五四文学前です。
 日本ならば、明治30年代から大正初期にあたります。
 というわけで、清末小説を専門にしているといっても、中華民国初期の小説も含んでおりますので、誤解のないようにお願いいたします。
 それならば、いっそのこと「清末民初小説研究」と名づけていいようなものの、長いです。
 研究会と称していますが、組織はありません。会員もいません。
 定期刊行物として季刊の『清末小説から』(ウェブでの公開を継続中)を発行することが研究会の目的です。