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2024.4.28
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 @《定夷小説精華》上海・国華新記書局 中華民国念四年一月再版
 兩杯茶、縹緲郷、冤禽涙、顧曲縁、女児剣、鴿原雙義(縊?)記、雙G福、情海潮、自由毒、杜秋英、王琴仙、花玉英、碧雲孃、林〓香、周貞娘、呉靜篁、竇廖娘、張月珍、林桂仙姉妹
 A《定夷碎墨》,詳細不明、孔夫子旧書網に写真あり。
 B李定夷作品《春閨入夢》在出版時,多次多處被誤植爲《春閨人夢》(C0996)
 C黎黄陂軼事 的主體是南社社員貢少芹所著,但是其中有一章是李定夷所摯竅C因此版權頁寫的是貢少芹李定夷合著
 D《香閨夢境》的序言和《鏡花水月》的序言完全一致
 E《小説集錦》
 劫灰苦語(慘史)、紅線後身(侠情)、狎邪鑑(醒世)、梅影小説(義烈)、鵑孃血(哀情)、劉捷、石樵、張紹廉、粉面獅、湯廚、凌虚舞、胡獄卒、碧月児、西山異人、洞溪漁叟、跛大姐、呉夢燕、雲簫琴影、某教員、某巡士

 馬文偉「試論《紅粉劫》是僞譯」があります。




2024.4.27
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 「瀛島孤芳(哀情小説)」50回 (日)吉沢晴男著 遼左復水散人訳 新聞連載 詳細不明 「1929年10月29日 訳者附識」 雑書館所蔵
 原本は吉沢晴男著、村田天籟閲『肉山血海/最後之決戦』武田博盛堂,1912.4.19。国立国会図書館デジタルコレクション所収(奥付なし)



 
MASHI           風流菩薩

2024.4.26
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 @放假日子到了 TAGORE“THE HOME COMING ”(“STORIES FROM TAGORE”NEW YORK: THE MACMILLAN COMPANY, 1918 所収)
 A髑髏 TAGORE“THE SKELETON”(“MASHI, AND OTHER STORIES”LONDON: MACMILLAN AND CO., LIMITED, 1918 所収)。參見(渡辺浩司)の“馬喜”條
 B《風流菩薩》李定夷,《遊戲世界》第10期 1922
 C子規涙 【今按】貢紹琴,當係“貢少芹”的訛誤,由於同音致誤



 
原作と漢訳

2024.4.25
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 「賣果者言」原作は“KABULIWALA”,選自SELECTED SHORT STORIES BY RABINDRANATH TAGORE, OXFORD UNIVERSITY PRESS, 2006年版
 【注釋】該篇由BENGALI 譯成英文,只見到2006年版,未能找到早期版本,暫不知最早的出版日期。



  
HIS LAST BOW; A REMINISCENCE OF SHERLOCK HOLMES, 1919    赤環党

 

2024.4.21
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 @《赤環党》的原著信息是ARTHUR CONAN DOYLE“THE ADVENTURE OF THE RED CIRCLE”1911.3-4
  此四部著作是同書異譯:《赤環党》C0768*=《紅圜会》H1143*=《紅圏党》H1251b*=《死神》S2563*
 A《臙脂花王:非非艶史》阿難(蘇玄瑛)著,1922年版,UNIVERSITY OF CALIFORNIA所藏
 【注釋】蘇玄瑛即蘇曼殊(此書暫無圖片,柳亞子編輯的《蘇曼殊全集》也遺漏此書)
 B《武侠小説・僧道奇侠伝》許指厳、李定夷合編 上海・国華新記書局1936.4七版



 
『紅顔薄命記』と『廿年苦節記』

2024.4.21
 馬文偉氏より李定夷作品についてご教示いただきました。感謝。

 @《鏡花水月》除了是国華新記書局以外,國家圖書館的掃描無版權信息。
 A《小説集錦》國家圖書館的掃描無版權信息。
 B《社会叢談》不缺頁,但是無版權信息。注:樽目録S0833あり
 C我(馬文偉)懷疑《〓瑛恨史》1921 Cornell University就是《鴛湖潮》(1914)的同書異名書。因爲〓瑛就是《鴛湖潮》的女主角。因未見《〓瑛恨史》原書,無法下定論。
 D≪筆記文選≫李定夷著、包醒独校勘、上海・国華新記書局1935.1再版
 E≪蘇妲己秘史 (艶情小説 四大風流皇后秘史之一)≫ 新中華書館 刊年不記
 F≪民国野史≫李定夷編纂、包醒独校勘、上海・国華新記書局1935.1再版
 G≪拿破崙戦史 (軍事小説)≫李定夷 裴村訳述、包醒独校勘 上海・国華新記書局1935.1再版
 H≪神秘写真≫李定夷編著、包醒独校勘、上海・国華新記書局1935.1再版
 I≪遊戯文章 (滑稽新編)≫2冊 李定夷編纂、包醒独校訂、上海・国華新記書局1934.6四版
 J≪玉潔冰清≫上海・国華書局1947.3
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 李定夷作品の同書異名
 @湘娥涙=春閨入夢
 A同命鳥=伉儷福續集
 B廿年苦節記=紅顏薄命記
 C真假夫妻=茜窗涙影
 D玉潔冰清=絲繍平原記
 E鴛湖潮=〓瑛恨史?

 【樽本注】馬文偉「張元済的史料」の注釈に「《樽目録》和《清末小説から(通訊)no.152》中的"《眇朗喋血記得》"等數處的正確寫法顯然應是"《眇郎喋血記》的"的誤植。請注意,是"郎",不是"朗"」とあります。「得」は誤記です。古二徳論文はそこをすでに訂正しています(2024.3.22)。題名は「眇郎喋血記」ですから馬文偉氏のいう「朗」はもとから存在していません。




張元濟的史料

2024.4.20
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。
 説明は馬文偉「張元濟的史料」をご覧ください。古二徳氏の漢語短文を含みます。



 
原作と漢訳

2024.4.19
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 @「女局員」作者是 CLIVE HOLLAND
 A「天作之縁」HALL CAINE(SIR, 1853-1931)“THE WOMAN THOU GAVEST ME,BEING THE STORY OF MARY O'NEILL”NEW YORK : A. L. BURT COMPANY, PUBLISHERS, [1913]



  


2024.4.18
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 @「鬘紅」即「鬘紅女史」,此乃籍貫爲上海曲江的張詠逑女士(1897-1944)的筆名,張詠逑就是李定夷的夫人
 A「隅屋」誤植の指摘。正しくは“THE CORNER HOUSE”。
 B「紅女懺恨記」誤植の指摘。「民国六月六月」→「民国六年六月」。また民国六年六月発行/民国廿一年十月三版
  漢語中不論是「紅女」還是「女紅」當中的「紅」都是読作 GONG(第1声)。



  


2024.4.16
 馬文偉氏より李定夷作品についてご教示いただきました。感謝。

 @李定夷總纂「新十三経」全8冊。第1冊@嫖経、第2冊A賭経、第3冊B煙経C酒経、第4冊D窮経E苦経、第5冊F吹牛経G拍馬経、第6冊H括地経I竹槓経、第7冊J滑経K曲経、第8冊L逍遙経。注:孔夫子旧書網に写真あり。奥付は「總纂者:李定夷、校訂者:包醒独、総発行所:上海・国華書局、中華民国八年五月」
 A「香閨夢境(言情小説)」奥付は瓊山浪蹤(李定夷の筆名)、上海・益明書局(1923)。注:孔夫子旧書網に写真あり。
 B「真假夫妻(哀艶小説)」、発行所:上海新華印書局、総発行:香港華新書局1923.6。注:出版社は訂正しました。孔夫子旧書網に写真あり。
 C「未婚妻(艶情小説)」表紙奥付なし(1924)【訂正】作者は燕雙飛館主人。「民国十三年夏墨隠廬主人定夷氏謹序」。注:孔夫子旧書網に写真あり。
 以下も李定夷著。
 D「〓瑛恨史」1921、CORNELL UNIVERSITY 所蔵
 E「鉄血女郎」1922、CORNELL UNIVERSITY 所蔵
 F「青楼艶影(哀艶小説)」作者:山淵 定夷、1925、UNIVERSITY OF CALIFORNIA 所蔵

 さて過日の「奇症」について追加情報です。原作の掲載誌は“THE GRAND MAGAZINE”V27, #134, 1916.4 まで判明しました。



 


2024.4.13
 馬文偉氏より樽目録未収録だとご教示いただきました。感謝。

 黄金蔵 本文は孔夫子旧書網から。奥付はないということです。孔夫子旧書網に出品されていますから奥付を示します。なお樽目録H2477*に単行本を収録ずみです。

 さて過日の「蛇歯」について追加情報です。原作の掲載誌は“Cassell's Magazine of Fiction” #37, 1915.4 まで判明しました。






2024.4.9
 『清末小説から』第153号を公開しています。



   
『聶格〓脱探案之十六』

 
『新飛艇』


2024.4.3
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 NICK CARTER ものの商務版『新飛艇』は小説林版『聶格〓脱偵探案』第16冊(第23案「飛箭案」、第24案「飛艇案」)と同書異訳。

 また(美)訖克著、光緒34年は違うというご指摘です。←[阿英168]に言ってあげてください。



 
原作

 
漢訳


2024.3.29
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 「賣火柴的女児」「賣火柴之小女」 HANS CHRISTIAN ANDERSEN著、J. H. STICKNEY 英訳“THE LITTLE MATCH GIRL”(選自“HANS ANDERSEN'S FAIRY TALES”GINN & COMPANY,1886)

 また「(新輯絵図)射彫記」と「謝彫記」は同一本、「謝彫記」は誤記だ、とのことです。←欠字、誤記については[阿英176]に言ってあげてください。



  
原作と漢訳


2024.3.28
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 顛狗病 VICENTE BLASCO IBA/N~EZ, “RABIES”(選自“THE LAST LION, AND OTHER TALES”BOSTON: INTERNATIONAL POCKET LIBRARY, 1919



  
原作

 
中文版封面文字:秋心譯 葡萄〓(=劫、刧) (于)右任題


2024.3.27
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 葡萄劫 EDWARD FREDERIC BENSON “THE VINTAGE: A ROMANCE OF THE GREEK WAR OF INDEPENDENCE”NEW YORK AND LONDON: HARPER & BROTHERS PUBLISHERS, 1898



 
原作

2024.3.26
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。なお漢訳を掲載した『新聞報』の写真は提供されていません。

 画中人 EDGAR ALLAN POE“THE OVAL PORTRAIT”(選自“WEIRD TALES”PHIADELPHIA:HENRY ALTEMUS, 1895/1898)



 
原作

 
『太平洋』        『東方雑誌』


2024.3.25
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 両副面孔的奴隷 MARY CAROLYN DAVIES“THE SLAVE WITH TWO FACES; AN ALLEGORY IN ONE ACT”NEW YORK: EGMONT ARENS, 1918 



 
原作

 
漢訳


2024.3.24
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 秘密海島 JULES VERNE、英訳者不記“THE MYSTERIOUS ISLAND”NEW YORK : HURST & CO., PUBLISHER 刊年不記(1895,1900)



 
原作と漢訳

2024.3.23
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 唐脱復仇記 AMBROSE PRATT“VIGOROUS DAUNT : BILLIONAIRE”TORONTO : THE MUSSON BOOK CO., LIMITED 1905。《唐脱復仇記》係局部節譯該書内容,在原書的 CHAPTER IX, INTRODUCES SALEM HARDCASTLE, TRUST MAGNET 這章之内,從原書p.138頁開始翻譯。

 なお「“原著者を脱落させている”、“著者不記”的記述均不符合事實」とご指摘があります。それらは[史索一1092]と[現史B43]の編集者に言ってあげてください。



 
原作

 
漢訳


2024.3.22
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 妬婦遺毒 EFFIE ADELAIDE ROWLANDS“MONEY OR WIFE ?”LONDON, MELBOURNE AND TORONTO: WARD, LOCK & CO., LIMITED (1910)



 
原作

 
漢訳


2024.3.20
 馬文偉氏より漢訳原作をご教示いただきました。感謝。

 復国軼聞 GUY BOOTHBY“THE KIDNAPPED PRESIDENT”LONDON: WARD, LOCK & CO., LIMITED, 1902



 
原作

 
漢訳


2024.3.19
 馬文偉氏より漢訳原作をご教示いただきました。感謝。

 宝石城 GUY NEWELL BOOTHBY“MY STRANGEST CASE”, BOSTON: L. C. PAGE & COMPANY, 1901



  
           魏易著《泰西名小説家略傳及序文》(見於“華文電子書庫”)          広告

2024.3.18
 馬文偉氏よりご教示いただきました。感謝。

 冰蘗余生記 原作者はフランス人 LOUIS LE/TANG。「魏易的女兒(魏惟儀)提及《冰蘗余生記》的原著書名爲“Flotsam”, 如此一來,魏易應當是據英語版翻譯成漢語的。目前尚未找到可供觀覽的底本」



 
原作と漢訳

 
原作と漢訳


2024.3.12
 馬文偉氏より漢訳原作をご教示いただきました。感謝。

 鶯和薔薇 OSCAR WILDE“THE NIGHTINGALE AND THE ROSE”(“A HOUSE OF POMEGRANATES AND THE STORY OF THE NIGHTINGALE AND THE ROSE”NEW YORK: MOFFAT, YARD AND COMPANY, 1918)
 盗窟奇縁 GUY BOOTHBY“THE COUNTESS LONDA”LONDON: GEORGE BELL AND SONS, 1903




日本漢文小説研究会編『日本漢文小説の世界――紹介と研究』
白帝社2005.3.30

2024.3.9
 馬文偉氏より教示いただいて購入しました。
 陳慶浩著、有澤晶子訳「古本漢文小説識別試論」が収録されています。そこから3件を抜き出します。

 6頁 洪興全子貳『絵図中東大戦演義(別名説倭伝)』4巻32回、香港中華印務総局 光緒二十六年(1900)「私はこの書を閲読してこの書は朝鮮人によってかかれたという見方をもった」
 13頁 『花影隔簾禄(また抱影隔簾禄)』4部「漢文レベルの低い日本人によるもの」
 14頁 日本東京田太郎著『遼東鶴〓唳記』4編16回 出版社不記 光緒三十年(1904)「日本人名に仮託した小説」




〓瓊芳『林訳小説在近代的伝播研究』
武昌・武漢大学出版社2022.8

2024.3.7
 内容は次のとおり。(2024.3.9追記:該書は〓瓊芳 『林訳小説在清末民初的伝播研究』華中師範大学文学院博士学位論文 2013.3と関係があるかもしれません)
 =================================
 前 言、
 緒 論、
 第1章 林紓的交往与林訳小説的伝播、
 第2章 近現代伝播与林訳小説的伝播、
 第3章 前期林訳小説的伝播、
 第4章 後記林訳小説的伝播、
 結 語、
 附録1:商務印書館出版林紓訳著年表、
 附録2:≪小説月報≫刊載林紓訳作年表、
 参考文献、
 後 記



 
原作と漢訳


2024.3.6
 馬文偉氏より樽目録に未収録だと以下の書籍をご教示いただきました。感謝。

OLIVE SCHREINER著、(李)東埜訳「婦女与戦争(WOMAN AND WAR)」中華図書館『女子世界』第1期 1914.12.10。OLIVE SCHREINER“WOMAN AND WAR”LONDON: T. FISHER UNWIN, 1911, 1914
「是篇為英国 OLIVE SCHREINER 女士所著。1911年。由 FREDERICK A. STOKES COMPANY 報社徴文所得。登之“WOMAN AND LABE[O]R”雑著中」

 


 同じくご指摘です。感謝。

 復国軼聞 BOOTHBY: A SAILOR'S BRIDEの出版社と刊年は LONDON: F.V.WHITE CO., 1899
 絶島公主 『繁華雑誌』5期?6期? 1914 について「今案:不是第5期,也不是第6期。是第4期」←注。1990年代まで『繁華雑誌』の期数については不明でした。詳細が明らかになったのは2020年以降です。注釈欄に「[民小史477]神怪言情小説、東埜訳、文言、第4期、1914.12日期不詳[清民刊474]神怪言情小説、東埜訳、第4期刊年不記、即李東埜」と明記しています。研究の経過がわかるように「5期?6期?」という記述を残すのが本目録の編集方針です。
 「本書の使いかた」に次のように書きました。「新聞雑誌の刊年については注意してほしい。初期に利用した文献のままを残している。後の資料によって以前とは異なる年月日が示されることがある。それを注釈欄に記述した。すなわち異なる刊年が並存しているということだ。後の資料が示す刊年の方がたぶん正確だろう。しかしそれによって以前の記述を修正していない。ここに誤解が生じる余地がある。利用者が独自に判断する必要がある」



 
原 作

 
漢 訳

2024.3.5
 馬文偉氏より漢訳原作をご教示いただきました。感謝。

 髑髏杯 JOHN R. CARLING“THE VIKING'S SKULL”BOSTON: LITTLE, BROWN, AND COMPANY, 1904



 
原作と漢訳


2024.3.2
 馬文偉氏より樽目録に未収録だと以下の書籍をご教示いただきました。感謝。

 英国馬女士英文原訳、英国莫安仁、山東周雲路訳述『獄中人』上海・広学会1925.6初版/1929.10三版
 原作 CAROLINE MACDONALD訳“A GENTLEMAN IN PRISON,WITH THE CONFESSIONS OF TOKICHI ISHII WRITTEN IN TOKYO PRISON,NEW YORK:G.H. DORAN CO(1922)
 注:日本語原本は次のとおり。石井藤吉述、原戌吉編『聖徒となれる悪徒 : 石井藤吉の懺悔と感想』石尾奎文閣1919.1.1。国立国会図書館デジタルコレクション所収



 
原 作

 
漢 訳

2024.3.1
 馬文偉氏より漢訳原作をご教示いただきました。感謝。

 愛河潮 HENRY RIDER HAGGARD,“LYSBETH: A TALE OF THE DUTCH”,NEW YORK AND BOMBAY: LONGMANS, GEEN, AND CO., 1901。
 許毅就是許國英,字志毅,一字指嚴,號蘇庵,別號不才。江蘇武進人。南社社員,出身仕宦之家。




姜国『南社小説研究・初探』
長春・吉林大学出版社2012.6

2024.2.29
 内容は次のとおり。
 =================================
 郭長海「序」、
 引 言、
 第1章 時代与叙事――南社由詩文到小説創作的転変、
 第2章 異化与帰化――南社的翻訳小説、
 第3章 醒世与革命――南社小説的愛国観、
 第4章 覚世与規避――南社小説的愛情観、
 第5章 諷世与変革――南社小説的社会観、
 第6章 社団与流派――南社小説家与鴛鴦蝴蝶派、
 結 語、
 附録1 南社小説作者名号表(筆名査本名)、
 附録2 南社小説目録、
 参考文献、
 後 記



 



2024.2.28
 馬文偉氏より漢訳原作をご教示いただきました。感謝。

 〓篋術 GUY NEWELL BOOTHBY“THE VICEROY'S PROTE/GE/; OR, A PRINCE OF SWINDLERS”NEW YORK:NEW AMSTERDAM BOOK CO., 1903(/はアクサン記号)



 



2024.2.26
 馬文偉氏より樽目録に未収録だと以下の書籍をご教示いただきました。感謝。

 趙君豪訳『頑童回頭記』大東書局1923.11/1923.12再版
 原作 HORATIO ALGER JR.(1832-1899)“SAM'S CHANCE AND HOW HE IMPROVED IT”1876初版/1900再版



 



2024.2.24
 馬文偉氏より漢訳原作をご教示いただきました。感謝。

 長春城記 Hall Caine“The Eternal City”1901、1902、1907



 



2024.2.23
 馬文偉氏より『南社小説集』文明書局1917.4所収の漢訳原作をご教示いただきました。感謝。

 黒医生 SIR A. CONAN DOYLE“BLACK DOCTOR”樽目録記載ずみ
 蛇歯 RENE SWINDON“THE SERPENT'S TOOTH”
 奇症 J. DAVY WOOD“THE MYSTERY OF THE LAUGHING GIRL”






清末民初小説目録第15版
樽本照雄編 ファイル名 qmbook15.pdf


2024.2.18
 最新版を公開しています。



 



2024.2.4
 馬文偉氏より漢訳作品の原作をご教示いただきました。感謝。

 錯中錯 CHARLES GARVICE“IN CUPID'S CHAINS, OR, A SLAVE FOR LIFE”(1893)
 画霊 HUGH CONWAY(1847-1885)“CARRISTON'S GIFT; BY (F. J. FARGUS) TOLD BY PHILIP BRAND, M.D”




張坤徳訳「審断喀律致死事」
『時務報』第16冊 1897.1.3 影印本

2024.2.3
 張坤徳訳「審断喀律致死事」(『時務報』第16-23冊 光緒二十二年十二月初一日-光緒二十三年三月十一日/1897.1.3-4.12)があります。『時務報』といえば刑事物語1篇(原作不詳)と最初の漢訳ホームズ4篇を掲載したことでも有名です。
 周潔はその「審断喀律致死事」をあげて今までの研究者が無視した探偵小説だと指摘しました。該誌掲載の探偵小説は5篇から6篇に増加します。漢訳ホームズ系統ではないにしても同類だというわけです。従来にはなかった新しい見解だということができます(周潔「中国近現代司法変革的文学反映――略論中国偵探小説興起的社会背景及多重意義」『文学評論』2022年第4期 2022.7。98頁)。
 その後、『時務報』の刑事物語1篇と漢訳ホームズ4篇の合計5篇を収録する『新訳包探案』(素隠書屋1899)が出版されました。それに「審断喀律致死事」は見当たりません。理由はいたって簡単です。探偵も刑事も登場しない、つまり探偵小説ではないからです。日本横浜において実際に発生した毒殺事件の裁判記録にほかなりません。漢訳題名の「審断喀律致死事(カリュー致死事件を審理する)」が裁判に重点を置いた報道記事であることを表わしています。
 事件の大要はつぎのとおり。
 明治時代、イギリス人のカリュー(Carew)夫妻が日本横浜に住んでいました。1896年、カリューが死亡するとヒ素による殺人ではないかと疑われます。被疑者は妻のイーデスです。在日本イギリス領事館裁判所における審理の結果、イーデスに有罪判決(死刑)が下されました(後日談:終身刑に減刑ののち香港を経由してイギリスに移送、大赦により出獄、1958年イギリスにて死去したという)。
 イーデスはイギリス名門出身の女性でもありましたからカリュー毒殺事件は人々の注目を集めました。そのニュースは英語圏の諸外国にも拡散したのです。
 裁判の情況は日本刊行の英字新聞が詳細に報道しました。それを上海の英字新聞『(西)字林日報』が転載し、それをもとに上の漢訳になったと考えられます。
(参考文献:徳岡孝夫『横浜・山手の出来事』文藝春秋1990.1.25)




2024.1.25
 過日は黄曼編著『民初小説編年史(1915-1916)』(武昌・武漢大学出版社2023.6)を掲げました。
 その特色などについてすこし触れます。
 該書は前著『民初小説編年史(1912-1914)』(2021)を引き継ぐ年表です。つまり1915-1916年に刊行された新聞雑誌掲載の小説作品と出版広告を主として採取対象とします。日にち順に記述した詳細な年表であることに変わりはありません。資料的な価値はきわめて高いです。有用な工具書だと誰でもが認めるでしょう。
 ただ編集上の問題がひとつあります。掲載作品と出版広告文が改行もなく混在して記述していることです。読みやすいとはいいがたい。また大量の資料を記録しますから誤記が生じるのはやむを得ません。

 前著に『繁華雑誌』第4期を収録していました(476-477頁)。その時、作品が重複していることに気づいたのです。該誌第5期を誤って挿入している。そう推測して樽目録第14版(2022)に吸収しました。上の20頁にその『繁華雑誌』第5期が見えます。やはり前著に混入していた。
 『小説叢報』第7期の刊年が間違っているでしょう。
 同じく『小説叢報』第8期に「凹下儿媒」(下線筆者。[民小史A28])と記述します。これは「兕媒」の誤記です。黄曼は原稿入力に際して心覚えのために記したものの最終的に変換し忘れた。メモ書きがそのまま印刷されたようです。
 1915年8月7日付『申報』(146頁)が重複しています。
 237頁に「『小説叢報』第6巻第12号」とありますがこれは「『小説月報』第6巻第12号」の誤植です。
 『娯閑録』について一部の刊行順序に誤りがあるように思います。
 393-394頁に記載する『小説叢報』第3年第3期は第3年第9-12期の誤りです。あるべき第3年第3期が見当たらない。電脳を操作する過程で手違いがあったのかもしれません。
 1916年12月24日に「――1916年12月20日≪神州日報≫」(439頁)を記述していますが意味が不明です。

 以上は批判するために挙げたのではないことを強調しておきます。誤解のないように願う次第です。注意深くかつ真摯に記録する黄曼にしても誤りから逃れることができないというだけ。
 黄曼は新聞雑誌を確認して記録しているのは確かです。文言、白話、白話章回などと明記しているところからわかります。信頼する理由です。逆に言えば見ていないものは基本的に採録しない。ところが複数の作品には、たとえば「至本年6月11日止」のように記述します。該当する日付箇所に掲載紙の記載がありません。見ていない日付を記入するのは矛盾します。別に参照した資料があるらしい。しかし説明しないから根拠不明です。また現在のところ収録は1916年が下限ですから1917年以後の作品はありません。別の目録を参照すれば補うことができるでしょう。
 これほど専門に特化した書物ですから言及する人は少ないと思われます。敬意を込めて特に紹介しました(参考:黄曼前著について次がある。樽本「民初小説年表の最新成果――黄曼『民初小説編年史』について」『清末小説から』第145号2022.4.1。のち『清末小説五談』2023所収)。




黄曼編著『民初小説編年史(1915-1916)』
武昌・武漢大学出版社2023.6

2024.1.12
 内容は次のとおり。
 =================================
 1915年、
 1916年
 博士期間発表論文
 博士後期間発表論文



 
初版『続訳華生包探案』奥付と扉(孔夫子旧書網)

 
再版『続包探案』奥付と表紙(孔夫子旧書網)

2024.1.2
 清末に刊行された漢訳ホームズ7篇を収録する2種類の版本があります。『続訳華生包探案』と『続包探案』です。
 両書ともに原著者不記、警察学生訳で文明書局から刊行されました。上の写真は孔夫子旧書網に掲げられています。
 それによって『続訳華生包探案』(1902)と『続包探案』(1905再版)の関係がより明白になりました。両書が「続」を共有しているのには意味があるのです。
 結論を先にいいます。『続訳華生包探案』上下冊線装本が文明書局1902年初版です。同社は1905年再版するにあたり1冊にまとめ表紙、扉とも『続包探案』に変更しました。
 両種には「柯南道爾(ARTHUR CONAN DOYLE)著」の表示はありません。収録漢訳は7篇で共通しています。

 三K字五橘核案“THE FIVE ORANGE PIPS”1891.11
 跋海E王照相片“A SCANDAL IN BOHEMIA”1891.7
 鵝腹藍宝石案“THE ADVENTURE OF THE BLUE CARBUNCLE”1892.1
 偽乞丐案“THE MAN WITH THE TWISTED LIP”1891.12
 親父囚女案“THE ADVENTURE OF THE COPPER BEECHES”1892.6
 修機断指案“THE ADVENTURE OF THE ENGINEER'S THUMB”1892.3
 貴胄失妻案“THE ADVENTURE OF THE NOBLE BACHELOR”1892.4

 初版『続訳華生包探案』上下2冊線装本の表紙に題簽があり、扉は「続訳華生包探案/上海文明編訳書局印行」、目録と本文は「続訳華生包探案」、奥付は「続包探案、訳者:警察学生、発行所:上海・文明書局、光緒二十八年十二月発行」、柱は「続包探案」。題名について「続訳華生包探案」と「続包探案」が混在しています。といっても題簽、扉、目録、本文が「続訳華生包探案」ですからそう称される。阿英が書いているとおりです。
 再版『続包探案』1冊も著者名不記。表紙と扉は「続包探案/総発行所文明書局」、欄外は「続包探案」です。目録と本文冒頭にのみ「続訳華生包探案」とあります。奥付は「続包探案、訳者:警察学生、印行者:上海・科学書局、総発行所:上海・文明書局、印刷所:上海・作新社印刷局、光緒二十八年十二月発行/光緒三十一年十一月再版」。こちらも題名が混在しています。本文表示を優先すると「続訳華生包探案」ですから初版と同じです。ただし表紙、扉などの「続包探案」が強い印象を与えます。再版『続包探案』と表記するわけです。
 最初の漢訳ホームズ4篇は『時務報』掲載後に単行本『新訳包探案(一名包探案)』(素隠書屋1899[阿英154])となりました。上に掲げた初版『続訳華生包探案』と再版『続包探案』はそれとは異なる作品を収録して『時務報』の漢訳ホームズを継承します。ですから『続包探案』を書名にしてこそ一貫性を保つことができるのです。
 初版は『続訳華生包探案』と示しながら「続包探案」を部分的に採用しているのはそういう理由でしょう。逆にいえばなぜ『続訳華生包探案』にしたのかという疑問が生じます。「華生」が余計です。「華生」はワトスンを指します。ワトスンが記録したという体裁は維持しながら、それを題名にして『続訳ワトスン探偵事件』ではシャーロック・ホームズ(福爾摩斯)を差し置くことになり違和感しかありません。
 清末では小説林社が「福爾摩斯偵探案」を使用しています。しかし大手出版社の商務印書館が『華生包探案』の題名で各種を刊行してその呼称が長く流通しました。誤訳が広まった原因です。
 『続訳華生包探案』が阿英目録に収録されていることは素晴らしい。実物を見て目録を作成している。賞賛にあたいします。ただ記述がぶれているのは残念でした。2ヵ所(171頁、増補版177頁)に登場します(傍線省略)。

[阿英171]続訳華生包探案 英柯南道爾著。光緒二十八年(1902)刊。收福爾摩斯探案三種:
 (一)親父囚女案 (二)修機断指案 (三)貴胄失妻案
又同年文明書局本,除以上三種以外,摶四種:
 (四)三K字五橘核案 (五)跋海E王照相片 (六)鵝腹藍宝石案 (七)偽乞丐案

 阿英の記述を読めばつぎのようになります。すなわち柯南道爾(コナン・ドイル)と明記した2種類の版本がある。1902年に3篇収録本が出て、同年それとは別に4篇を加え合計7篇を収めた文明書局本が刊行された。
 そう理解するよりしかたがありません。現在も[阿英171]にもとづき上のように説明する研究者がいます。阿英目録は研究者によって信頼されておりその影響力は大きいのです(別例:漢訳ホームズもので[阿英140]に『泰西説部叢書之一』をかかげる。阿英は収録作品の中に「紳士」と「海姆」の2篇があるよう書いています。多くの研究者がそれを信じて引用していますが間違い。正しくは題名を「紳士克〓海姆」という1篇です。樽目録第3版2002に記載)。
 しかし上の記述は正確性に欠けているといわなければなりません。警察学生訳が抜けています。また英柯南道爾著は阿英による注釈加筆であって実際の記載はありません。示された作品の順序から初版上下冊を前後に置き違えていることがわかります。
 阿英はそれらの誤りに気づいたのでしょう。訂正するため増補版[阿英177]に再び同書を収録したと思われます。

[阿英177]続訳華生包探案 警察学生訳。光緒二十八年(1902)文明書局刊。收探案七種:
 三K字五橘核案
 跋海E王照相片
 鵝腹藍宝石案
 偽乞丐案
 親父囚女案
 修機断指案
 貴胄失妻案

 阿英目録の2ヵ所にあるのは同一版本です。ところが語句不一致ですから記述がぶれているということになります。幸いなことにのちの目録増補版[阿英177]によって正しい記述に落ち着きました。ついでにいえば[阿英171]の「続訳華生包探案」について阿英がひとこと訂正すれば誤解、混乱は生じなかったでしょう。
 以上はあくまでも初版についての記述です。再版『続包探案』は採録されていません。ですからその存在を知る研究者はそれほど多くないのです。





 【予告】『清末民初小説目録 第15版』は本年3月に公開する予定です。



PIETER BRUEGEL

2024.1.1
 本年もよろしくお願いいたします。

 『清末小説から』第152号を掲げました。




はじめに
 『清末小説から』の最新号所収の論文と『清末小説』(第35号2012で終刊)ほか清末民初小説目録、樽本の主要著作をダウンロードすることができます。
 これまでの研究会活動を紹介するかわりに雑誌『清末小説(研究)』の編集ノートをあつめた編集ノート集をかかげました。おおよその活動が理解できるでしょう。

あらためまして
 中国の清末小説(しんまつ しょうせつ)を専門に研究している会です。清末とは清朝末期のことを指します。厳密にいえば「中国の」と付ける必要はありません。清末は中国にしか存在しませんから。まあ丁寧に言っております、くらいのことですのでご了承ください。
 年代でいえば1900年代から1911年の辛亥革命をへて五四前です。
 日本ならば明治30年代から大正初期にあたります。
 というわけで清末小説を専門にしているといっても中華民国初期の小説も含んでおります。誤解のないようにお願いいたします。
 それならばいっそのこと「清末民初小説研究」と名づけていいようなものの、長いです。
 研究会と称していますが組織はありません。会員もいません。
 定期刊行物として季刊の『清末小説から』(ウェブでの公開を継続中)および電字版著作集を公表することが研究会の目的です。


清末小説研究会 http://shinmatsu.main.jp