→はじめての方へ/ →過去のお知らせ




公 開 中
清末民初小説目録X(エックス)
Catalog of late Qing and early Republican fiction. X

 説明+本文ファイル qmbookx.pdf 23.10MB

 ダウンロードできます。You can download.





黄禄善『美国通俗小説史』
南京・訳林出版社2003.12


2015.12.27
 内容は以下のとおり。
 =====================
 導論、
 第1章 18世紀末和19世紀初、
 第2章 19世紀前半期、
 第3章 19世紀後半期、
 第4章 20世紀前半期(上)、
 第5章 20世紀前半期(下)、
 後略、
 美国通俗小説大事記、
 主要参考書目、
 術語対照表、
 作家索引、
 作品索引、
 後記



高黎平『美国伝教士与晩清翻訳』
天津・百花文藝出版社2006.11


 内容は以下のとおり。
 =====================
 劉樹森「序」、
 序論、
 上篇 自南向北 五口播種、
 中篇 西学盛世 訳才輩出、
 下篇 旁逸斜出 百花斉放、
 余篇 訳館報刊 精細紛呈、
 中文参考書目、
 英文参考書目、
 後記



夏曉虹『晩清白話文与啓蒙読物』
香港・三聯書店(香港)有限公司2015.6


 「従「尚友録」到「名人伝略」――晩清世界人名辞典研究」を含みます。



 
『海上大冒険譚』
支那繙訳会社 光緒癸卯七月望日出版


2015.12.11
 過日お知らせしました村上濁浪庵(俊蔵)訳述『海上大冒険談』春陽堂1900.1.1の漢訳本です。
 日訳本の「談」は漢訳で「譚」に変更されています。中国では両者を区別しないことが多い。
 くり返しますと、原作はQ(ARTHUR THOMAS QUILLER-COUCH)編“THE STORY OF THE SEA”VOL. 2, CASSELL AND COMPANY, LIMITED 1896。




関愛和主編『中国近代文学史』
北京・中華書局2013.12


2015.12.5
 内容は以下のとおり。
 =====================
 緒論、
  上編、
 第1章 嘉道之際慷慨論天下事文学精神的形成、
 第2章 〓自珍、
 第3章 鴉片戦争時期的詩文、
 第4章 桐城派的発展与中興、
 第5章 道咸年間的宋詩派、
 第6章 19世紀中後期的長篇白話小説、
  中編、
 第7章 梁啓超与文学界革命、
 第8章 黄遵憲与新派詩、
 第9章 報章文体与散文新変、
 第10章 小説界革命与晩清小説的繁栄、
 第11章 同光体及其他詩歌流派、
 第12章 近代詞的発展、
 第13章 近代戯劇的発展、
  下編、
 第14章 章太炎与辛亥革命時期的詩文、
 第15章 南社、
 第16章 近代文学翻訳、
 第17章 王国維、
 第18章 民初文学和語言運動、
 後記










 ウェブ古書店の孔夫子旧書網を見ていました。上のような書籍があります。
 2012年に1万元で出品され、買い手はつかなかったらしいです。
 『新庵諧訳初編』の実物は珍しい。一般には『呉趼人全集』第9巻に収録してあるのを見るくらいでしょうか。
 私の目にとまったのは、掲げられた写真の最後に見なれたページがあったからです。
 樽目録第3版だとすぐにわかります。書物の理解を補助するために掲げたらしい。
 そういう利用のしかたがあるのですね。




中華書局編輯部編、童楊校訂『孫宝〓日記』上中下冊
北京・中華書局2015.8 中国近代人物日記叢書


2015.11.27
 1893-1908年の日記です。
 人名索引、書名篇名索引あり。参考:孫宝〓『忘山廬日記』上下 上海古籍出版社1983.4



王曉鳳『晩清科学小説訳介与近代科学文化』
北京・国防工業出版社2015.7


 内容は以下のとおり。
 =====================
 前言、
 第1章 西方科学小説流変及其特徴、
 第2章 晩清科学小説流変及其特徴、
 第3章 晩清科学小説翻訳、
 第4章 晩清科学小説翻訳与現代科学文化構建、
 第5章 結語、
 参考文献



陳瑜『情之〓変――清末民初《茶花女》在中国的翻訳与改写』
広州・曁南大学出版社2015.8


 内容は以下のとおり。
 =====================
 緒論 “浪漫愛”的現代啓蒙:清末民初的《茶花女》与中国、
 第1章 曲訳“忠貞”:林紓的《巴黎茶花女遺事》、
 第2章 言情的“政治化”改造:鍾心青的《新茶花》分析、
 第3章 戯曲改良、“茶花女英雄”与“家国愛情”:時事新戯《二十世紀新茶花》研究、
 第4章 “女英雄”的世俗化:戯情小説与福州評話《新茶花》、
 第5章 “内在”的愛:《玉梨魂》対《茶花女》的模〓、
 結語、
 附録1:筆者収集的1899-1918《茶花女》在中国的翻訳和改写本出版信息、
 附録2:1899-1999百年間《茶花女》在中国的出版信息概覧、
 附録3:光緒三十二年2月7日(1907年3月20日)的《時報》第五版“記東京留学界演劇助賑事”全文、
 参考文献、
 後記



林薇『中国近代小説研究』
天津古籍出版社2015.7


 内容は以下のとおり。
 =====================
 第1章 近代小説変革的徴兆、
 第2章 世情小説綜論、
 第3章 京、海分流的都市風情、
 第4章 伝統的世情小説的延続与変異、
 第5章 抉発時弊与文化反思、
 第6章 近代小説与“五四”新文学的天然紐帯、
 第7章 深植於国民性的侠義公案小説、
 第8章 近代小説的作者、
 版本研究、
 附録:近代文学三傑、
 後記



2015.11.20(amazon削除ずみ)
 清末小説研究会ウェブサイトの全ファイル(2015.11.19まで)を公開しました。
 1-2は収納場所が違うだけで内容は同じ。

 1 google https://drive.google.com/open?id=0B9fUzbPLw-_sMTdwTjRoWS1OV0k
 2 microsoft https://onedrive.live.com/redir?resid=EA5DFFD590AA8F68!507&authkey=!ADfUnfp21xyqC8E&ithint=folder%2chtml

 全体で約350MB、約1,500ファイルで構成されています。
 全部をダウンロードするには長い時間が必要です。ご注意ください。
 index.htmlをクリックすれば全体が関連づけられて閲覧することができるでしょう。
 2015.11.19までの過去のファイルは、上記の場所に固定し更新しません。あくまでも参照用です。
 今後の更新ファイルは、従来通りの本ウェブサイトでご覧ください。
 お役に立てばさいわいです。




楊玲『林訳小説及其影響研究』
広州・世界図書出版広東有限公司2013.12/2014.10二次印刷


2015.11.13
 内容は以下のとおり。
 =====================
 陳慶元「序」、
 緒論、
 第1章 林紓的性格及其時代、
 第2章 訳壇無意成奇才、
 第3章 林訳小説及其代表作、
 第4章 林訳小説的地位、
 第5章 林訳小説的影響、
 第6章 結語、
 参考文献、
 附件:林紓翻訳作品清単、
 後記



 
『老残遊記』
新京・博文印書館 康徳10


2015.11.12
 著者不記ですが、当然劉鉄雲です。黄風編と表紙にはあります。
 康徳10年とは1943のこと。全20章、初序なし、有評、挿し絵8葉です。



2015.11.2
 上記目録Xの説明と本文ファイルを統合しました。内容に変更はありません。




Q“THE STORY OF THE SEA”VOL.2, CASSELL AND COMPANY, LIMITED 1896


日訳『海上大冒険談』


2015.10.30
 国会図書館の記載が間違っています(珍しい)ので報告します。
 村上濁浪庵(俊蔵)訳述『海上大冒険談』(春陽堂1900.1.1)です。
 記載の一部を抜粋すると以下のとおり。
 =====
 詳細情報
 タイトル 海上大冒険談
 著者  J.F, Cooper 著
 著者  村上濁浪庵 (俊蔵) 訳述
 著者標目 Cooper, James Fenimore, 1789-1851
 =====
 ジェイムズ・フェニモア・クーパーが著者である、と明記しています。そのため各種目録ではそのままを引用してすませているのが現状です。
 原作の著者はクーパーではありません。
 底本は、上に示したようにEDITED BY Q“THE STORY OF THE SEA”VOL.2, CASSELL AND COMPANY, LIMITED 1896です。
 Qとは、あのARTHUR THOMAS QUILLER-COUCHのこと。クイラー=クーチは、林琴南が漢訳したシェイクスピア歴史物語の作者でありました。
 漢訳は、訳者不明『海上大冒険譚』です。初出は『繙訳世界』1-4期(1902-1903)、単行本は支那翻訳会社(1903)、いずれも未見。
 追記:2015.11.3確認。「著者 J.F, Cooper 著」「著者標目 Cooper, James Fenimore, 1789-1851」はともに説明なくすでに削除されています。



2015.10.25
 『清末小説から』第120号の目次予告です(2016.1.1公開予定)。

=====================
いくたびかの阿英目録12………樽本照雄
陳家麟傳記及其翻譯小説《鮑亦登偵探案》等原著鑑定研究………古 二 コ
漢訳『奇獄』の謎2――問題解決篇………沢本香子
林紓文化研究(数据)庫的建立与発展困境新探………蘇建新 劉 垣



2015.10.23
 林訳小説の原作が明らかにされました。
 古二徳 Cesar Guarde-Paz氏からのご教示です。
 記号は省略しています。詳しくは論文ファイルをご覧ください。

1. 小方篋   Arthur Conan Doyle, "That Little Square Box"
2. 十萬元   Jacques Futrelle, "The Tragedy of the Life Raft"
3. 羅刹雌風  Headon Hill, A Hair's Breadth. A novel
4. 義K    C.E. Bowen, Daph la negresse
5. 情鐵    Georges Ohnet, Le Maitre de forges
6. 雲破月來縁 Hugh Conway, Called Back
7. 歐史遺聞 羅馬克野司傳 William Shakespeare, "Coriolanus"
8. 金臺春夢録 / 交民巷社會述 L. de Hoyer and Ch. Damien, Ombres Pekinoises
9. 情天異彩  Jules Verne, Ticket No. "9672"
10. 還珠艶史 / 盈盈一水 Frederick W. Davis, Driven to Wall
11. 歐戰春閨夢 Marie Adelaide Belloc Lowndes, Good Old Anna
12. 僵桃記   Bertha M. Clay, "Two Kisses"
13. 馬妬    Nathaniel Gould, Left in the lurch
14. 埃及異聞録 Sax Rohmer, Tales of Secret Egypt
15. 情海疑波  Elinor Glyn, The Reason Why
16. 〓目英雄  Jules Verne, Michael Strogoff
17. 悶葫蘆   Frederick W. Davis, Union Down
18. 情幻    Leo Tolstoy, "The Cossacks"
19. 秋池劍   Maurice Hewlett, The Spanish Jade
20. 五丁開山記 Jules Verne, The Mysterious Island?




楊麗華『林紓翻訳研究――基於費爾克拉夫話語分析框架的視覚』
北京・中国社会科学出版社2015.5


2015.10.20
 内容は以下のとおり。
 =====================
 前言、
 第1章 導論、  第2章 林紓翻訳的社会歴史背景和文化準備、
 第3章 “雅潔”的背後――林紓翻訳的文体論、
 第4章 合訳的是与非――林紓翻訳的過程論、
 第5章 制約的種種――林紓翻訳的規範論、
 第6章 文学的竊火者――林紓翻訳的影響論、
 第7章 結語、
 附録:林紓翻訳作品目録、
 参考文献



張和龍主編『英国文学研究在中国:英国作家研究』上下巻
上海外語教育出版社2015.5 外教社外国文学研究叢書


 内容は以下のとおり。
 =====================
  上巻/
 緒論、
 第1章 早期英国文学研究、
 第2章 18世紀英国文学研究、
 第3章 19世紀英国文学研究(上)、
 第4章 19世紀英国文学研究(下)、
  下巻/
 第5章 20世紀英国文学研究(上)、
 第6章 20世紀英国文学研究(下)、
 英国文学研究資料輯録、
 参考文献、
 後記



劉〓『晩清文学中的女性形象及其伝統再構』
天津・南開大学出版社2015.7 “性別視角下的中国文学与文化”叢書


 内容は以下のとおり。
 =====================
 喬以鋼「総序」、
 緒論、
 第1章 被除“女質”:以“反纏足”為中心、
 第2章 教育神話:“呼喚国民”的学習、
 第3章 英雌女傑:中西互教的譜系、
 第4章 痴情女子:情感拝物教与原題主体的誕生、
 第5章 理想妻子:“現代”場域与女性未来、
 結語、
 参考文献




呉仁華主編『林紓読本』
福州・海峡出版発行集団、福建教育出版社2014.4 蒼霞文庫


2015.10.13
 内容は以下のとおり。
 =====================
 呉仁華「序」、
 1“遙想故園春半後”:林紓的情感世界、
 2“頭皮未送寧奇節”:林紓的心霊世界、
 3“深知所畏而幾於無畏”:林紓的人格魅力、
 4“我念国仇泣成血”:林紓的愛国情懐、
 5“意気所到称天工”:林紓的藝術境界、
 附録:書評、林紓年譜簡編、
 後記



孫郁『民国文学十五講』
太原・山西出版伝媒集団、山西人民出版社2015.8


 「清末民初的文学生態」、「新文学的起点」、「旧派小説」を含みます。



 
三宅驥一『世界一周の率先マゼラン』民友社1897


2015.10.5
 (日)渡辺氏著 商務印書館編訳所訳『(冒険小説)世界一周』(上海・中国商務印書館1907.6/1908.1再版 説部叢書七=6)があります。
 日本の原作を報告します。
 渡辺氏といえば、日本民友社の渡辺為蔵だと推測しました。民友社の刊行物で「世界一周」を探したわけです。
 国立国会図書館近代デジタルライブラリーに『世界一周の率先マゼラン』(民友社1897)があります。
 奥付写真には「発行者:渡辺為蔵」と記されていますが、表紙がなく著者は不明。
 ネットで調べれば著者は三宅驥一、世界叢書第3冊というところまで判明しました。
 三宅驥一(1876-1964)の妻は徳富蘇峰の長女です。
 そこまでわかれば夏清馥訳『達爾文』(開明書店1903)も原著は三宅驥一『チヤールズ、ダーウイン』(民友社1896)と考えてよろしい。
 2015.10.6追記:底本の書影を掲げます。三宅驥一の名前は、奥付ではなく表紙に見えます。



2015.10.3
 『清末小説から』第119号の一部を訂正して再掲載しました。
 グーグルで表示すると題字の一部が崩壊しています。原因不明。ダウンロードしてアドビで閲覧すれば正しく表示します。




陸克寒、譚坤『李伯元評伝』
南京・鳳凰出版伝媒股▲有限公司、江蘇人民出版社2012.12 常州清代文化研究叢書


2015.9.15
 内容は以下のとおり。
 =====================
 緒言、
 第1章 士子、
 第2章 報人、
 第3章 小説家(上)、
 第4章 小説家(下)、
 餘言、
 附録1:“譴責小説”論、
 附録2:李伯元生平年表、
 附録3:主要参考文献、
 後記




梁艶『清末民初における欧米小説の翻訳に関する研究――日本経由を視座として』
花書院2015.3.25 比較社会文化叢書Vol.33


2015.9.4
 内容は以下のとおり。
 =====================
 序論 清末民初における欧米小説の移入について、
 第1章 マーク・トウェインの翻訳と紹介、
 第2章 ヴィクトル・ユゴーの翻訳と紹介、
 第3章 アンドレーエフの翻訳と紹介、
 まとめ、
 おわりに、
 附録1清末民初におけるマーク・トウェイン翻訳・紹介一覧、
 附録2清末民初における『レ・ミゼラブル』(LES MISERABLES, 1862)翻訳一覧、
 附録3清末民初におけるアンドレーエフ翻訳・紹介一覧、
 参考文献一覧、
 あとがき




宋声泉『民初作為方法――文学革命新論』
天津・南開大学出版2015.1 霊隠文叢


2015.8.28
 内容は以下のとおり。
 =====================
 導論、
 第1章 消逝的界標:“民元”在文学史叙事中的百年浮沈、
 第2章 共和初肇:小説走向現代的制度性支持、
 第3章 返回起点:重構文学革命的“生成”、
 第4章 “運動”的由来:新文学合法性建立的再審視、
 結語、
 附録1:《新青年》第二、三巻所載与文学革命相関的文章、
 附録2:対“八不主義”的回応、
 参考文献、
 後記

●古二徳氏より、バロセロナ大学に林琴南のウェブサイト//www.agonfilosofia.es/linshuが開設されているとご教示いただきました。




なにがし著『(小説)後の不如帰』国立国会図書館近代デジタルライブラリーより引用


 
孔夫子旧書網より引用


2015.8.27
 黄翼雲『(言情小説)後不如帰』(上海・商務印書館1915.6.27/10.12再版 説部叢書2=97)があります。
 ながらく創作だとされてきました。
 実は、創作ではなく翻訳。日本語原作は、なにがし著『(小説)後の不如帰』(紅葉堂1908.3.3)です。
 そのほか、ネット古書店の写真を見てつぎのことがわかりました。
 初版は、説部叢書とは関係のない翻訳書として刊行された。
 再版時、説部叢書二集第97編に組み込まれた。
 ●2015.9.7追記:楊文瑜「近代中国における『不如帰』の翻案作」『東アジア日本語教育・日本文化研究』第18輯 2015.3.31に指摘がありました。




『繍像小説』第3期

『繍像小説』第4期

英訳底本


2015.8.20
 「小仙源(原名小殖民地)」14回は、ウィース「スイス家族ロビンソン」を漢訳したものです。
 (原作はJOHANN DAVID WYSS“DER SCHWEIZERISCHE ROBINSON”1813-14。息子JOHANN RUDOLF WYSSが出版。
 『繍像小説』第3-16期(癸卯閏5.1-刊年不記[癸卯11.15](1903.6.25-[1904.1.2]とするは誤り))
 雑誌掲載には、ウィースの名前はなく、戈特爾芬美蘭女史著となっています。
 その理由は、英訳者がMARY GODOLPHIN(本名LUCY AIKIN)だからです。
 英訳“THE SWISS FAMILY ROBINSON IN WORDS OF ONE SYLLABLE”には前面に彼女の名前があります。
 その下に手書きで原作者名が記入されていますが、これは図書館員か誰かの手になるものでしょう。



2015.8.12
 『清末民初小説目録 第6版』の正誤表を追加しました。
 以前のものは、『清末民初小説目録 第6版』の正誤表です。
 渡辺浩司氏より複写とともにご指摘いただきました。ありがとうございます。




段懐清『王韜与近現代文学転型』
上海・復旦大学出版社有限公司2015.1
“新伝”現代文学研究平台系列


2015.7.14
 内容は以下のとおり。
 =====================
 前言、
 第1章 王韜的翻訳、
 第2章 王韜的報章文、
 第3章 王韜的上海叙事、
 第4章 王韜的小説、
 附録1:本書参考使用的王韜部分著述及出版収蔵情況、
 附録2:王韜《淞濱瑣話》与鄒韜《蛛隠瑣言》相関篇目対比校勘表、
 参考文献、
 後記



2015.7.10
 『清末小説から』第119号の目次予告です(2015.10.1公開予定)。

=====================
いくたびかの阿英目録11………樽本照雄
《領鈕》の原作………渡辺浩司
漢訳『奇獄』の謎1――問題提起篇………沢本香子
注目点4:『官場現形記』の海賊版………樽本照雄
林紓寃居事件――“琴南移寓芝麻街”是否指林琴南?………古 二 コ




蒋維喬著、文明国編『蒋維喬自述』
合肥・時代出版伝媒股▲有限公司、安徽文藝出版社2013.4第一版/2013.5第2次印刷 
二十世紀名人自述系列


2015.6.24
 内容は以下のとおり。
 =====================
 第1編 自伝与回憶、
 第2編 人物与交往、
 第3編 遊記



2015.6.21
 過日、以下の著作をご紹介しました

 付建舟『清末民初小説版本経眼録・俄国小説巻』疑問表
 付建舟『清末民初小説版本経眼録・日語小説巻』疑問表

 疑問表を作成し付建舟氏にお送りしたものです。ここに掲げます。



 
     漢訳「明日之戦争」           日訳『明日の戦争』


2015.6.6
 右が日訳の仏国陸軍大尉ダンリー氏著、日本厩堂散人(吉村鐘一)訳『明日の戦争』兵事新報社1894.2.4/6.25六版[表紙は(軍事小説)明日之戦争]です(フランス原本については省略)。
 全49回の冒頭4回を漢訳したものが左の(法)陸軍大尉ケ利著、冷血(陳景韓)訳、愛克斯光批「明日之戦争」4回(『江蘇』4-7期 黄帝紀元4394.6.1-9.1(1903.7.24-10.20))というわけ。



 
     『恨海春秋』26回        『(訂正摯竅j惨風悲雨世路日記』


2015.6.5
 左が(日)佐藤蔵太郎著、僕本恨人訳『恨海春秋』26回(開明書店 光緒29(1903))です。
 架蔵のものは表紙、奥付とも欠落しています。刊年は別の資料から補いました。
 右がその底本になった日本の作品です。
 佐藤菊亭(蔵太郎)『(訂正摯竅j惨風悲雨世路日記』偉業舘1895.11.25(1905.5.20卅九刷)
 日本の原作前後編全33回を抜粋漢訳して26回にしています。
 渡辺浩司氏の指摘によると同じ日本原作が「苦情縁」(『盛京時報』1913.9.9-30)に漢訳されているそうです。




張偉 『紙韻悠長――人与書的往事』
台湾・秀威資訊科技股▲有限公司2009.3


2015.5.30
 「一齣「茶花」垂青史」「中国近代翻訳文学探源」などを収録しています。




付建舟『清末民初小説版本経眼録・日語小説巻』
北京・中国致公出版社2015.1


2015.5.17
 同シリーズ第4冊目です。清末民初(1898-1917)の日語小説(単行本その他)98種を収録します。表紙と奥付の写真を掲載するのが特色。樽目録第6版を参照しています。付建舟「清末民初日語小説漢訳本与中国文学的現代転型(代前言)」



付建舟『清末民初小説版本経眼録・俄国小説巻』
北京・中国致公出版社2015.1


 同シリーズ第5冊目。清末民初(1903-1925)の俄国小説(単行本その他)105種を収録します。表紙と奥付の写真を掲載するのが特色。樽目録第6版を参照しています。付建舟「清末民初俄国小説訳介路径綜考(代前言)」




薛建蓉『重写的「詭」跡――日治時期台湾報章雑誌的漢文歴史小説』
台湾・秀威資訊科技股▲有限公司2015.2


2015.5.11
 内容は以下のとおり。
 =====================
 翁誌聡「館長序」、
 第1章 緒論、
 第2章 「東亜論」下的歴史詮釈建構:報刊刊載之歴史人物、事件書写考察、
 第3章 文体質変:漢文歴史小説改、訳東西洋文学及其情節雑揉現象観察、
 第4章 東、西洋生活想像:管窺小説中飲食、交通与育、楽表述、
 第5章 烽火下理想家国的造象:「戦争」的主題観察、
 第6章 結論、
 後記、
 附録 表1日治時期台湾報紙雑誌漢文歴史小説刊載一覧表、
 表2台湾教育会雑誌「文藝史伝」、「史伝」欄篇目一覧表、
 表3 《台湾日日新報》「儒林遺芳」刊載一覧表、
 表4《漢文台湾日日新報》陳伯輿「維新人物列伝」一覧表、
 表5漢文台湾日日新報「雑報」「蒙古征欧史」一覧表、
 表6《漢文台湾日日新報》与《台湾日日新報》連雅堂刊載作品与後出版之作対照一覧表、
 表7張淑子《台湾教育会雑誌》「雑録・地方人物誌」一覧表、
 表8《三六九小報》「史遺」一覧表、
 表9《風月報》歴史、伝記欄位一覧表、
 表10《孔教報》「史乗」欄一覧表、
 参考文献



謝仁敏『晩清小説低調研究――以宣統朝小説界為中心』
北京・中国社会科学出版社2014.10


 内容は以下のとおり。
 =====================
 導論(附論)前人研究簡評与若干問題的思考、
 第1章 宣統小説界:陥入低調(附論)詩論推動晩清小説演進的“第三種力”、
 第2章 単行本・期刊・日報:小説発展模式的分化与確立、
 第3章 翻訳・自撰;形勢大逆転、
 第4章 理論界〓変:多声合奏,合而不和、
 第5章 小説低調期中的作家衆生相(附論)陸士諤著作考辨及其他、
 第6章 旧小説復興与新小説調適、
 第7章 新文学因子的孕育与萌蘖、
 第8章 晩清海外華文小説研究、
 結語、
 附録1中国近代小説発表量年度分布表、
 附録2近代以“小説”命名的部分報刊、
 附録3晩清中文報刊相関統計表、
 附録4晩清出版機構小説出版量統計表、
 附録5晩清単行本小説出版情況統計表、
 附録6晩清報刊小説発表情況統計表、
 附録7宣統朝小説編年、
 参考文献、
 後記




潘薇薇『従《申報》広告看中国近代小説運動』
上海・東方出版中心2015.1


2015.5.10
 内容は以下のとおり。
 =====================
 第1章 緒論、
 第2章 近代《申報》与小説広告的関聯、
 第3章 歴史政治視野下的小説広告文本分析、
 第4章 都市化進程中的小説広告、
 第5章 観念:在矛盾中革新、
 第6章 文化与市場的下移、
 第7章 結語、
 後記



2015.5.9
 『清末民初小説目録 第6版』について一部の訂正を渡辺浩司氏よりいただきました。ありがとうございます。
====================
 1901 → 1900
 【(徳冨蘆花)『探偵異聞』(民友社,1900.11.24)】
と修正をお願いいたします。

Z1371* 専制虎(偵探小説)
 喋血生訳 『浙江潮』1-3期 光緒29.1.20-3.20(1903.2.17-4.17)

 → 掲載は、『浙江潮』1期(癸卯1.20=1903.2.17),3期(癸卯3.20=1903.4.17)
  原作が判明した。(徳冨蘆花)『探偵異聞』(民友社,1900.11.24)中の「大隱謀」
  (もとは『国民新聞』1898.2.10,11,13,15-20掲載)

S0796 攝魂花
 喋血生 『浙江潮』3期 光緒29.3.20(1903.4.17)

 → 創作ではなく、翻訳。原作は、
  (徳冨蘆花)『探偵異聞』(民友社,1900.11.24)中の「毒藥」
  (もとは「露國探偵秘聞」で『国民新聞』1897.10.10-22掲載)




劉徳枢、任光宇主編『劉鶚辞世百年祭』
北京・中国文化出版社2015.1


2015.5.1
 内容は以下のとおり。
 =====================
  図版:
 鉄雲蔵亀選、
 鉄雲蔵陶選、
 鉄雲蔵印選、
 鉄雲蔵貨選、
 鉄雲蔵琴譜及手抄琴譜選、
 鉄雲自用印選、
 《老残遊記》版本和封面精選一二、
 「紀念劉鶚逝世100周年」系列活動照片、
 江蘇丹徒劉氏大有堂家祭鉄雲公儀式照片、
劉厚生「清末奇人劉鉄雲(代序)」、
劉鶚大事系年表、
  第1輯 百年家祭 群雁帰巣:
 家祭鉄雲公紀実/
 記憶里的淮安両処墓地/
 劉鶚墓地的実地尋訪/
 劉鶚墓地的重修/
 淮安劉鶚故居及其花園示意図并解説/
 劉鶚故居示意図/
 《劉鶚淮安故居図》及其《図説》跋/
 淮安祖居的頽敗/
 丹徒劉氏世系簡表(2015年3月修訂挿入あり)/
 青史留名 祖徳流芳、
  第2輯 抜乱反正 誉満天下:
 引言/
 《老残遊記外編(残稿)》手迹及三名家題記手迹/
 全国首届劉鶚与《老残遊記》学術討論会簡介/
 全国首届太谷学派研討会簡介/
 劉鶚及《老残遊記》国際学術討論会簡介/
 紀念劉鶚逝世100周年座談会簡介/
 紀念劉鶚逝世100周年系列活動簡介/
 “遊方郎中”的足迹与心迹――紀念《老残遊記》問世90周年/
 周汝昌先生談劉鶚和《老残遊記》/
 《劉鶚年譜長編》代序/
 《老残遊記》的域外知音、
  第3輯 文脈綿延 七代華章:
 劉鶚著作存目/
 劉大紳専著書目/
 劉鶚後人的有関専著或編纂整理書目/
 劉成忠「劉成忠詩文選」/
 鴻都百錬生「《老残遊記》自序」/
 劉大紳「鉄雲公劉鶚被禍始末」/
 劉尅キ「関於太谷学派――《太谷学派遺書・序》/
 劉厚沢「与張畢来同志商〓」/
 劉徳枢「劉鶚、劉伯温及其先祖劉光世」/
 朱松齢「憶鉄雲公“家学”軼事――在紀念劉鶚逝世100周年座談会上的発言」/
 劉徳隆「《劉鶚年譜長編》前言」/
 任光宇「文化小説的巓峰之作――芻議《老残遊記》重新定位与劉鶚的文化成就」/
 劉音「在美国談劉鶚和《老残遊記》――従清官和貪官説到民主政治」/
 任軍「百年前透視拉動経済方略――読《劉鉄雲呈晋撫稟》有感」/
 劉〓「説到頭、無非符合――《老残遊記》女性形象翠環浅析」/
 劉駿「感恩劉鶚」/
 劉宏逵「世間已無劉鉄雲」/
 陶凌雲「漫話甲骨説“第一”」、
  編後記



2015.4.30
 『清末民初小説目録 第6版』の正誤表です。
 分量が多いので分割しました。
 以前のものは、『清末民初小説目録 第6版』の正誤表です。
 渡辺浩司氏よりのご指摘です。ありがとうございます。






陳大康「論近代小説伝播中的盗版問題」
『文学遺産』2015年第1期 2015.1.15


2015.4.20
 「官場現形記」裁判というのは、海賊版問題です。
 1904年、海賊版「官場現形記」は、日本知新社の名前で販売されました。責任者は、席粋甫といいます。
 ある時には、被害者の世界繁華報館と犯人である日商朝日洋行日本知新社の広告が、新聞紙上に争うように掲載されるという情況も出現しています。海賊版の広告には「洋装官場現形記」と「洋装」をうたい文句にしているのが特徴です。
 世界繁華報館の李伯元が裁判に訴え、その結果、関係者の席粋甫が処罰されました。
 以上が事件の流れです。
 陳大康・華東師範大学中文系教授が、新しい見解をつけ加えて発表しました。上の写真に示した論文です。
 要点は、以下のふたつです。
 1 海賊版を出した主犯を特定しました。日本東京金港堂が主犯で、中国に運送し代理販売したのが朝日洋行知新社だそうです。(写真の上を参照)
 2 李伯元が訴えたのは、「知新社主人弼本氏」ではなく「経理人(注:責任者)席粋甫」です。つまり、弼本氏という名前を出したのが「日本人の狡猾なところ」で、弼本氏を訴えれば不平等条約下の領事裁判権によって事件は日本領事が審理することになる。すると李伯元の訴訟が負けるのは疑いがない。そこで「経理人席粋甫」を被告として、裁判権を日本領事の手に渡さないのが目的だった、そうです。(写真の下を参照)
 どうしてこんなにグチャグチャと長くなるのかわかりません。
 上記2点の証拠は、なにか。新聞広告です。世界繁華報館が出した出版広告と犯人の出稿する広告を参照し、出てくる名詞を組み合わせて上の新見解が出てきたようです。利用する資料は、以前とまったく同じ。解釈を加えたところが該論文の新味でしょうか。
 検討しましょう。
 1の主犯が日本金港堂だというのは、ありえません。
 陳大康は、金港堂と李伯元の関係を知らないようです。1904年当時、商務印書館は金港堂との合弁会社になっていました。商務印書館が刊行したのが雑誌『繍像小説』です。その編集長に李伯元を招いたのが商務印書館の張元済でした。商務印書館と一体化している金港堂が、よりにもよって編集長李伯元の著作を盗む理由がありません。
 2については、もっと理解しにくいです。
 李伯元は裁判に勝つために、主犯の日本金港堂ではなく末端人員の席粋甫を訴えた。陳大康が言っているのは、そういうことでしょう。
 そもそも主犯は日本金港堂ではありません。おまけに本体ではなく尻尾を訴えたのでは裁判の意味がないですね。
 陳大康の新見解は、原告と犯人の広告をつきまぜ、独自の角度をつけて成立しています。
 新聞広告しか材料に使用していません。最大の欠陥は、裁判事件だから報道記事も掲載されたのではないか、というところまで考えが及ばなかったところです。私は、過去にそれを指摘したことがあります。
 裁判報道は、1904年11月22付で『同文滬報』『中外日報』『時報』の3紙に載っています。ほかにもあるでしょう。
 「繁華報館李伯元。控席粋甫冒日本人名。翻印官場現形記」「繁華報館前控席粋甫冒日本人之名翻印官場現形記一案」などとはっきり日本人の名前をかたる、と書いてあります。
 日本人の名前にはありそうのない「弼本氏」とか日商朝日洋行、日本知新社など、すべて席粋甫がでっちあげたと考えるの普通だし自然です。裁判結果がそうなっています。
 陳大康は、重要記事を無視したまま、そこにある出版広告だけによって新見解を作りあげたのでした。
 広告に「日本」という単語がまじっているだけで陳大康の思考は停止したらしい。悪いのはすべて日本だという結論が最初から出ているように見えます。この時点で、これは研究論文ではなくなりました。資料の裏付けがない立論は、一般に妄想といいます。すこし控えめに書きました。




劉穎慧『晩清小説広告研究』
北京・人民出版社2014.9


2015.4.17
 内容は以下のとおり。
 =====================
 陳大康「序」、
  上編 晩清小説広告研究、
 緒論、
 第1章 晩清報刊小説広告的状態、
 第2章 小説広告与晩清小説的営銷、
 第3章 小説広告与晩清小説的創作、
 第4章 小説広告与晩清小説的読者、
 結語、
  下編 晩清報載小説広告文献、
 晩清報載《新小説》広告、
 晩清報載《月月小説》広告、
 晩清報載《儒林外史》広告、
 《申報》所載挿図本小説広告、
 《中外日報》所載商務印書館小説広告、
 《時報》所載小説林広告、
 晩清報載《官場現形記》広告、
 《中外日報》所載《茶花女》広告、
 晩清報刊所載捜書、徴文広告、
 美国《中西日報》小説広告、
 新加坡《中興日報》小説広告、
 参考文献、
 後記



2015.4.16
 『清末小説から』第118号の目次予告です(2015.7.1公開予定)。

=====================
 いくたびかの阿英目録10………樽本照雄
 《中国通俗小説総目提要》補遺九則………付 建舟
 早期漢訳ドーデ「最後の授業」7完――最初の漢訳虞霊「戦後」のばあい………神田一三
 原作の探索――「夢遊二十一世紀」を例にして………沢本香子



2015.4.15
 コナン・ドイルArthur Conan Doyle作品の初期漢訳のひとつに「白格氏」があります。
 その原作と漢訳に使用した底本が判明しましたのでお知らせしましょう。
 阿英目録146頁に『虚無党』(冷血訳。光緒三十年(1904)開明書店刊)があります。
 そのなかの1作が杜衣児著「白格」です。ここは阿英の誤記らしく「白格氏」が正しいかと。
 ドイルの原作は、“A Night Among the Nihilists”(“London Society”1881.4)です。
 これを日本語に翻訳したのが、原抱一庵主人訳「無政府党と一夜」(『(小説)泰西奇文』知新館1903.9.10。新聞掲載は省略)。
 冷血(陳景韓)は、この原抱一庵日訳にもとづいて漢訳「白格氏」を作ったのでした。
 この事実は、別の漢訳作品の謎を解明する手がかりを提供しています。いままで誰も気づかなかった……




CATHERINE VANCE YEH THE CHINESE POLITICAL NOVEL: MIGRATION OF A WORLD GENRE
HARVARD UNIVERSITY ASIA CENTER, 2015


2015.4.6
 内容は以下のとおり。
 =====================
  ACKNOWLEDGMENTS
  INTRODUCTION
  T. THE FORMATION OF A WORLD GENRE: THE POLITICAL NOVEL
 1 FORMING THE CORE
 2 GLOBAL MIGRATION: THE FAR EAST
  U. BRINGING THE WORLD HOME: THE POLITICAL NOVEL IN CHINA
 3 THE MIGRATION OF LITERARY FORMS: TRANSCULTURAL FLOW AND THE JAPANESE MODEL
 4 “REFORM OF GOVERNANCE”AND THE NEW PUBLIC SPHERE
 5 WOMEN AND NEW CHINA
 6 IN SEARCH OF NEW HEROES
 7 BEGINNING OF THE BEGINNING: THE WEDGE CHAPTER
 CONCLUSIONS,
  BIBLIOGRAPHY
  INDEX




黄錦珠『女性書写的多元呈現:清末民初女作家小説研究』
台湾・里仁書局2014.5.10


2015.4.5
 内容は以下のとおり。
 =====================
 緒言、
  上巻:重新出土、
 第1章 主婦身▲的女小説家:邵振華、
 第2章 職業女小説家:黄翠凝、
 第3章 詩画才女与女学生出身的女小説家:呂韻清与高剣華――兼論女小説家的形成、
  中巻:書写与行動、
 第4章 婦女本位:《紅楼夢夢》、《女獄花》、《侠義佳人》三部小説的発声位置、
 第5章 女性書写:以清末女作家小説《侠義佳人》為例、
 第6章 女性行旅:以顧太清、王妙如、黄翠凝、邵振華的小説為例、
  下巻:婚恋与情愛、
 第7章 婚恋観:以清末女作家小説《女獄花》、《姐妹花》、《侠義佳人》為中心、
 第8章 女性主体的掩映:民初《眉語》女作家小説的情愛書写、
 後記、
 徴引書目




顔健富『従「身体」到「世界」:晩清小説的新概念地図』
台湾・国立台湾大学出版中心2014.12


2015.3.25
 内容は以下のとおり。
 =====================
 李欧梵「序言」、
 導言、
 第1章 「世界」想像:広覧地球,発現中国、
 第2章 「冒険」精神:何迥《獅子血》「支那哥倫波」的形塑、
 第3章 「忠義」争奪:論晩清「水滸伝」的忠義堂与新旧世界、
 第4章 小説「烏托邦」:概念旅行、叙事展演与文学史反思、
 第5章 「仙人島」転調:論旅生《癡人説夢記》的空間想像、
 第6章 「身体/国体」観:「病体中国」的時局隠喩与治療淬錬、
 第7章 「国民」想像:従晩清到魯迅小説的「新中国」与「鉄屋子」、
 結語、
 引用書目



 
ドーデ肖像
馬場孤蝶日訳1907年版/G. P. Putnam's Sonsのアイヴス英訳1903年版


2015.3.23
 ドーデ「最後の授業」の漢訳について『清末小説から』に神田論文が連続掲載されています。
 最初の漢訳は、胡適などではなく虞霊が訳した「戦後」です。
 ところが、その虞霊漢訳がもとづいたのは、日本の馬場孤蝶が日本語に翻訳したものでした。
 図式にすれば以下の流れで出現したことになります。
 ドーデのフランス語原作→アイヴス英訳→馬場孤蝶日訳→虞霊漢訳
 神田論文の最終回は、『清末小説から』第118号(本年7月1日公開予定)に掲載されます。



 
『荒島孤童記』
上海・広智書局 宣統元年七月(1909)

 
CAPTAIN (FREDERICK) MARRYAT“THE LITTLE SAVAGE”ウェブより引用


2015.3.5(2015.3.16誤植を訂正)
 上記の漢訳『荒島孤童記』について興味深い記述を見ました。
 過日、本研究会ウェブサイトにかかげた李艶麗『晩清日語小説訳介研究(1898-1911)』(2014)です。
 該書には「晩清日語小説翻訳書目録(1898-1911)」があります。日本語から漢訳された201種の作品を収録します。
 日本作品からの漢訳、あるいはもとが外国作品の日本語訳からの重訳など、詳しく書かれているのが特色のひとつです。
 そこで、上記の『荒島孤童記』です。
 樽目録では、原作者について「CAPTAIN FREDERICK MARRYAT著?」と書きました。
 キャプテン・マリアットが著者であるところまではわかっていたのです。ただし、彼の作品は多く、これと特定することができませんでした。
 李艶麗目録175頁には、つぎのようにあります。
 
 60*. 《荒島孤童記》,无悶居士訳,上海・広智書局1909
  (英)CAPTAIN MARRYAT“MASTERMAN READY, OR, THE WRECK OF THE PACIFIC”?
  (日)東洋逸史(橋本武)訳,《浮世鏡》@(巻之1),春陽堂1887
  欄外@正文中記:英国摩爾利亜登著,日本東洋逸史訳

 60という数字につけられた「*」は、李艶麗による発見を示しています。
 注目されるのは、カッコつきながらマリアットの原作を指摘しているところでしょう。
 さらには、日本語訳が『浮世鏡』だとし、その日本人までも明らかにしているのが驚きです。
 李艶麗による新発見だと、私は思いまた。
 上記の記述は、原作がマリアットであり、それを東洋逸史が日本語訳した。漢訳は日本語訳からの重訳になることを示しています。
 それにしては、英文原作になぜ「?」がつくのか不思議です。ここはよくわかりません。
 『浮世鏡』は、柳田泉、木村毅の目録、あるいは国立国会図書館『明治・大正・昭和 翻訳文学目録』(風間書房1959.9.25)には見ることができません。
 李艶麗はよくさがしたものだ、と私は感心したのです。
 ここから確認作業にはいります。
 国立国会図書館近代デジタルライブラリーに「うきよかがみ」で収録されていました。
 発行所は春陽堂のほかに同労舎があげてあるのがわかります。
 活版印刷ではなさそうです。すこし読みにくい。それよりも、「巻之一」とあるように、分冊で出版されたらしい。
 1冊でわずかに3回しかありません。
 『荒島孤童記』は上下2冊の48章です。分量が一致しない。あれれ、と思いますよね。
 それどころか、本文を見れば両書の内容はまったくの別物です。
 ということは、漢訳と東洋逸史の日本語訳は関係がない、という意味になります。
 あらためてマリアットの原作を順番に検討する必要がでてきました。
 その結果は、CAPTAIN (FREDERICK) MARRYAT“THE LITTLE SAVAGE”1848が原作であるとわかりました。
 いろいろな版があって、上記のものはそのなかのひとつに過ぎません。
 李艶麗が原本調査に努力をしたことは事実です。しかし、最後の詰めが甘かった。




張旭、車樹昇編著『林紓年譜長編(1852-1924)』の216頁


2015.3.5
 昨年末に紹介しました上記書籍についてです。
 写真に掲げましたように『羅扎雌風』を説明しています。
 そこまではいいのです。
 しかし、該書に収録した作品として「二老朝陵」など8作品をあげている。
 これはなんでしょうか。
 張旭は、さらに注釈を書いて「按:據馬泰来考証、其中「梭倫格言」非托爾斯泰作品」と書いています。
 原作は英国希洛著だと冒頭で書いていながら、そのなかのひとつはトルストイ(托爾斯泰)作品ではない、とは意味がわかりません。
 なんのことはない、書名の似ている『羅刹因果録』と混同している。
 参考文献451頁に樽目録第3版(2002)をあげています。すでに第6版をウェブ上で公開しているのをご存知ないらしい。
 現在にいたるまで、昔の第3版を参考資料にかかげる中国の著作がありますが、どうにかならないものでしょうか。
 今後も第3版を示す研究書が出版されるとすれば、その著者は情報収集能力に疑問符がつく証拠となるでしょう。



2015.3.1
 崔文東氏より以下の2件をご教示いただきました。ありがとうございます。

=====================
E0251*
児童修身之感情 5章 (包)天笑訳 文明書局 光緒31(1905)
原著:原抱一庵(訳),《三千里》,東京:金港堂,1902。
陳宏淑:〈《馨兒就學記》前一章:《兒童修身之感情》的轉譯史〉,《翻譯學研究集刊》第17輯(2014)

N0774*
女露兵 (日)押川春浪著 湯紅〓女士訳 『旅順双傑伝』世界社 宣統己酉(1909)
原著:真龍齋貞水,《家庭講談.女露兵》,刊於《女學世界定期搖ァ.家庭小説小天地》(博文館,1905)。(湯紅〓將著者寫作「龍水齋貞一」)
崔文東:《新小説與新傳記之間:以晩清女作家湯紅〓的翻譯小説爲中心》,2013中央研究院明清研究國際學術研討會(2013年12月5-6日)




ケ大情『広州与上海――近代小説中的商業都会』の307頁


2015.2.23
 過日紹介しました「附録1:新補近代小説書目」の続報です。
 写真をご覧ください。
 『国民報』の掲載番号3から16番まで(次頁の18番まで)の発行月日が、すべて「1910年6月20日」!
 16作品が、連載も含めて同じ「1910年6月20日」に掲載されたというのは、どういうことでしょうか。
 連載情況を記述していますから実物で確認したらしい。それで、この結果です。
 不注意による記載間違いだとは見えません。基本のところで誤っているのか。
 だいいち、印刷段階で校正しなかったのですかね。厳密さがたりない。
 ほかの部分についての記述を信頼できるのか、という疑念が生じます。
 ケ大情は、先行目録のいくつかを名指しして収録されていない作品を掲げました。
 刊年の不備については、どう説明するのでしょう。彼は、目録作成という仕事を軽視している。そのような印象を受けてしまいました。
 不思議な目録部分です。




ケ大情『広州与上海――近代小説中的商業都会』
上海世紀出版股▲有限公司、上海古籍出版社2014.11 中国古代文学双城書系


2015.2.21
 内容は以下のとおり。
 =====================
 孫遜「中国古代小説中的“双城”意象及其文化蘊涵(序一)」、
 同上「中国古代小説中的城市書写及現代闡釈(序二)」、
 緒論、
 第1章 広州、上海的歴史文化淵源和古代小説中的文学書写、
 第2章 接受与抗争:広州、上海対西方文明的回応、
 第3章 近代小説中広州、上海的商業活動、
 第4章 近代小説中的新興社会群体、
 第5章 商風浸淫下的近代都市民俗、
 第6章 賭博与吸毒:都市肌体中瘋長的社会毒瘤、
 第7章 娼妓与流氓:都市土壌中盛開的悪之花、
 第8章 近代小説城市書写的変革及其小説史意義、
 附録1:新補近代小説書目、
 附録2:近代小説中渉及広州的作品列表、
 附録3:近代小説中渉及上海的主要作品列表、
 主要参考文献、
 後記




 興味深いのは、「附録1:新補近代小説書目」です。
 以下の小説目録には収録していない作品約400種あまりを集めたといいます。すなわち、阿英『晩清戯曲小説目録』、王継権、夏生元『中国近代小説目録』、樽本照雄『新編摯竦エ末民初小説目録』(樽目録第3版)、劉永文『晩清小説目録』だそうです。
 それにしてもケ大情が利用した目録は、もう古い。阿英1954、王継権ら1998、樽目録第3版2002、劉永文2008ですから。
 樽目録第6版2014は知らないらしい。
 私が見て困惑するのは、掲載する作品の刊行情報が混乱していることです。
 陳大康『中国近代小説編年史』全6冊(北京・人民文学出版社2014.1)が収録している作品と比較対照すれば、日付の多くが一致しません。
 また、旧暦新暦の区別がついているような、そうではないような。あやふやな点が困る。
 上に掲げた写真をご覧ください。
 17の「楊玉春」は「1910年12月8日」となっており新暦です。
 次の18「過墟志」に見える「1911年1月初二日」は何でしょう。旧暦表示が出現しており奇妙ですね。
 つづく「1月初三日至一月二十九日」にいたっては、「1月」と「一月」です。両者を区別しているのでしょうか。
 旧暦ならば「正月」にしてもらえないかな。
 というように、「1911年」が新暦で「1月初二日」は旧暦といういつもながらの混用ですか。ただし、混乱していると再度いっておきます。
 ケ大情の書目は、広東、香港方面の新聞雑誌を収録していて貴重です。
 だからこそ、刊行月日の記述が不統一でいっそう気になる。



2015.2.20
 『清末民初小説目録 第6版』の正誤表を追加しました。
 渡辺浩司氏よりのご指摘です。ありがとうございます。




劉尅キ子女編『翰墨清芬――劉鶚、劉大紳、劉尅キ三世手迹輯存』
私家版(壹号文化伝播有限公司印刷制作 2014)


2015.2.17
 劉鶚、劉大紳、劉尅キ各氏の原稿など関連資料をカラー写真で収録しています。
 劉鉄雲「老残遊記外編残稿」が珍しいです。
 陳祥耀「序一」、方宝川「序二」、劉徳煥、劉徳康「後記」



2015.2.13
 『清末小説から』第117号の目次予告です(2015.4.1公開予定)。

=====================
 いくたびかの阿英目録9………樽本照雄
 《傷心之夜》の原作………渡辺浩司
 《深谷美人》罕見林譯與《空谷佳人》譯者考辨………古 二 コ(Cesar GUARDE)
 《中国通俗小説総目提要》補遺八則………付 建舟
 早期漢訳ドーデ「最後の授業」6――最初の漢訳虞霊「戦後」のばあい………神田一三




寇振鋒『訳介与接受――中日近代小説生成時期的影響研究』
上海訳文出版社2014.8


2015.2.7
 全文が日本語です。
 内容は以下のとおり。
 =====================
 中井政喜「序に代えて」、
 序論、
  第T部 政治小説術語、概念の導入、および理論の受容、
 第1章 清末政治小説の述語、および概念の形成について――明治日本からの導入を中心に、
 第2章 清末政治小説理論の形成について――明治政治小説理論からの受容を中心に、
  第U部 政治小説作品における導入、
 第3章 清末『新小説』誌における政治小説『回天綺談』――明治政治小説『回天綺談』の導入、
 第4章 清末単行本政治小説『累卵東洋』について――明治政治小説『累卵の東洋』の導入、
 第5章 清末中国における『三十三年の夢』の導入(1)――漢訳本『大革命家孫逸仙』を中心に、
 第6章 清末中国における『三十三年の夢』の導入(2)――漢訳本『三十三年落花夢』を中心に、
  第V部 政治小説作品における受容、
 第7章 清末の漢訳小説『経国美談』と戯曲『前本経国美談新戯』――明治政治小説『経国美談』の導入から受容まで、
 第8章 『新中国未来記』における「志士」と「佳人」像――『経国美談』『佳人之奇遇』からの受容を中心に、
 第9章 清末『新小説』誌における政治小説『洪水禍』――明治政治小説『経国美談』からの受容を中心に、
 第10章 清末政治小説における『三十三年の夢』の受容(1)――『〓海花』を中心に、
 第11章 清末政治小説における『三十三年の夢』の受容(2)――『癡人説夢』を中心に、
 第12章 清末政治小説における『三十三年の夢』の受容(3)――『党人碑』と『大馬扁』を中心に、
 結論、
 主な参考文献、
 政治小説年表(清末民初)、
 謝辞




魏紹昌主編『民国通俗小説書目資料彙編』3冊
上海世紀出版股▲有限公司、上海書店出版社2014.12


2015.2.4
 1912-49年に刊行された大衆(漢語:通俗)小説の単行本を収録しています。回目も明記。
 内容は以下のとおり。
 =====================
 第1冊 写真6頁、黄霖「序」、凡例、民国通俗小説書目(著者筆画数順)、
 第2冊 書目つづき、
 第3冊 書目つづき、民国通俗小説評析、書目筆画索引、上海書店出版社「編輯後記」




姜栄剛『晩清小説的変革:中西互動与伝統的内在転化――以梁啓超為中心』
北京・中国社会科学出版社2014.10


2015.2.1
 内容は以下のとおり。
 =====================
 緒論、
 第1章 危機下的晩清小説及其文学生態、
 第2章 “新小説”理論的形成、
 第3章 “新小説”的実践、
 第4章《新小説》研究、
 第5章 “新小説”的検討及晩清小説的発展趨向――兼及晩清小説変革的整体思考、
 第6章 晩清小説変革的伝統回顧――従中国古代小説演変的基本路徑看晩清小説的発展、
 参考文献、
 後記



梁春芳、朱曉軍、胡学彦、陳后揚『浙江近代図書出版史研究』
北京・学習出版社2014.7


 内容は以下のとおり。
 =====================
 緒言、
 第1章 従〓夢中醒来――浙江出版業走出黒暗期、
 第2章 浴火重生――晩清各地出版業日趨繁栄、
 第3章 保存国粋伝承文明――光緒年間各地輯刊的地方文献、
 第4章 山雨欲欲来風満楼――辛亥革命前夕的浙江出版業、
 第5章 穏歩前進――民国初浙江的出版事業、
 第6章 開民智啓新猷――新文化運動中的浙江出版業、
 ほか(後略)、
 附録1五四前後(1912-1927)浙江省各県市出版的刊物一覧表、
 附録2略、
 附録3晩清至民国時期杭州書店、書坊名録、
 主要参考文献



潘桂林『“文学場”之魂――中国近代小説読者意識研究』
北京・中国社会科学出版社2014.10


 内容は以下のとおり。
 =====================
 自序、
 緒論、
 第1章 読者意識在文学場中的聯結功能、
 第2章 近代文学場中的新小説読者意識、
 第3章 民族境遇意識引領新小説語体革命、
 第4章 報刊語境意識拉動新小説叙事革新、
 第5章 読写身〓定位導致新小説反諷弱化、
 結語、
 参考文献



鄭麗麗『風雨“中国夢”――清末新小説中的“救国”想像』
北京・中国社会科学出版社2014.10


 内容は以下のとおり。
 =====================
 序、
 導論、
 第1章 “病”的自覚与“薬”的尋覓――清末新小説的興起、
 第2章 “病状”鋪陳、
 第3章 七年之病,求三年之艾――“救国”方案的政治理念論争(一):改良与立憲、
 第4章 “薬”、“剣”、“火”的逓進――“救国”方案的政治理念論争(二):革命与共和、
 第5章 病樹前頭万木春――文明排外論域中的“救国”方略、
 余論、
 参考文献、
 後記



2015.1.23
 『清末民初小説目録 第6版』の正誤表を追加しました。
 渡辺浩司氏よりのご指摘です。ありがとうございます。




陳平原選編導読『《文明小史》与“繍像小説”』
貴陽・貴州出版集団、貴州教育出版社2014.7.1 20世紀中国人的精神生活叢書


2015.1.16
 『繍像小説』収録作品から挿し絵(繍像)を抜き出して集めた書物です。
 内容は、つぎのとおり。
 =====================
 陳平原「総序」、
 「作為“繍像小説”的《文明小史》――《<文明小史>与“繍像小説”》導読」、
 「活地獄」「醒世縁」「負曝閑談」「鄰女語」「老残遊記」「癡人説夢記」「月球殖民地小説」「瞎騙奇聞」「未来教育史」「市声」「掃迷帚」「学究新談」「玉仏縁」「世界進化史」の部分挿し絵、
 「文明小史」60回全部の挿し絵(第22回2葉は未収録)、
 自在山民撰「文明小史」評語。
 =====================
 収録したいくつかの挿し絵について誤りがあります。
 本来あるべき挿し絵が存在していません。別作品のものが、かわりに挿入されているのは奇妙です。
 38頁「負曝閑談」第16回1葉は「老残遊記」第2回の、42頁「鄰女語」第10回1葉は「負曝閑談」第18回の、46頁「老残遊記」第2回1葉は「鄰女語」第10回の挿し絵に間違っています。編集上の手違いでしょう。
 また、雑誌そのものがもとから間違っている箇所はつぎのとおり。
 51頁「癡人説夢記」柱の第九回は第十回の、83頁「世界進化史」柱の第十五回は第十六回の誤り。
 該書は、「挿し絵(繍像)」を主としています。回数の誤記については、導読する陳平原の説明があってもよかったと思うのです。
 「文明小史」第22回の挿し絵2葉が収録されていないことを説明しています。20頁注4です。
 『繍像小説』第21号(期)に「文明小史」第21回と第22回が掲載され、後者には挿し絵がない、という。
 ですから、全部で118葉だそうです。
 それは間違いです。第22回の挿し絵を下に掲げます。
 

 この挿し絵は、該誌の初版には存在し、再版には見られません。
 陳平原本に第22回の挿し絵を収録していないのは、たぶん再版本によっているからでしょう。初版本を見るべきでした。
 彼は、『繍像小説』の主編が李伯元であるかどうかについて過去に論争があったことに触れます(14頁注2)。そこは、いいですね。
 しかし、雑誌の発行が遅延していた事実を無視する。「文明小史」の作者と『繍像小説』の発行情況には密接な関係があります。そこに気がつかなかったのは、残念なことです。
 小さいことをひとつ指摘しておきましょう。
 3頁で林琴南「論古文之不当ママ廃」(上海『民国日報』1917.2.8)をあげています。
 題名が違います。「当」ではなく「宜」です。
 また、『民国日報』は転載しただけ。初出は、天津『大公報』(1917.2.1)と書くのが正確です。




池田智恵『近代中国における探偵小説の誕生と変遷』
早稲田大学出版部2014.11.7 早稲田大学モノグラフ110


2015.1.15
 内容は以下のとおり。
 =====================
 緒論 問題としての中国近代探偵小説、
  第1部 近代ジャーナリズムと読者の想像力――探偵小説創作の萌芽、
 第1章 五十元の接吻、
 第2章 ホームズを想像・創造する、
 第3章 「犯罪」を消費する読者と『時事新報』「黒幕」欄、
  第2部 第1次探偵小説ブーム 翻訳から創作へ、
 第4章 理想の探偵小説を求めて――雑誌空間に見る読者の声、
 第5章 怪盗かあ武侠へ――近代中国におけるアルセーヌ・ルパンの軌跡、
 第6章 「黒幕」に挑む探偵と怪盗、
  第3部 第2次探偵小説ブーム 探偵小説の転換、
 第7章 1940年代における探偵小説の再興とその読者、
 第8章 霍桑の限界――1940年代における探偵像の変化、
 第9章 魯平の突破、結論 近代中国における探偵小説の過去・現在・未来、
 後書き、
 英文要旨




李艶麗『晩清日語小説訳介研究(1898-1911)』
上海社会学院出版社2014.8 国家対外文化交流研究叢書


2015.1.11
 内容は以下のとおり。
 =====================
 陳聖来「総序」、Prologue、  自序、
  第1部分 晩清小説的新模式、
 第1章 総論、
 第2章 晩清小説的特点与新模式――晩清四大小説雑誌与《新小説》的情況、
 第3章 黙黙無聞的“文豪”――徳富蘆花案例、
  第2部分 欧米――日本――晩清:文藝思潮的二次選取、
 第4章 虚無党小説与無政府主義思潮考、
 第5章 晩清戦争小説訳介整理及文藝思潮考――兼論戦争小説財中国的冷遇、
 第6章 晩清科学小説与世紀末思潮――以両種《世界末日記》為例、
 第7章 東西交匯下的晩清冒険小説与世界秩序、
  第3部分 日本――晩清:文藝思潮的一次選取、
 第8章 “政治”与“人情”之間的遊移――晩清政治小説与明治政治小説論考、
 第9章 晩清日語小説訳介中的硯友社系小説――兼論中日文壇的言情小説、
 結論、晩清日語小説翻訳書目録(1898-1911)、
 参考文献、
 後記



 
冷血(陳景韓)訳「自殺倶楽部」『偵探談四』
上海・開明書店 光緒30.10(1904)影印


2015.1.4
 斯吐愛沙「自殺倶楽部SeLbstmord-KEoBママ」と表示されています。
 原作はスティーヴンスンで、作品は以下のとおり。
 ROBERT LOUIS STEVENSON“THE SUICIDE CLUB”(“NEW ARABIAN NIGHTS”NO.1 1882)から
 「解散」(クリームタルトを持った若者の話 STORY OF THE YOUNG MAN WITH THE CREAM TARTS)、
 「決闘」(医者とサラトガトランクの話 STORY OF THE PHYSICIAN AND THE SARATOGA TRUNK)。
 陳景韓がよったのは、千葉奈曾一(秀浦)『自殺倶楽部』(新声社1902.9)のようです。
 千葉は、ドイツ語訳から日本語に翻訳した。ですから、陳景韓の説明にドイツ語が出てくるらしい。






2015.1.1
 本年もよろしくお願いいたします。


 『清末小説から』第116号を掲げました。



はじめに
 『清末民初小説目録 第6版』を無料公開中です。

 中国の清末小説(しんまつ しょうせつ)を専門に研究している会です。清末とは、清朝末期のことを指します。厳密にいえば、「中国の」と付ける必要はありません。清末は、中国にしか存在しませんから。まあ、丁寧に言っております、くらいのことですのでご了承ください。
 年代でいえば1900年代から1911年の辛亥革命をへて五四文学前です。
 日本ならば、明治30年代から大正初期にあたります。
 というわけで、清末小説を専門にしているといっても、中華民国初期の小説も含んでおりますので、誤解のないようにお願いいたします。
 それならば、いっそのこと「清末民初小説研究」と名づけていいようなものの、長いです。
 研究会と称していますが、組織はありません。
 定期刊行物として季刊の『清末小説から』(ウェブでの公開を継続中)を発行することが研究会の目的です。年刊の『清末小説(しんまつしょうせつ)』は第35号2012で終刊しました。
 『清末小説から』の最新号所収の論文と『清末小説』は、いくつかを本ホームページで読むことができます。
 なお、『清末小説』のバックナンバーおよび『清末小説から』は、在庫がありません。
 清末小説研究会の出版物も同様に在庫がなくなりました。申し訳ございません。また、同時にありがとうございます。
 これまでの研究会活動を紹介するかわりに雑誌『清末小説(研究)』の編集ノートをあつめた編集ノート集をかかげます。おおよその活動が理解できるでしょう。
 研究をめざす人を対象に『清末小説研究ガイド2008』を発行しています。清末小説研究資料叢書は、該ガイドを含めて13まで発行して終了しました。もうしわけありません。こちらも在庫はなくなっています。
 現在、電字版での単行本出版を企画中です。ご期待ください。