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2002.12.16
漢訳アラビアン・ナイトについて調べています。
前にも書いたかと思いますが、漢訳がよった英文原本を見つけるのがむつかしい。
訳者自身が、英文原本に触れない場合があるからです。
奚若訳の『天方夜譚』は、商務印書館「説部叢書」に収録されたとき、ラウトリッジ社のレイン版だと明記しています。
そう書いてあるのですから、誰でもそうだと思います。
これが、まちがいのもとでした。
レイン版の本文と漢訳を照合してみれば、合致しないのです。
それでは、とタウンゼンド版と比較してみれば、合致しているようなそうでないような。
しかし、タウンゼンド版にしかつけられていない注釈を漢訳は取り入れているのは、有力な証拠となります。
一方で、ラウトリッジ版のサグデン版は、一部が漢訳とそっくりだったりするのです。
以上のような試行錯誤を行なった結果、ようやく漢訳がもとづいた英文原本を捜し当てることができました。
フォースター版です。
ガランのフランス語訳からフォースター版の英訳が生まれ(スコット版も派生して)、さらにタウンゼンド版、サグデン版が誕生しているのですが、そのフォースター版だったのですね。
奚若訳は、本文はフォースター版にもとづき、注釈はタウンゼンド版によっていることが判明しました。
「説部叢書」版に見える序の説明は、間違いだったのです。
しかし、周作人の漢訳アリ・ババについては、未解決のままです。
こちらの問題を解決するには、もうすこし時間がかかりそうだと申しておきましょう。
2002.11.10
『清末小説から』第68号の発行予告です。
『清末小説から』第68号目次
『絵図文学初階』巻1について ………樽本照雄
《穡者傳》和《卓舒及馬格利小説》……韓 一宇
説盡興亡借資鑒,秋燈展巻感滄桑………田 若虹
漢訳アラビアン・ナイト(4) ………樽本照雄
一九一〇年小説略説(下) ………武 禧
【書評再録】
一部富有学術意義和使用価値的工具書…郭 延礼
《(新編増補)清末民初小説目録》………夏 暁虹
清末小説から
2002.11.1
渡辺浩司氏よりかさねて『清末小説』第25号の誤植をご指摘いただきました。
31頁17行 菊洋社1906.4[ → 菊洋社1906.4
また、「附録1:商務印書館版「説部叢書」変遷概略図」のうち
44頁倒9行 四=六澳洲歴険記1906 1=37
は、*四=七澳洲歴険記1908 1=37
に変更します。このほうが作品の移動があったことをよりよく表現していると考えるからです。
以上です。ありがとうございました。
2002.10.30
『清末小説』第25号の誤植につきまして、渡辺浩司氏よりご指摘をいただきました。
ありがとうございます。
謹んで訂正させていただきます。
『清末小説』第25号誤植
表紙目次 1907年的商務印書館記念冊 → ……紀念冊
8頁1行 鄒振環 → 陸〓日斤}
15頁2行 『中国近現代叢書目録』 → 『中国近代現代叢書目録』
25頁倒3行 第一第一編 → 第一集第一編
29頁11行 言及しないもの → 言及しないのも
31頁17行 菊洋社1906.4[ → 菊洋社1906.4
57頁倒7行 初集第4篇 → 初集第4編
58頁9行 報道にも対しても → 報道に対しても
67頁5行 「上海/時事報館内/蘭陵社印行」 → 2行だから「上海 | 時事報館内/蘭陵社印行」とする。
つまり、上 時事報館内/海 蘭陵社印行、となっている。
77頁倒3行 少しの加筆ある → 少しの加筆がある
79頁倒3行 収録されいない → 収録されていない
83頁7行 probulems which have benn → problems which have been
86頁10行 第8期にずれ込んで → 第9期にずれ込んで
86頁倒3-2行 ……猛夏月/……猛春月 → いずれも「孟」に訂正
89頁12行 ちょうと → ちょうど
91頁9行 quater-mile → quarter-mile
91頁22行 he was first → he was the first
102頁19行 読んでいた。 → 読んでいた)
112頁倒4行 三十三年歳次孟春月 → 「丁未」を追加する
112頁倒3行 「銀光馬案」を追加する
114頁注7,注10、115頁注16 「清末探偵小説史稿」 → 「清末探偵小説史稿」(一)
120頁10行 だたちに → ただちに
169頁7行 損なうこなく → 損なうことなく
2002.10.12
お知らせをふたつ。
夏暁虹氏の筆による《(新編増補)清末民初小説目録》(『中華読書報』2002.8.28)が発表されました。『清末小説から』第68号に再録予定です。
『清末小説』第25号を発行しました。
2002.10.7
新出資料!
李伯元は、肺病が原因で死去しました。
彼の友人たちが証言しており、学界の定説です。
李伯元自身が、自分が肺病であることを新聞紙上で宣言している記事を発見しました。
今まで、公表されたことのない資料です。
「李伯元の肺病宣言」を、ここに紹介します。
『世界繁華報』光緒三十二年二月十五日(1906.3.9)
告我良朋
鄙人夙有肺疾春寒即□入夜尤甚
医云非静攝不可故自今年正月起
諸公招飲一概心領敬謝容俟賎
躯全愈再當照旧追陪敬布区区伏
希愛察 南亭啓
李伯元が自分の病気を広告しているのですから、きわめて珍しい記事だということができます。
2002.10.3
『樽本照雄著作目録1』の誤植を渡辺浩司氏よりご指摘いただきました。
感謝します。
訂正表をご覧ください。
2002.9.26
『新編増補清末民初小説目録』の次の2項目について訂正します。
●194頁 g0284* 谷間鴬
(中略)
CERVANTES“EL INGENIOSO HIDALGO DON QUIJOTE DE LA MANCHA”。三木愛花仙史閲、斎藤良恭訳『欧州新話 谷間之鴬』共隆社1887.4。
→
CERVANTES著『模範小説集』のうちの英訳「血の力」(柳田泉)“EL INGENIOSO HIDALGO DON QUIJOTE DE LA MANCHA”ではない。仏国セルバント氏著、(三木)愛花仙史閲、斎藤良恭訳『欧州新話 谷間之鴬』共隆社1887.4/大川屋1893.1再版。
●483頁 m0741* 明日之戦争
(中略)
DANRIT,CAPITAINE(DRIANT,EMILE)『明日の戦争』兵事新報社1894.2もしくは『明日の戦争 野戦の記』有則軒本店1899.9(藤元直樹)
→
DANRIT,CAPITAINE(DRIANT,EMILE)『明日の戦争』兵事新報社1894.2(藤元直樹)
後者については、藤元直樹氏よりご教示いただきました。
いつもありがとうございます。

2002.9.24
周作人が漢訳した『アラビアン・ナイト』のなかの1話は、『侠女奴』といいます。
彼は、回想文でくりかえし、その原本がニュウンズ(GEORGE NEWNES)社のものであると断言しました。
ところが、英国図書館に所蔵される該書を閲覧してみると、周作人の証言とはまったく異なっているのです。
周作人は勘違いしたのではないか、と私は疑っています。
さらに調査を続けます。

2002.9.21
『清末小説』第25号は、10月末には発行できるでしょう。
目次を確定しましたのでお知らせします。
●『清末小説』第25号 2002.12.1
商務印書館版「説部叢書」の成立……神田一三
中国におけるコナン・ドイル(2)…樽本照雄
劉鉄雲は冤罪である・補………………沢本香子
商務印書館早期的《最新初等小學筆算教科書》………鄭寧 張人鳳
1907年的商務印書館紀念册……………柳 和城
晩清(清末)小説研究著作十二種簡介簡評………劉 徳隆
“陳匪石譯”《最後一課》與胡適譯《最後一課》考略………韓 一宇
大塚秀高氏の文章2篇――「老残遊記」と「官場現形記」に関連して………樽本照雄
李伯元遺稿(4)――李錫奇『南亭回憶録』より
編集ノート

2002.9.6
私は、「ポー最初の漢訳小説――周作人訳『玉虫縁』について」(『大阪経大論集』第52巻第5号(通巻265号)2002.1.15)を発表しました。
周作人の漢訳が山縣五十雄の訳注に大きく依存していることも指摘したのです。
その漢訳『玉虫縁』が日本で影印発行されているとは、まったく知りませんでした。
中国近代文学研究会叢書U周作人関係資料@として『玉虫縁』が、山縣五十雄訳注『宝ほり』とともに影印されておりました(日本・中国近代文学研究会1997.11.30。非売品)。
該影印本は、書店の書目に掲載されたのが、2002年8月です。ですから、新しく発行されたものとばかり思っていました。ところが、原物を見ると、奥付は、平成9年となっています。
今から5年前の発行でも、書目に載るものなのか、と不思議な気がしないこともありません。
2002.9.5
済南・斉魯書社出版の『新編増補清末民初小説目録』について、いくつか書評が発表されています。
そのうちのひとつを掲げます。
賀偉「《新編増補清末民初小説目録》出版」『旧書信息報』2002.8.5
以下は、『清末小説から』に掲載予定です。
賀偉「《新編増補清末民初小説目録》簡介」『古籍新書目』2002.4.28→『清末小説から』第67号
郭延礼「一部富有学術意義和使用価値的工具書――推薦斉魯書社版《新編増補清末民初小説目録》」『山東出版』2002.7.30→『清末小説から』第68号
2002.8.28
清末小説研究資料叢書の第3集のお知らせ。
『樽本照雄著作目録1』を発行します。
1971-2001年間に発表した文章の総目録です。
あの『清末小説きまぐれ通信』を全文収録したのが特徴のひとつです。
目録のみならず、雑誌の「あとがき」などを全文収録しています。
ご期待ください。
2002.8.27
『清末小説』第25号発行予告です。
商務印書館版「説部叢書」の成立……神田 一三
中国におけるコナン・ドイル(2)…樽本 照雄
劉鉄雲は冤罪である・補………………沢本 香子
商務印書館早期的《最新初等小學筆算教科書》…鄭寧 張人鳳
1907年的商務印書館記念册……………柳 和城
“陳匪石譯”《最後一課》與胡適譯《最後一課》考略…韓 一宇
晩清(清末)小説研究著作十二種簡介簡評…劉 徳隆
李伯元遺稿(4)
そのほか
2002.8.26
韓一宇氏より、済南・斉魯書社出版の『新編増補清末民初小説目録』についてご教示をいただきました。
17頁 b0040* 原作者、原作は、Eugene Sue“Les Mysteres de Paris”1842-43
183頁 g0073* に追加。『大共和日報』1912年11月
199頁 g0390* 原作は、“Les Miserables”的片断。
219頁 h0019* h0020* 原作名の綴り違い。……LE MERS→……LES MERS
401頁 l0354* 原作は、“Claude Gueux”1829。
428頁 l0892* 原作は、“Notre-Dame de Paris”的片断。
435頁 l1014* 『賂史』は、削除する。
453頁 m0136* 原作は、“Notre-Dame de Paris”的片断。
847頁 y0097* 不是Victor Hugo的作品,是Alexandre Dumas pere的Le Comte de Monte-Cristo。
858頁 y0310* 最初版本是巴黎万国美術研究社1908年“欧美社会新劇之二”。
969頁 z0795* 原作者、原作は、Theodore Cahu“Georges et Marguerite”
くわしく見てくださって恐縮です。以上、訂正いたします。
2002.7.31
劉徳威氏より劉鉄雲についてご教示をいただきました。
劉鉄雲の金石文に関する新資料が発見されたそうです。
それらは、劉鉄雲のホームページ「雑家劉鶚」http://liue.xiloo.com/liue/liue.htmに掲載されています。
「雑家劉鶚」目次を下にかかげます。
関於劉鶚
劉鶚著作存目
劉鶚詩存
劉鶚与老残遊記研究
劉鶚後人
丹徒劉氏世系簡表
劉鶚大事系年表
関於太谷学派
劉氏家族研究
劉鶚後人的専著
劉鶚資料新発現
2002.7.20
樽本照雄「漢訳ホームズ『緋色の習作』」(『大阪経大論集』第53巻第1号(通巻267号)2002.5.15)をかかげます。
2002.7.16
東方書店より送られてきた「図書速報(近現代文学)」2002年第29号(2002.6.28)に、『新編増補清末民初小説目録』(斉魯書社 予価18,000円)が掲載されています。
掲載してもらって恐縮です。
人民元で360元ですから、東方書店は、1元を50円で換算していることもわかりました。
該書を説明して「1997年に清末小説研究会で刊行した『新編清末民初小説目録』を中国の賀偉氏らによって大幅に増補したもの」と書かれています。
正確ではありません。
賀偉氏は、「序」「まえがき」「あとがき」などの日本語を漢訳しました。
しかし、氏は、増補作業には、関係しておりません。
見てもらえばわかりますし、また斉魯書社の「前言」にあるとおり、目録本文は、日本語をまじえて書かれているのです。
目録本文全体を漢訳するとなると、その作業は膨大なものになります。また、そうなれば誤植を避けることができません。その校正を考えただけでも、気がとおくなります。
誤植、誤記をひとつでも減らすために、熟考した結果、版下を樽本が作成したという次第なのです。
ですから、日本語が使われている理由をご理解いただけるでしょう。
本年1月に原稿を郵送し、印刷物になって出てくるまで、約4ヵ月しかかかっていない理由でもあります。
2002.7.12
出版予告です。
●『清末小説から』第67号 2002.10.1発行予定
新編増補清末民初小説目録序………樽本照雄
漢訳アラビアン・ナイト(3)……樽本照雄
「劉鉄雲と中根斎」補遺 …………周 力
陸士諤小説的新認識 …………田 若虹
よみがえる『出版史料』 …………沢本郁馬
一九一〇年小説略説(上) ………武 禧
【書評再録】
《新編増補清末民初小説目録》簡介…賀 偉
清末小説から
2002.7.11
渡辺浩司氏より、さっそく『新編増補清末民初小説目録』の誤植をご指摘いただきました。
あつくお礼を申し上げます。
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○新編前言
7頁倒6行 北京 文聯出版公司 → 北京 中國文聯出版公司
9頁8行 陳樹鳴 → 陳鳴樹
○本書的使用方法
5頁7行 小説届 → 小説界
7頁8行 數字表示與該書目不符的編號
*意味がわかりません
7頁19行 1996 → 1998
11頁倒9行 新瀉 → 新潟
13頁9行 押川春浪和中國 → 押川春浪和近代中國
13頁22行 1996 → 1998
14頁8行 千哲 → 先哲
18頁11行 〈紅風雲〉》索烏爾 → 〈紅風傳〉》韓國・漢城
20頁1行 愛國者 → 愛國報
21頁14行 中國 → 中華
21頁倒3行 《清末小説過眼録》28 → 《晩清小説雜談》1
22頁8行 新瀉 → 新潟
22頁13行 《小説林》戊申 → 《小説林》第9期 戊申
23頁3行 澤田瑞惠 → 澤田瑞穗
24頁5行 1981.3.1 → 1981.4.20
24頁20行 文藝論集 → 文藝論叢
25頁3行 大塚秀高的 → 大塚秀高氏的
25頁7行 竹村規行 → 竹村則行
25頁21行 1979 → 1975
25頁27行 10.15 → 9.15
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2002.7.4
新刊書籍のお知らせです。
樽本照雄編『新編増補清末民初小説目録』(済南・斉魯書社2002.4)が発行されました。
定価は、人民元で360元です。
前回のものより、作品約3,100件の増補を行ないました。
翻訳の原作なども、判明したものは、すべて注記しています。
参考文献も追加して表示しましたから、作品を追跡するてがかりになるでしょう。
中国の書籍としては、異例の高定価ですが、日本で購入することを考えると、前回のものよりもかなり安くなっています(ただし、人民元のレート換算によります)。
内容がより充実していて、その価格ですから、お買い得です。
本目録は、残念ながら、本研究会では、扱っておりません。
日本の中国書籍専門店にご注文ください(人民元の交換レートを確認することをわすれずに)。
中国山東省の「斉魯書社」から出版された『新編増補清末民初小説目録』だと、ご指定ください。
2002.6.2
『繍像小説』の発行遅延問題について、考えています。
そこで、『清末小説から』第64号に掲載しました拙文「李伯元は死後も『繍像小説』を編集したか」を読みなおしますと、いくつかの箇所が、間違っていることに気づきました。
訂正したものを再度掲げましたので、興味をお持ちのかたは、ごらんください。
2002.5.29
渡辺浩司氏より、『清末小説から』第66号の誤植をご指摘いただきました。
34頁 右2行目の王建輝論文は、-10行目に重複している。
34頁 右9行目 国際公報 → 国際広報
お知らせに感謝します。
見直してみると、おなじ文献目録の11行目の葉再生論文も重複しておりました。申し訳ございません。ご訂正をお願いいたします。
なお、『清末小説から』第66号は、まだ本ホームページには掲載しておりません。なにしろ発行日は7月1日付ですから。後日、掲載いたします。
2002.5.28
北京より『出版史料』2001年第1輯が発行されました(北京・開明出版社2001.7。目次には「叢刊」がついている)。
以前、上海で発行されていた『出版史料』と同名です。
上海の『出版史料』は、総32期を出して発行中止になりました。
それをついだかたちで『編輯学刊』が現在も発行を継続中です。
北京の『出版史料』は、もとの上海のものを継続していくという編集方針のようです。
今後の出版をたのしみにしています。
2002.5.20
前回、『新編増補清末民初小説目録』が中国の斉魯書社より出版されることをお知らせしました。
その追加情報です。
上海学術書店から送られてきました書目によりますと、該目録の定価は、人民元で360元だそうです。
上海学術書店では、その価格帯だと1元=50日本円で換算しています。
日本円で1万8千円というのが、該目録の日本での販売価格となるようです。
うーん、元版の約3万4千円というのよりも、かなり安くなっていますネ。
おまけに、増補してあって内容がより充実しているというのですから。
2002.5.15
新刊予告です。ただし、清末小説研究会の刊行物ではありません。
『新編増補清末民初小説目録』が中国の斉魯書社より出版されます。
前作『新編清末民初小説目録』(1997)を大幅に増補しました。
賀偉「《新編増補清末民初小説目録》簡介」(『古籍新書目』2002.4.28)が発表されています。
賀偉によると、該目録は、1万9千種の小説を収録して、みっつの「全」によって表現できるといいます。
1.「収録的篇目全」創作、翻訳ともに収録して、当時の歴史の容貌を全面的に反映している。
2.「収録的版本全」初出雑誌より、単行本へ、さらに最近の重版まで、可能な限り全面的に収録している。
3.「毎個条目中所列項目全」書名、編著訳者名、出版社、発行年月など全面的に記述している。そればかりか、翻訳には原作品名、原作者名なども明らかにする。なんといっても、大量の第2次資料を使用し、その典拠をいちいち注記しているのが便利だ。
該目録の特徴をよく説明しているということができるでしょう。
書店に注文されますと日本でも入手できるはずです。
定価は、事前に人民元で300元と聞きました。ただし、発売時に、変更があるかもしれません
書店にお問い合わせください。
『搨濠ッ場現形記』を発行しました。
2002.4.26
●『清末小説から』第66号目次予告
商務印書館最初の英語教科書………樽本照雄
《新小説》創〓刊行情況略述………郭 浩帆
漢訳アラビアン・ナイト(2)……樽本照雄
一九〇九年小説略説(下) ………武 禧
民国初期の小説雑誌『好白相』補…渡辺浩司
2002.4.10
樽本照雄「『暴夜物語』の底本――日訳最初のアラビアン・ナイト」(『大阪経大論集』第52巻第6号(通巻266号)2002.3.31)を掲載します。
日本語訳『暴夜物語』に使われた底本の定説に修正を加えました。
漢訳アラビアン・ナイトを調べている途中の副産物です。
2002.3.22
【清末小説研究会 新刊予告 清末小説研究資料叢書2】
南亭新著 世界繁華報館発行
搨濠ッ場現形記
限定200部 定価:4,000円+税
本書は、世界繁華報館発行『搨濠ッ場現形記』の影印本です。
多数刊行されている『官場現形記』の版本のうち、搨高ほどこし絵図をつけた石印本があります。版元は、粤東書局と崇本堂が有名です。李伯元著、欧陽鉅源搨高ナあることがあきらかにされました。
しかし、搨濠G図石印本は、版本としての信頼度が、従来から研究者に疑問視されています。なぜなら、欧陽鉅源の死後に発行されていたり、「誤植」が多いなどの不可解な点が見られるからです。
搨濠G図石印本は、世界繁華報館が出版した『官場現形記』の原本とは、まったく関係なく作成されたと考えられていました。ほとんど「海賊版」あつかいをされていたのが事実です。
ところが、この搨濠G図本と世界繁華報館の原本を直接結びつける版本が日本で発見されました。1981年のことです。
版元として世界繁華報館の名称を明記し、組版も装丁も原本と搨獄{はまったく同じです。句点と注がついているのが異なります。(発見されたのは、巻37-42、46-60の全7冊)
搨獄{が原本と同じ版元である世界繁華報館から発行されている点が重要です。つまり、李伯元の了承のもとに搨獄{が欧陽鉅源によって作成されたことを意味します。
『搨濠ッ場現形記』の発見は、のちの粤東書局、崇本堂本の元本となったことを証明しました。
このたび『搨濠ッ場現形記』を影印して刊行するのは、研究に不可欠な版本だという認識があるからです。しかも、中国での所蔵を聞かないほどの珍しさです。発行部数に限りがあります。増刷、重版はございません。ご注意ください。
世界繁華報館《官塲現形記》増注本影印序…………王 學鈞
『搨濠ッ場現形記』について …………樽本照雄

2002.3.19
論文の誤りをご指摘いただきました。
渡辺浩司さん、いつもありがとうございます。
以下のものです。再度、掲げましたので興味のある方はご覧ください。
トルストイ最初の漢訳小説
コナン・ドイル作「唇のねじれた男」の日訳と漢訳
漢訳ドイル医者物語
ポー最初の漢訳小説
漢訳ドイル「荒磯」物語
漢訳ドイル「サノックス卿夫人事件」3種
最近の商務印書館研究に見る日中合弁の事実
2002.3.1
出版予告です。
「清末小説研究資料叢書2」
『増注官場現形記』

2002.2.24
『清末小説から』第65号の誤植を渡辺浩司氏よりご指摘いただきました。
いつもありがとうございます。
2頁右7行 掲げられいない → 掲げられていない
11頁左倒8,6行 反帰 → 返帰
11頁左倒4行 生別 → 性別
11頁右倒2行 回顧 → 回憶
17頁右倒1行 次号は7月発行
なお、さきごろ出版いたしました『日本清末小説研究文献目録』の誤植についてもあわせてご指摘いただいております。
ごらんください。
2002.2.13
新刊のお知らせ
樽本照雄編『日本清末小説研究文献目録』を発行しました。
B5判 約110頁 限定200部 定価2,000円+税
1901年から2001年までに日本で発表された清末小説研究論文を集めた目録です。
「清末小説研究資料叢書1」となります。

2002.1.30
2002年1月28日、澤田瑞穂氏が永眠されました。享年89。
清末小説研究は、氏の研究成果のほんの一部分を占めるだけです。
しかし、日本における研究の先駆的役割を担った事実は否定できません。
ご冥福をお祈りします。
●『清末小説から』第65号目次予告
忘れられた増注本系『官場現形記』………樽本照雄
漢訳アラビアン・ナイト(1)……樽本照雄
論林紓的文言長篇小説《劍腥録》……韓 洪擧
一九〇九年小説略説(上)………武 禧
呉趼人の手紙2通………沢本郁馬
2002.1.30
新刊のお知らせ
樽本照雄編『日本清末小説研究文献目録』4月発行予定
B5判 約110頁 限定200部 定価2,000円+税
1901年から2001年までに日本で発表された清末小説研究論文を集めた目録です。
樽本照雄「日本における清末小説研究――受信から発信へ」を収録しました。
2002.1.26
漢訳されたドイル作品について論じた文章を5本集めました。
題して『漢訳ドイル作品論考』第1巻といいます。
しょうそう文学研究所出版局でごらん下さい。
2002.1.15
漢訳ドイル物語のひとつ『補訳華生包探案』の版本について短文を書きました。
商務印書館版「説部叢書」については、本年の『清末小説』第25号に論文を掲載する予定にしています。
書影を多数掲げますのでご期待ください。
2002.1.8
渡辺浩司氏より『清末小説から』第64号の誤植をご指摘していただきました。
ありがとうございます。
以下のように訂正します。
4頁左倒7行 遅延接 → 遅延説
5頁右5行 どうかわわからない → どうかはわからない
7頁右倒12行 一致しなもの → 一致しないもの
13頁右3行 だだ → ただ
34頁左 王国偉○『近代…… → 近代……『固原
2001.12.30
『清末小説から』第64号を掲載します。
はじめに
中国の清末小説を専門に研究している会です。清末とは、清朝末期のことを指します。厳密にいえば、「中国の」と付ける必要はありません。清末は、中国にしか存在しませんから。まあ、丁寧に言っております、くらいのことですのでご了承ください。
研究会と称していますが、組織はありません。
定期刊行物として年刊の『清末小説』と季刊の『清末小説から』を発行することが研究会の目的です。『清末小説』は、第24号を、『清末小説から』は、第64号を発行しました。なお、『清末小説』のバックナンバーのいくつかは、中国書籍専門店で印刷したものを購入することができます。『清末小説から』は、研究会あて直接お申し込みください。
おなじく、清末小説研究会の出版物は、中国書籍専門店(東方書店、燎原、朋友書店、福岡中国書店など)で購入できます。ご注文ください。
これまでの研究会活動を紹介するかわりに雑誌『清末小説(研究)』の編集ノートをあつめた編集ノート集をかかげます。おおよその活動が理解できるでしょう。
また、『清末小説』最新号 と 『清末小説から』最近既刊号 を掲載しておきますのでご覧下さい。
研究論文目録は、研究のお役に立つと信じています。『清末小説(研究)』『清末小説から』著者別論文目録)を作成しています。
研究をめざす人を対象に清末小説研究ガイド97(1997.1.1)を掲載しました(量が多いので動きがにぶいかもしれません)。